表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

112/156

111. いざ、因子ガチャ

「どうだった?」

「機能は追加されたよ。GPはすっからかんになったけど」

「そうか。でも、それだけポイントを使ったからには期待できそうだな」


 ルクスが期待の目を僕に向けた。意外とガチャ機能を楽しみにしているのかもね。


 もちろん、双子は言うまでもない。


「どんな機能〜」

「やってみて、やってみて〜」


 早速ガチャを回せと僕を急かす。


 いや、やってみせるのはいいんだけどね。恩寵のインターフェースは僕にしか見えないから、みんなが見て楽しいものじゃないと思うけどなぁ。


 と思った瞬間、不思議な感覚があった。ピコンと何か閃いたような……と思ったけど、頭には何も浮かんでいない。けれど、妙な予感がして、恩寵の機能を確認すると……



〈ガチャ共有〉

ガチャの抽選ビジョンを共有することができます。楽しみはみんなで分け合いましょう。



 なんか変な機能が追加されてる!?


 誰の仕業かといえば、混沌神様以外にありえないよね。どうやら、ガチャ機能が相当気に入ったみたいだ。


 まぁ、いいや。みんなも喜びそうなので、早速使ってみようかな。


 恩寵インターフェースから〈ガチャ共有〉を起動すると、機能がオンになった。この状態でガチャ機能を使うと、ビジョンが共有されるみたい。


「じゃあ、回してみるよ」


 まずは〈デイリー無償ガチャ〉から。実行すると、ポコンと音を立てて、目の前に謎の機械が現れた。


「わぁ!?」

「「わぁ!」」


 突然のことに、みんなが驚の声を上げる。同じ“わぁ”だけど、リアクションはだいぶ違う。ルクスはなかなかの勢いでその場から飛び退いたけど、ライナとレイネは目を輝かせて謎の機械を見ている。


「これは、ロイの仕業か!」


 大きな反応をしてしまったのが恥ずかしかったのか、ルクスが顔を赤くして僕を睨みつけてくる。ごめんごめんと言いながら、僕は説明した。


「そうだよ。よくわからないけど、ガチャ機能だけは、みんなと共有できるみたい」

「な、なるほど。混沌神様はこういうの好きそうだからな」


 まだ赤い顔で、ルクスが頷く。混沌神様への印象は僕と変らないみたい。


「「どうやったら、動くの〜?」」


 ライナたちはビジョンのほうに夢中だ。普段ならルクスの反応をからかいそうなのに、こちらを見向きもしない。


「うーん、そうだねぇ」


 こんなふうに機能が具現化されるのは初めてなので、僕にも使い方はわからない。けど、機械には何となく見覚えがあった。カプセルトイの販売機によく似てる……というか、ほぼそのままだ。


 上部はガラスかプラスチックのように透明なケースになっていて、そこに丸いカプセルが入っている。下部にはカプセルの排出口らしい穴があった。GPで支払うからか、コイン投入口はない。普通のガチャマシーンならハンドルみたいなものがついてるはずだけど、それもなかった。


 代わりに“無償”と書かれたボタンがひとつ。


「たぶん、このボタンを押すと動くよ」

「レイネが押す!」

「ライナだもん!」

「ダメだよ、喧嘩したら。仲良くしないなら、ルクスに押してもらおうかな」

「私か!?」

「喧嘩してないもん!」

「一緒に押す!」


 いつものやり取りがあって、ライナとレイネが同時に押すことになった。ルクスがちょっとガッカリしてるのが面白い。実は彼女も押したいと思ってたみたい。


「「いくよ〜、えい!」」


 掛け声とともにライナたちがボタンを押す。ガチャリという音がして、排出口からカプセルが飛び出してきた。


「「わ!?」」


 双子が拾おうとしたら、カプセルはその手から逃れるように跳ねた。そのまま宙に浮かび上がり、パカリと割れる。そして、ピロンとコミカルな音を響かせ、文字が浮かんだ。



■因子ゲット■

・睡眠時回復力アップ(Lv1)



「へぇ、こんなふうになるんだね」

「「面白〜い!」」


 双子がはしゃぐ声を聞きながら、恩寵インターフェースを確認すると、ストックの中に、今引いた因子が入っていることが確認できた。



◆睡眠時回復力アップ◆

睡眠中のあらゆる回復力が上昇する

上昇率はレベルによる



 無償だから、大したことない因子が出るのかなと思ったけど、意外と使えそうな因子だ。他の因子を押しのけてまで使うかと言われると微妙だけど、疲れてるときは良さそうだよね。


「私も! 私もやっていいか?」


 今度はルクスが、ボタンを押す係に立候補した。今のを見て我慢できなくなったみたい。彼女にしては珍しい反応で、とても微笑ましいんだけど……


「えっと、それのガチャは1日1回なんだ」

「そんな……」

「だ、大丈夫だから! 別のガチャもあるから。ね?」

「そ、そうか……」


 今にも膝から崩れ落ちそうなほど落ち込んだ様子に慌てて声をかける。とりあえず、ノーマルガチャを回してもらおうかな。


 今のGPは800とちょっと。つまり、8回はガチャできる計算になる。


 効率を考えるなら、1000まで貯めてから10連で引いたほうがいいんだけど……ルクスたちのキラキラに輝く目をみると、とても言い出せない。


 まぁ、いいか。ガチャが引きたくなったら、またGPを集めればいいんだしね。


 というわけで、ノーマルガチャは1人2回ずつ引くことにした。



■因子ゲット■

・痛覚麻痺

!やる気満々

・従魔応援(Lv2)

・味覚強化(Lv3)

・不運

!激怒

・高貴な煌めき

・酸味アップ(Lv1)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ