「いざ依頼と思った矢先の出来事」その1
食事を終え、ユイさんと冒険者証明書を発行してくれるノア先輩の酒場へ再び辿り着くが何故かさっきまでのユイさんとは逆で大人しい、腕を組み一言も発さなくなった。
「ユカリちゃん、ここで待ってるね」
そしてついにユイさんは酒場には入らないと言い出した。これには私は賛成できず腕を掴んだ。
「駄目だよユイさん、一緒に行こうよ」
本来なら来てくれると思った、だがユイさんは何故かその手を振り払った。
「ごめんなさい、ちょっと気分悪くて・・・」
私は少し我儘だっただろうか?もしくは少し嫌われたのかその時だけは言う事を聞く耳を持ってくれなかった。
「分かったよ、用事が済んだら少し休もうか?」
「いいえ、本当に少しだけでいいから気にしないで」
うぅ、今更だけど距離を感じる。最初は言う事を聞いてくれる意外と優しい人何だと勘違いしていたけど誰だって一人の時間が欲しいもんね。嫌われたくないし私は了承し一人で中に入ることにした。
☆★☆★ 酒場
「おはようございます・・・あれ、ユイちゃんは?」
仕事が一段落したのか少々お疲れ気味に見える。
「ユイさん、少し気分悪いみたいで代わりに報告しに来ました」
私は事情を説明するとノア先輩は少し不安な表情になるも頷いて書類を持って来ると酒場の奥に歩いて行った。
私は近くのカウンターに腰を掛けて待っていると何やら客席が騒がしい。
「がはははは!!念願のCランクだからもっともっと酒を持って来い〜!!」
あの人も冒険者なのかな、スキンヘッドの筋肉隆々の大柄な男の人が団員?とつるんで酒豪快にを呑んでいるみたいだ。
「にしても昨日いたピンク色髪をしたの姉ちゃんいねーのか?」
誰に聞いてるのか酔った勢いで独り言を続ける。
「だったらあの茶髪の女の子に聞いては?仲間っぽいぜ?」
すると一人の団員が私を指を差す、嫌な予感がする。
「おっ、ピンク色の姉ちゃんとつるんでた女かじゃねぇーか!」
すると団員を引き連れて私を囲うように席に着いた。
(うげぇ、変なのに絡まれちゃったよ・・・)
「なぁ姉ちゃん、ピンク色別嬪さんは一緒じゃねーのか?」
馴れ馴れしく肩を叩きながらユイさんの事を探しているみたいだ。
「ユイさんは今日は気分が悪いから来ていませんよ」
私はそう告げて席から離れようとしたがスキンヘッドの大柄な男の人が突然私の肩を掴みがっちり抱き寄せられた。
(う、お酒臭い)
「まーまーそう邪険にすんなよ、あの人は何処にいるんだぁ?」
気持ち悪い、ユイさんをどうするのか知らないけどロクでもない事を考えてそうな下品な瞳をしている。
「知りませんよ」
「あの人俺のタイプでさ、美人でおっぱいデカくてさ嫁にしたいぐらい可愛いんだよなぁ〜」
「それならいつか会えると思いますよ」
私は強気で断ると男の人の抱き寄せる力が強くなり離してくれない!
「そこで頼みがあるだけどよ〜ユイちゃんに会わせてくれねーか?」
背中を擦りながら厭らしくも口説きたいらしい。
「すみません、ユイさんはただの知り合いなので何処にいるか存じ上げません」
少しキツめに断ると団員は少し怯えているが私には関係ない、私は力が弱まったところで一気に抜けて立ち去ろうとしたその時。
「女ァあんま調子に乗んなよ??」
立ち去ろうとした私は振り返るとそこには大きな拳が私の顔面を捉え、酒場の外へ殴り飛ばされてしまった。




