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不承転生者の魔法学園生活  作者: ウバ クロネ
【第1.5章】イグノ君は問題児
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1.5−1 ファンタジーが始まっちゃった感じ

章間に「ユウト」が転生した時と、その後の様子をお届けします。

……全体的に、若干テンション高め(&キモめ)となっておりますので、ご了承(ご注意)くださいませ。

マイが転生した時の様子と、比較しながら楽しんでいただければ幸いです。


※なお、「ユウト」の死亡理由は「投身自殺」となっておりますが、こちらの表現は自殺を推奨するものでも、肯定するものでもありません。

「浅見勇人、享年38歳。えぇと。社会生活に疲れ果て、何をやっても上手くいかないと……人生に絶望し、未来に展望を見出すこともできず、投身自殺。……そうか、そうか。そなたは生前、とても苦労したのだな……」

「そうなのですよ、女神様ぁ〜! どんなに頑張っても……社会は俺を認めてくれなかったんです!」

「さぞ、悔しかったろう。良い良い、折角こうして巡り会えたのだ。それなりに、良きに取り計らってやろうぞ」


 おぉ! これが噂に聞く、異世界転生ってヤツか!

 俺……浅見勇人は夢にまで見た「異世界ハーレムライフ」が始まろうとしている瞬間に、興奮に興奮しまくっていたッ! しかも……。


(デュフフ……! 女神様達もいい感じじゃ、あーりませんか。特に……シルヴィアちゃん、ドストライクやでぇ。くぅ〜! パツキン美女、萌ぇぇ!)


 ちょっと薄緑色の肌の女神様はマナ様。自分を妾と言っていたし、これは女帝属性ありと見た! 女神様ともなればきっと幼女にも変身できるだろうし、「のじゃロリ」適性もありそう! ヤベェ! 脳汁、ヤベェ!

 そして、金髪碧眼のバッチリ美人な女神様はシルヴィア様。The・王道の高貴な空気感が……クゥゥゥ! 堪りませぬ! スタイルもバッチリ、お上品さもシットリ! しかも、清々しい香りは最高にファァァビュラスッ!

 いやぁ、ここにきて……トキメキMAXなファンタジーが始まっちゃった感じ、キタコレ! 俺はこっちの世界で、ウフフムフフな世界を満喫するのDA! まずは2名の女神様もハーレム要員に加えておいてやろう。デュフ!


「しかし、どうします? マナ様。ユウトさんの魂には、記憶が強固に結びついているようで……記憶の消去ができないようなのですが……」

「ふむぅ……それは由々しきことじゃな。記憶は全消去が基本だが……じゃが、この才能をみすみす捨てるのは非常に惜しい」

「では……記憶は残したままでの転生となりそうでしょうか?」

「この際、背に腹は代えられん。……仕方あるまい」


 おっと! しかも、異世界転生モノお約束、知識チートルートも来たっぽい⁉︎ 俺の現代知識で、領地開拓にハーレム開拓もしちゃう感じか、これは!


「と、いう事で……そなた、こちらの世界で魔術師になる気はないか?」

「魔術師、とな……?」


 む? ここは普通、勇者ではないのか? こういう異世界転生は主人公が勇者か賢者とかで、最初から最強に活躍しまくって、ついでにモテモテ……がテンプレじゃないのか? そんでもって、特別なことはしてないぜと……「俺、何かやっちゃいました?」とモブ共(&ハーレム要員)に言ってやるのが、お約束だったと思うんだが……。


(まぁ、魔術師から始まる英雄も悪くない……か。フッ。それも悪くない、選択だな)


 いいだろう、いいだろう。オフコーズ! 無論、全力で受けて立ちましょうとも!


「えぇ、いいでしょう! 全力で魔術師……いや、魔法帝! 魔法帝に俺は、なるッ!」

「おぉ! それは頼もしいな! うむうむ、魔法帝とな。実に素晴らしい熱意だ!」

「し、しかし、マナ様。……魔法帝なんてクラス、ありましたっけ……?」

「細かいことはいいではないか。きっと、ユウトの世界には魔法帝なる職業があったのだろう」

「なるほど! でしたら……ユウトさんはこの上ない程の逸材という訳ですね!」

「うむ、うむ! そうに違いない! であれば、早速……ユウトはどのエレメントを選ぶのだ? 折角だから、四大属性も好きなものを選ばせてやるぞ? ユウトはどれがいい?」

「無論、俺が望むのは……全部だ! 全ての属性を操れてこそ、頂点に立つに相応しいというものだッ!」


 フッ……我ながら、決まった!


「ぜ、全部……だと? すまぬ、ユウト。……四大属性はそれぞれが相反する関係にある以上、1人で複数属性を内包することはできぬのじゃ……」

「またまた〜! 女神様だったら、その位は叶えてくれるんじゃないんですか?」

「いや、妾とて……無理なものは無理だ。できることと言えば、魔力量を多めにしてやれることくらいなもので……」


 ふむ……どうやら、ここで欲張るのはダメなようだな。まぁ、いい。どうせ、後から全部使えるようになって……「流石ユウト様! 全部の魔法を使えるなんて、凄すぎ!」ってなるに違いない! デュフフ……! 今から、美少女達の黄色い声が聞こえてきそうだぜ……!


「でしたら……仕方ありません。では、その魔力チートを頂ければ一旦は良しとしましょう。それで……1番、格好いい属性はどれですか?」

「えぇと……格好いいかどうかは分からんが、攻撃魔法が豊富なのは炎属性だな。そなたの情熱には打って付けかも知れん」

「ナイスチョイスですね、女神様! でしたら、是非に炎属性で参りましょう! 今から、攻撃魔法でズバズバと敵を倒す自分に惚れ惚れしそうです!」

「そ、そうか……? ま、まぁ、いい。……ユウトが納得したのであれば、それで。しかし、な、ユウト」

「はい、何でしょうか!」

「……いや、非常に言いにくいことなのだが……この世界では魔力があることが、そのまま魔法を使えることにはならんものでな。いくら魔力量が多くとも、魔法を使いこなせるかどうかは別問題だ。故に、弛まず鍛錬に励むように」

「もちろんです!」


 なーに、俺のファンタジー知識があれば、チョイチョイっと魔法も使えるようになるんだろう。心配は全力でナッシング!


「ふふ……ユウトさん、頼もしい限りですね。私達もユウトさんが偉大な魔術師になることを、心より応援しております。転生先でも頑張ってくださいね」

「えぇ、任せてください!」


 しかし……今、転生先って言ったか? だとすると……これは! イケメン貴族に生まれ変わるチャンスなのでは⁉︎


「ところで……俺の転生先って、決まっているんでしょうか?」

「いや、出生地は流石に指定はできないのだが……育つ場所くらいは、ある程度は調整してやれんこともない。何か、希望はあるか?」

「でしたら! 是非にイケメン貴族に転生させて下さい!」

「イケメン貴族……?」


 俺のオーダーに、ちょっぴり悩ましげな顔をするマナ様も……クフゥ! ヨキヨキ! 良きかな!


(な、なぁ……シルヴィア。イケメンとなると……ハーヴェンとマモンのどっち寄りが正解なんだろうか……?)

(えぇと……ご両人とも素敵なお顔ですし、この場合はどちらでも「イケメン」に該当するのではないかと……)

(そうか……。しかし、うむぅ……困ったのぅ。預け先はともかく、容姿までは選定できぬぞ……)

(ですよね……。どうします? マナ様……)


 うん? 何をそんなに悩んでいるんだい、マイベイビー達。今からどっちが正妻ポジに収まるか、悩んでいるのかな?


「……コホン。という事であれば……生まれた直後に、シルヴィア経由でクージェの帝王に預けるとしようぞ。神の御子として授ければ……実力主義な彼らのこと。きっと、そなたを大切に育ててくれるに違いない」

「帝王の養子……神の御子! いいですね、グッドポジションです! でしたら、是非にそれでお願いします!」

「グッドポジション、なのか? それはさておき、見た目は……すまぬ、妾とてそこまで面倒は見れぬ。ま、まぁ……余程のことがない限り、不細工になることはなかろうて。後は、そなたの努力次第といったところじゃな」

「フッ……承知しました!」 


 さっきから、妙に努力することを念押しされている気がするが……まぁ、これも一種の通過儀礼ってヤツだろう。「努力しなくても、最強!」が最高にクール! これこそが、チート転生の醍醐味! ハーレムこそが、男のロマン!


「必要な話も済んだところで……早速、転生の準備に入ろうかの。しばしの邂逅ではあったが、妾はそなたの頼もしい答えにとても満足じゃ。それでは……ユウト、達者でな。そなたに輝かしい未来が在らんことを……!」


 マナ様が名残惜しそうに、そんなことを言ってくれちゃうけれど。あぁ……これが転生の瞬間……! 感覚が徐々になくなっていくが、不思議と怖くないぞ……! 悪くない……実に、悪くない! 俺の異世界ライフ、ここに開幕……なのだッ!

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