表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/29

6話 ジェシカは約束を取り付けたい

 


 タン!



 乾いた音と共にクリステルに襲いかかる。

 と言っても所謂、壁ドンだ。

 勢いに呑まれたのかクリステルは後ろに仰け反った。

 ジェシカは微笑んだ。



「修道院送りは嫌!」



 クリステルから漏れた悲鳴にも似た小さな叫びにジェシカは更に笑みを深める。

 大ビンゴ!

 バッドエンド回避の為にも協力させるしかない。



「御機嫌よう、クリステル様」

「ご、御機嫌よう…し、失礼…」

「あら、どこに行くのかしら?」



 閉じ込めるように壁に手を付けているのと反対の方の手で通せん坊をする。

 そのままその指先をクリステルの頬に寄せて、逸らされた顔をジェシカの方に向ける。



「私、貴女とお話しがしたいの」

「私なぞ…捨て置き下さいませ」

「…私が貴女とお話しがしたいの。本日、当家にご招待させてくださいな?」



 クリステルの顔を覗き込むように顔を近づける。

 そして、頬に触れていた指先を滑らせて頬を撫でた。

 クリステルの顔がトマトの様に真っ赤になる。

 何故?

 視線を逸らしたくてもキスが出来そうなほど顔を寄せているのでクリステルは身動き一つしない。



「まさか、お断り…なんてされませんわよね?」



 顎先をクイっと持ち上げて顔を近づけ、耳元で囁く。



「お互い、修道院送りは避けたいと思いません事?」



 すっと近付けた顔を離し、ニコリと微笑む。



「え!?ま、まさか!」



 ジェシカは唇に人差し指を当てて『シー』のポーズを取る。



「ここでは…ね?」



 チョンと自分の唇からクリステルの唇に人差し指を移動する。

 コテンとあざとく小首を傾げる。

 クリステルの顔は既に真っ赤だ。

 小悪魔の微笑み成功だとジェシカは心の中でガッツポーズだ。



「ジェシーはその女の方がいいの?」



 聞き覚えはあるものの地を這うような声にジェシカはビクリと肩が震える。

 ふと見ればクリステルは先程まで赤らめていた顔を今度は青くして、ジェシカの後方を見て小さく震えている。



「フラン、何言ってるの?」



 振り向かぬまま、クリステルを逃さぬようにその手をギュッと握りしめて振り返る。



「手…」

「手?ああ、これは返事をいただく前に逃げられ…」

「に、逃げません!い、行きます!行きます!だから離してください!こ、怖い!怖すぎる!」

「言質とったわよ」



 青ざめ震えるクリステルにニコリと微笑むとだめ押しで両手で彼女の手を握る。



「ひっ!…怖い…こわ…」



 クリステルはジェシカなど見ていなかった。

 その後ろを見てガタガタ震えている。

 その様子を見てあの優しいフランシスカを見て何故そんなに…

 振り向くと般若がいた。



 般若。


 般若でしかない。



「フランシスカ?」

「ジェシーはその娘の方が私よりもいいの?」



 ゆらり…フランシスカのオーラが揺らめいた気がした。

 なんでこんなに不機嫌なんだろうか?

 そもそも言葉の選び方がおかしい。

 なんで、こんな嫁と愛人の修羅場みたいな雰囲気になっているのだ?







勢いの文体なのでそのうち加筆修正します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ