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クリステルは憂鬱

視点があちこちしてごめんなさい

 


「うにゃ…ううん…」



 何かを求める様にジェシカの手が空を切ってベッドに何度も落ちる。

 何を探しているか…わかる気もするがわかりたくはないのでクリステルは黙って行動を見守る事にした。

 抱き枕はもう起きている。

 諦めろ。



「いにゃい…居ない!?」

「おはようございます」



 ガバリと起きたジェシカにクリステルは声をかける。

 クリステルをその瞳に映すと安心したように笑った。



「おはよう。起きたなら起こしてくれて良かったのに」

「よく眠ってたから」

「うん、久しぶりによく眠れた」



 うーんとジェシカが伸びをする。

 クリステルがジェシカを触らず起こすために開けたカーテンからは陽が差し込む。

 朝日に金糸が輝く。

 キラキラキラキラ朝から眩しい。

 美少女って得だなと思う。

 何をしても絵になる。



「あれ?昨日と同じドレス?」

「そりゃそうですよ。着替えなんて持ってきている訳ないじゃないですか」

「それもそうか。じゃ、私の着てちょうだい」

「は?いや、このままでいいですよ。下着は新しいの頂きましたし」



 ジェシカがクリステルの昨日と同じドレスを見咎めるとさも当たり前のように侍女を呼ぶ。



「ねぇ、話し聞いてる?服このままでいいってばぁ」

「聞いてない」



 いや聞いてるだろ!とクリステルは心で突っ込む。

 大人の力に勝てる訳も無く、無駄な抵抗はしてみたものの侯爵家のニコニコ顔の侍女達に捕まる。

 あっという間に下着姿に剥かれ真新しい薄いブルーの上等なドレスに着替えさせられる。

 正直クリステルの着ていたドレスが二足三文の格安のバーゲンドレスに見えてしまう。

 家の中でそこそこ上等なドレスだったのだけれど。

 格差社会って怖い。

 クリステルは曖昧にへらりと微笑んでジェシカにとりあえず礼を言う。

 洗って返すのか?…買取!?…いったい幾らなんだろう?

 両親の顔を思い浮かべて内心、溜息を吐く。

 ジェシカも着替えさせられつつ満足そうに満面の笑みを浮かべている。



「うん、可愛い」

「……そうね…ドレスは可愛いね」

「違うよクリステルが可愛い」

「お世辞ありがとう」

「お世辞じゃない!」



 頬っぺたをむぅと膨らませてジェシカは思案する。

 クリステルは愛嬌がある可愛い顔なのだ。

 でもどこか辛気臭さ漂う。

 どこか自信なさげにしていて物凄く勿体ない。

 だからなのか着て着たドレスはくすんだグリーンの地味なドレスでクリステルの藍の髪には似合っていない。

 確かに修道院送りも退学も嫌だ。

 でも今、女の子生きてるんだからオシャレだって恋だって楽しんだって度が過ぎなければいいと思うのだ。



「よし決めた!」



 クリステルがその突然の声にビクッとなる横でジェシカはムフフと瞳を楽しそうに光らせて笑っている。

 嫌な予感しかしない。



クリステルさんは抱き枕にされて寝不足です。

なんだかクリステル視線が書きやすい…主役が変わりそうで怖い(笑)


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