>西行と崇徳天皇
伝奇要素が強い知識チートの歴史ものにしては
教科書的な歴史説明が長いですね
伝奇を期待している読者だと
知っている人間は退屈し
知らない人間は興味が元からないので読み飛ばしそうです。
まず朝廷の有様を示すには期間が長すぎるので
各話に分割したほうがいい気がします。
国内で完結していると考えられがちな古代ですが
明治に造られた日本は紀元前より一民族という創作話と違い
大陸からの渡来人の連合政権が日皇子(中国文化で卑弥呼と僭称)の邪馬壹(これも僭称)であり
源大和朝廷であるという説のほうが事実には近そうと個人的には感じますし
鉄器文明や農業技術は一定数以上の人の移民で伝えられたと考えないと渡航技術からしても不自然なので
技術者の移民を行えるだけの外交関係と貿易は存在したのは確かでしょう。
ネタとして考えれば
大化の改新という体制が必要になったのは、白村江の戦いに必要な国内武力統一体制を造る必要に駆られてだとか
親唐派というか唐の有力者にパイプがあったであろう藤原氏の隆盛の原因が
白村江の戦いの敗北による傀儡政権にあったとか
百済の有力者と朝廷の天智あたりまでの朝廷有力者の系譜が、重なっているのでは?
とか
天武は天智の弟ではなく叔父で直系ではなく
日本を唐の影響下に置く為に壬申の乱が起こり
それに伴う歴史改竄が「記紀」以前と以後で行われた可能性の高さとか
天武の時代に「天皇」の呼称や唐の呪術や天文術を取り入れたり以降も公文書が漢文だったのは、藤原氏という唐系渡来人の権力基盤が確立したからでは?
とか
唐天竺というように唐が滅びて長いのに中国の呼称が「唐」のままだったのは公家の影響では?
とか
唐の滅亡で力を減衰させた藤原氏と国内の非唐系の一族との確執が公家から武家への政権の変遷の源にあったのでは?
とか
公家や武家とは違った独自の農民文化は多様で
渡来民以外の縄文から続く文化だろう「乱婚」が江戸時代まで残っていたとか
けっこう面白い話や説はあるようです。
権力者が造った「記紀」や教科書的な歴史以外の
「論理的な推理」で語られる説なども取り入れたり
あとは
教科書的な歴史観は熟知している人でも
日本ではマイナーな民俗学的とか文化人類学的とかのアプローチで見た歴史観は知らない人が多いようなので
(夜這いとか魔女などと西欧で呼ばれた古代の祭祀に近い農民の文化や日本人の骨格が南方系や中国朝鮮系やユダヤ系やペルシャ系など色々な特徴を持つetcetc)
ソッチ方面のネタも入れれば
歴史の話も退屈しないのではないでしょうか?
ダーキニーなどの
オカルト方面も取り入れてるようなので
「正史」以外の観点でみた「祟り=暗殺」とかは抵抗があるのかもしれませんが
今も昔も「人間を殺すのは人間」という視点がないと
「交通戦争」や「イジメのエスカレート」のように
人間はその無自覚で容易に他人を死へ追いやりますからねぇ。
殺し合いを生業とした武家や公家が書いた古書のように
美化された殺し合いを描くのか?
現代的な技術や戦術を基にした冷徹な殺し合いを描くのか?
そのどちらになるのかは解りませんが
何れにしろ「人のあはれ」は描き続けてほしいですね。




