「私達の運命的な出会い?」その1
光星 ニザヴェッリル魔導学院区ある教室にて・・・
「うそ………また不合格?」
教室内に張り出された名前に自身の名前が無いことに静かに落胆し、教室を後にする。
私の名前は“ユカリ・ブロッサムチェリー”光星に在籍する皆の憧れ騎士団“シスターズ”入隊試験の張り紙に名前が無く、後に渡された不合格を記された紙に絶望する普通の女の子だ。
私は星一番の街“ユグドラシル”で産まれてちょっと特殊な環境下で生活してきたけど他は至って普通の家庭で育ち、普通に生きて、普通の人間でしかない。特段魅力のスタイルも無かった。
魔法も勉強するのも下手でいつも学校では最下位の底辺だ。
だけど私は人より沢山勉強してるし魔法も沢山覚えようと努力している、それでも実のならないのは最早才能なのではと空元気に笑いたい。
なんの取り柄もない私は今日も入隊試験会場から離れてトボトボと寮に帰る。
「ユカリちゃん、どうだった?」
そんな無様な姿を晒しながら歩いていると後ろから声を掛けられる。
この子は私の友達、【アスカ・ヒューリーハート】で名高いシスターズに所属する幼馴染でもあり大好きな家族でもある。
髪は白髪と毛先が桃色で水色の瞳をした所謂美少女だ。スタイルも申し分無く勉強も運動も魔法もそつなくこなす容姿端麗の完璧美少女だ。
「あはは、落ちたや」
私は皮肉混じりの笑顔で告げるとアスカちゃんは心底残念そうだ。この子は正統派で私の事を何故か尊敬している。
「そっか、でもまた一月に開催されるからまた頑張ろう!」
また次があるよ!と慰めのありがたい言葉は何十回目だろうか?今年で私も十七歳を迎えるが二年間一度も受かった試しがない。先生も何度も来るから私に苦言するが私は諦めない。
シスターズは皆の憧れだ、私も“普通”から抜け出したくてシスターズに入りたい。だがそれは儚い夢であり今まさに私は皆から馬鹿にされてシスターズは諦めろとのこと。
元々あそこはレベルが高くて一般庶民は門前払いされるのが普通だ。
アスカちゃんは名門家のお嬢様だし完璧だから一発合格してランクもそれなりに高いらしい。
「はぁ、今日は学校終わったし夜まで少し飲もうかな」
私はトボトボと情けなく落ち込むといつもアスカちゃんは一緒に飲んでくれる。私の背中を押しながら“私も一緒に行くよ”と微笑み励ましてくれる。
アスカちゃんはいつも落ち込んでるといつも手をぎゅっと握ってくれて安心感がある。
私とアスカちゃんとでは天と地の差があるけど幼馴染だからどんなに私が幅を広げてもそれに合わせてくれるんだ。
私達は大切な友達といつもの酒場の方へと歩き出すことにした。