表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻影道R 第七巻  作者: SAKI
7/67

エクストラ「ResetRestartRecruit」

 これは虚底に捨てられた二人の兄妹の物語。


 両親は元々殺し屋を営んでいた。二人は仕事の間柄で仲良くなりいつしか愛しあう仲になっていた。


 そしていつしか二人は二人の子を持つようになった。二人は自分達のようにならないように沢山の愛を注ごうとして殺し屋から足を洗った。


 幸せの家庭を築こうとした―――― だが二人が背負った業はあまりにも深く二人が殺めた者の子孫が復讐を企て当時何千にもの兵隊を集わせて二人も応戦したが多勢に無勢。


 最後は二人は原型を留めない程引き裂かれてしまった。


 同時に二人は暴力を振られ、手足を縛られ最期は光の届かない底無し沼へと繰り出された。


 兄妹は死物狂いで何とか脱出に成功した―――― だが二人はまだ子供、生きていくのに限界があった。


 表の世界では金は微々たる物、だから兄妹は裏の世界で殺された両親達を想い“復讐”の力だけで十年以上生きた。


 全ては復讐の為にと平和を捨てた兄妹はいつの日か裏の世界で恐れられる程名を馳せ、兄妹達はついに復讐を果たした。


 何千もの人間がいる中での兄妹達は誰であろうと殺害した。感情を殺し、修羅に取り憑かれるがまま殺しを永遠に続けた。


 そして兄妹は何万もの人を殺した後どうやら復讐対象は死滅したようなのだが兄妹達は積もりに積もった感情を晴らすことはついに出来なかった。


 幸い復讐する人間ごと全員消したので二人を知る人物はもう存在しない。


 だが胸の中に空いた穴はいつまでも埋めることが出来ず兄妹は自分探しの旅に出ることになったのだが裏の世界で生きたせいで表の生活になれずに数年、兄はとある組織にヘッドハンディングされてそこから二人は別々に暮らすことになった。


 兄の方はトントン拍子のように上の階級に登り詰め妹の仕送り金と手紙を毎週送るようになった。


 ユイ、もう俺等は自由だ。この金で新しい自分の道を決めて欲しい、ユイは優しくて可愛いんだすぐに人生なんか引っくり返されると信じている。


 どうか帰れない俺の事は心配せず幸せになって欲しい、もし職に困るなら全力でサポートするから手紙を送ってくれよ?


 そう言い残して兄妹達はまるで絶縁されたように会うことは無くなった。


 兄の方は妹を過大評価していたようだ。


 妹は無口で社会性に欠け、殺すこと意外何も知らないのだ。こうして彼女は社会復帰することは出来ずまた殺し屋に戻ってしまった。


 家も安く物も最低限な物しか置かず食事も杜撰になり兄が愛した柔らかな瞳もふわふわの繊細の髪もグラマラスなスタイルも全て失ってしまった。


 私はお兄ちゃんがいないと何も出来ない、でもお兄ちゃんも頑張って成り上がったのに私はいつまでこんな生活をすればいいの?


 お金よりお兄ちゃんに愛して欲しい、私は・・・私はどうすれば変わるの?


 私、お兄ちゃんがいないとご飯も家事も笑顔も生成出来ないよ。


 そして彼女は廃れていく心の中で最悪な決断を犯してしまった。


 もういいや、また人殺しに戻ろう。そしたら皆私に注目して話さなくても有名人になってお兄ちゃんに褒めてもらおう。


 そうだ、沢山殺そう、もっともっと殺して有名人になろう。そしたらお兄ちゃんにまた会えるかもしれない。


 寒い世界はもういや、闇星を開拓しようしたのが事のきっかけでこんなことになったのも全部親のせいだ、私は悪くない。


 ユイという人物は兄の範囲を有に越えて人殺しに戻ってしまった。依頼があれば誰でも殺害をするようになってしまった。それが現在の【ユイ・ウィザーブラム】という人物なのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ