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いちクマ

 えー、皆様こんばんは。

DJシロクマです。実は今日、重要なお知らせがあります。

実は前回のラジオで……私やらかしました。

だからちょっとテンション低めですー。もうヤヴァイです。


 と、いうわけで……まあ、その話は最後にするとして……


今日もテンションバリ上げでいくぜー! ヒャッハー!


【カンペ:オチツケ】


落ち着けるかぁ! こちとらギリッギリの生活してんだよ!

バイト三つ掛け持ちして……やっとこさ貯金が……いや、それはいいとして。


 では、最初のお手紙ーっ。

はい、今日は諸事情により……一気に読み上げてもらいます。『ポンたぬきさん!』


「またのお便り失礼します。DJシロクマの助言に従って、小畑君にお腹を触ってみるかと聞いてみたんだす。そうしたら怒られてしまっただす。やっぱりお腹を触らせるくらいじゃ、お礼にはならないみたいだす。どうしたらいいんだ……どうしたらいいのでしょうか。小畑君は街での暮らしがわからんわだす……わたしにいろいろ親身になって教えてくれるの。あんなに素敵な人が、わだすみたいな田舎もんのことを、構ってくれるなんて、もうしわけないだす。こんど、田舎からサクランボを送ってもらうだす。それでお礼にならんですかの?」


はいーっ、ポンたぬきさん……サクランボ……っく……


えっとですね、小畑君はとてもいい人です。ポンたぬきさんの事を本気で心配して、色々お世話してくれてると思いますよ。


あんな手紙寄こすくらいだし……


ぁ、いえいえ、なんでもないですーっ


さてさて、サクランボをお礼に? 

うん、まあ……いいんじゃないかな……美味しいよね……サクランボ……


【カンペ:テンションあげろ】


あー、んな事言われても……分かってる?! ディレクター!

俺もう前回、あんな事言っちゃったんだよ?! あぁ、もう……逃避行したい……!


え、えーっとですね……まあ視聴者様は何が何やら……って感じでしょうが、それは最後にご説明します。


では次のお便りー。えーっと……『蓑虫じゃないよ、超能力者だよ』さんからー。


「シロクマさん、こんばんは」


はいー、こんばんはー。


「実は私、蓑虫ではないんです」


うん、大丈夫。ペンネームでちゃんと主張してるじゃない。


「でも、最近仲良くしてくれる男の子は、私の事を蓑虫みたいって言ってくるんです」


ふ、ふむぅ……

普段どんな格好してるんだろうね。

あれじゃない? ちょっと地味な……お婆ちゃんの手押し車みたいな柄の服を着てるとか……


「まあ、それは別にいいんですけど」


いいんかい!

何、結局何を相談しに来てるのよ、この子。


「実は今度、福井県のとある民宿に、その男の子と行こうってなって……そこで私、一線を越えようと思います」


ちょ、ちょっとー!

きたよー。一線超えるとか言い出しちゃったよー。

しかも福井県の民宿って……俺も行く予定が……


「そこで質問なんですが、相手は高校生なんですけど、どこまで」


ストーップ!!! ダメだろコレ!


こんなお便り破り捨てろよ! 未成年襲おうとしてるよ! この蓑虫!


え、えーっと、蓑虫さん。

お互いに愛があれば……いいとは言いますが……


最近の高校生はデリケートです。以上。


【カンペ:もっとkwsk(くわしく)


 はい、つぎーっ!

えーっと……『顔は子供、体は大人』さんからーっ


何このペンネーム……凄い卑猥なの想像しちゃったよ……


「シロクマさん、こんばんわ」


はい、こんばんはーっ


「実は私、とある探偵派遣会社で事務の仕事をしています」


ほほーっ、探偵派遣会社? 珍しいね。普通の探偵事務所とか違うのかな……。


「いつも愉快な仲間達に囲まれて、楽しく仕事をさせて頂いてます」


おおーっ、いいね、職場環境は大事だよねー?

なあ、ディレクター。


「それで、これはあまり他言してほしくないのですが」


……ん?

いや、他言してほしくないって言うか……オンエアされちゃってるよ!

えっ?! 大丈夫なの? このお便り!


「実は、福井県のとある民宿から依頼が来たんです。それも心霊現象が多発するみたな……ちょっとオカルトな依頼なんです」


……いや、ちょっと止めてよー

俺も福井県の民宿に行く予定あるんだからさーっ


「んで、私も実は幽霊とか見えるんですよね。歯を磨く幽霊も、実は見た事があります」


……歯を磨く幽霊?

まあ……幽霊だって元は人間だろうし……歯磨きくらいするか……


え、俺このテンションで大丈夫? 

っていうか、こういうの夏にやるべきじゃない?


「そこで質問なんですが、福井県で今の旬の食べ物ってなんですか?」


おいフザけんな!

今までの長い前振りは何だったんだよ!!


最初からそれ聞いて来いよ!

福井県の今の旬は、アオリイカ、ホタルイカ、ヤリイカ! イカ三昧!!


あと、花らっきょやワカメなんかも旬みたいです。


妙に詳しいって? それも最後まで聞いて貰えれば分かると思いますよーっ。


はい、では次……ぁ、今日も来てくれましたーっ。『イチゴプリンセス ミルクプリン』さんーっ。


「DJシロクマ~! 妾はどうすればいいのじゃ!」


おおぅ、いきなりだね。

どうしたのかな、ミルクプリン様。


「妾のワイルドベリーの亜種を食べた者が、一緒に育てないかと言うてきたのじゃ。その者はかなり手広くイチゴを育てているそうでの、四季成りイチゴの新品種を作ろうとしているというておるのじゃ。それでの、わらわのワイルドベリーと掛け合わせて、新品種が作れないかと、いうのじゃ」


ほほーっ、いい話じゃない?

地球人を奴隷にするより絶対いいと思いますーっ。


うんうん、俺も食べてみたいしね、そのワイルドベリー。


「この前、そちが言うておった、この地でイチゴを育てる。それをこの者と一緒なら叶いそうなのじゃ。それでの、権利がどうの、新品種が出来た場合の登録がどうのと言われての、どちらかが権利を独占するのではなくて、二人のものにするために一緒に暮らさないかと、言われてしもうたのじゃ」


えっ?!

それって……何、その人、イチゴを作りたいのか、ミルクプリンさんとの子供を作りたいのか……どっちなんだろうね。


【カンペ:口を慎め】


あ、すみませんー。どうやら空気読めてなかったみたいです。


で? どうすんの?


「えーと、確か、おためし期間とかいうたかの。一緒に暮らして相性を見るとか言われてのう。来週からその者の家に行くことが決まったのじゃよ。それでの、一緒に暮らすのに、何を持っていったらいいのじゃ?

まさか、妾の部屋の物をそっくり持っていくわけにはいかんじゃろ。ほれ、DJシロクマよ。ちゃんと助言せんかい!」


え、えぇ!?

嫁入り道具って事? そんなん俺に聞かれても……


ぁー、じゃあアレだ。

福井県の民宿に、とりあえず一泊旅行しながら……他の宿泊客さんに聞いてみるっていうのは如何でしょう。きっといい助言がもらえると思います。たぶん。



 さーって……そろそろ番組も終わりなんですが……

実はですね。ここで重大なお知らせがあります。


えー……まずはこのお便り……お聞きください。


ペンネーム『ポンたぬきを愛でる者』さんから。


「先に言っておく! DJシロクマ! このセクハラやろう!お前、よくも『ポンたぬき』にセクハラ発言しやがったな。それもあんなことを勧めるなんて。純粋無垢なポンたぬきが、公衆の面前で「あ、あの。わだす……わたしのお腹、触ってみます?」なんて言わなきゃならないんだよ。真っ赤な顔で目を潤ませて言われたら、俺がイジメたみたいじゃないか!てめえのせいだ! どうしてくれんだよ!女の子に言わせる言葉じゃないだろう!それに、てめえは何勘違いしてんだよ!サクランボって言ったのはあいつの唇のことだ。艶やかに色づいた赤い唇。てめえはどこと勘違いしやがった!田舎から出てきたばっかの純粋無垢な女の子に、まだ早いだろう!勝手に勘違いしやがって。俺と彼女に謝りやがれ!」


えー……もうお分かりでしょう。

前回……私は、ポンたぬきさんのサクランボは……まあ、違う部位だと勘違いしてしまってまして。

というか、ポンたぬきさんの性別自体……まあ、勘違いしてたといいますか。


まあ、ぶっちゃけると……すみませんでしたぁ!!


えー、お怒りはごもっともです……。

なので、ワタクシ……ちょっとお詫びの意味を込めて……ポンたぬきさん、そして小畑君と共に福井県の民宿へと行ってきます。


ぁ、だからって、お怒りの手紙寄こせば誰でも連れてくってわけじゃないぞ?


今回はマジで悪いの俺だから! って事だから!


えー……というわけで、ちょっと行ってきます。


ではでは……またお会いしましょう!






Special thanks!!


山之上舞花様


実際にお便りを頂いて執筆させて頂きました。

ご協力ありがとうございました!!


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