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大嫌いな幼馴染

 いつも私を見下して、バカにしてくる幼馴染がいる。


「二位、凄いね」


 出田心悠莉(いずたみゆり)今、こいつがそう言ってきた。後ろから、こっそりと私の期末の順位表を覗いてきながら。


「……何位」


 どうせ帰ってくる答えなんて分かってる。それでも、私は心悠莉にそう聞いた。

 

「一位」

「……あっそ」


 そう言って、心悠莉は私をバカにしてくる。いつもそうだ。テストに限った話じゃない。私がどれだけ努力しても、こいつが一位で私は二位だ。

 別にそれだけならいい。……負けるのは仕方ないことだ。なのに、こいつはいつもいつも私の順位を勝手に見て、わざとらしく凄いと煽ってくる。


 ああぁぁぁ、うざい。……もう、今日は帰ろうかな。……まだ授業残ってるけど、別に自主勉で取り返せる範囲だし。

 

「先生、体調が悪いので、帰ります」

伶乃(れな)大丈――」


 私は先生にそう一方的に告げて、教室を出た。

 いつもの事だからと、もう何も言われない。……心悠莉の声だけ聞こえた気がするけど、どうでもいい。





「絶対に効く惚れ薬、ねぇ……」


 家に帰る途中、何かあいつをギャフンと言わせるものが無いかと色々と調べていたら、そんな広告が流れてきた。

 ……怪しさMAXすぎるでしょ。……二千円って所が更に怪しさを増している。

 ……まぁ、二千円くらいなら、買ってみようかな。……怪しいけど、ここ、一応ホワイトなサイトだし、怪しい薬ってことはないと思うから、ただの詐欺だと思って、私は買った。

 一応、本当に一応、万が一、本物って可能性も無いわけじゃないし。……もし本物だったら、惚れさせて、デートでもして、こっぴどく、振ってやる。……ふふっ。こんな想像が出来るだけでも、買う価値があるね。


 そう思いながら、私は購入ボタンを押した。

 よし、面白いものも買えたし、さっさと帰ろ。





【明日、家来れる?】


 家に着いた私は、自分の部屋に適当に座りながら、心悠莉にそんなメッセージを送った。

 確かに嫌いな相手ではあるけど、幼馴染ってことで、一応、連絡先くらいは持ってる。……何度も消してやろうと迷ったことはあったけど、今日だけは消さなかった昔の私に感謝しないと。


【ん】


 ……ん、ってなんだよ。ちゃんと、行くのか行かないのかはっきり言えばいいのに。……まぁ、一応腐れ縁だから、嫌でもこれは来れるって意味ってことが分かった。


【お昼ね】

【ん】


 明日は学校が休みで、朝に届くようになってるから、これで、惚れ薬を盛ってやる。

 ……あれ、そういえば、まだ、授業の時間だと思うけど、なんで心悠莉、返信できるんだろ。……まぁ、どうでもいいや。

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