六話 やっちゃった・・・
※'16 12/10 言い回しなど変更しました
少しばかり設定を変更しました
新しい朝が来た!
そんな少し懐かしいフレーズの事はおいておくとして、また考えないといけない
やっぱり生け贄を使うのが一番いい方法なんだろうか
{それでいいの?なら今から使うけど}
ああ、知り合い以外で頼めるか?
{大丈夫大丈夫}
・・・・・
ノリが軽すぎて不安だが、こいつに任せるしかない
そうやって祈っていると、
<スキル 『生け贄』を対象{大原 澄香}に使用・・・成功しました。これにより本日の堀山 真司の死亡は取り消されました>
またあの声が聞こえた
それよりも対象の人物が聞き覚えのある苗字をしてるんだが、もしかして・・・
{もしかしなくても大原君の妹さんだ}
最悪じゃないですかそれ!!
兄妹まとめて葬式とか笑えねーよ
{まず葬式が笑えねーよ}
それはそうだけども
{とにかくもう変更はできないぞ。人1人の死を変えるだけで、世界に大きな影響を及ぼすのに、それをまた変更とか世界が消滅することになるからな}
まじですか~
この決定は絶対ってことか・・・
{ああ。ま、がんばれ}
やってしまった感しかないまま、天童さんが来る17時まで、不可能だと分かっていても妹さんを助け出す計画を練ったのだった
うん無理だった
昨日と同じように天童さんを家に留まらせてから行く、っていう作戦に出たわけだが、自転車で走っていたら急にトラックが目の前を猛スピードで横切るわ、それが人に当たるわ、それが大原の妹さんだわで、なんというか、これからのことが心配になってきた
結局、妹さんは、救急車が来る前に、兄を殺した人(まあ俺なんだが)を目の前にして死んだ
その後、大原の通夜式は執り行われなかった
葬式会場の近くで事故があったってのもあるけれど、親御さんが「せめて妹と一緒に逝かせてあげたい」と言ったからだそうだ
集合した生徒たちがブーイングを上げる中、担任の平原先生は「通夜は明日に持ち越しですので、明日も学校は休みでいいです」といった
一瞬でブーイングが歓喜の声に変わった
{現代の子供に良心はないのか?}
ないんじゃないか?こんな状況だし・・・
周りの非難の視線を浴びながら、最終的に俺たちはそれぞれ解散となった
10分程たち、生徒達がまばらに散っていく中、天童さんは大原の母親と話をしていた
「はい、お悔やみ申し上げます。」
「ありがとうね、澄香も優也も浮かばれると思うわ」
大原(母)は涙を浮かべていた
やっぱり自分の家族が死んだりすると、心が苦しいのか?
{あたりまえだろ。何年も親しみや愛情をこめて育てた愛娘と愛息が死んだとなれば、心に負うダメージは、厨二病が自分の設定を書いたノートを親に見られるぐらいきついんだぞ?最悪精神崩壊するからな}
そういった思い出がないのですが
それに、愛情だとか親しみだとかいうけど俺の家は親が二人とも早くに他界したから、そんな悲しみとかないんだよな~
とはいえ、罪悪感がないわけではない
これは償うべきだろうか・・・
そんなことを思っていると、天童さんが戻ってきた
「すいません、またせてしまって」
「ああ、べつにいいよ」
あ、よく見ると天童さんの目元が少し赤くなっている
どこかで泣いたのだろうか
「それじゃあ私、ちょっと自転車取ってきます」
そういって彼女は式場の裏手にある駐輪場に向かった
・・・なあ、俺はこれの選択を選んでよかったのか?
{さあ、俺は知らないね。全部お前が選んだ選択だ。俺はその質問に答えを出す気はない。それにお前がトラックに轢かれたあの時も、彼女はいたしな?お前が轢かれて、トラックが減速したから助かったけど}
そうだったのか、全く気が付かなかった
「あ。おい、堀山」
「はい?なんですか?」
天童さんを待っていると、担任である平原先生が話しかけてきた
「明日の通夜式、場所が変更になったからな。はい、これ場所の住所」
そう言って平原先生は紙切れを渡して、早々と去っていった
そういえば遅いな天童さん
{そうだな、呼んできたほうがいいんじゃないか?}
なんだろう嫌な予感がするのは気のせいだろうか・・・
まあいいや、呼んでくるとしよう
自転車置き場に行ってみると、そこには人影さえなかった
あの子どこ行ったんだ?
自転車置き場からさっきのところまでは一本道だからすれ違ったなんてこともないはずだ
それ以前にあの一本道で、誰ともすれ違わなかった
一応、彼女の自転車のところまで行ってみると、ちゃんと自転車はあった
もちろんのことながら鍵は刺さっていないので、もしかしたら誰か知り合いでもみつけて話しているのかもしれない
そう思って、さっきのところへ戻ろうとしたとき、
<明日の死亡予測時刻は9時25分です 死因は・・・不明です>
【死の宣告】が聞こえた
で、死因が不明ってなんだよ
{知らない。たぶん今回で死因が変わったからじゃないか?}
え・・・
死因が変わったら何かまずかったのか?
{じゃあまず大前提として、この世界っていうのはお前が死んだ世界とは違うってことを理解してほしい}
・・・いったい何を言っているんですかあなた
えっと、死んだ世界とは違う?
{ああ、その通りだ。俗にいう並行世界ってやつだな}
並行世界・・・
それならイナ〇マイレブンで聞いたことがあるぞ
確か同じ次元には複数の世界が存在して、それぞれ同じ自分が存在しているってやつだろ?
{その通り!馬鹿だとは思っていたけど、さすがにそれくらいは知ってるか。で、お前が今いる世界は、最初におまえが死んだ世界とは別の世界なんだ。お前は『過去移動』を使って別の世界の過去に移動してるんだけなんだ。まあ、適当に世界Aと世界Bがあったとしよう。世界Aでお前が死んでしまったとき、『過去移動』は起動する。そして魂だけを世界Bに飛ばして寝ているお前の体に入ったって感じだ。理解はできたか?}
タ、ターミ〇ーター?
{確かにあれも未来を変えようと未来からロボットが来るけどもちょっと違う}
じゃあひぐらしか!
{いちいちチョイスが古いな・・・あとそれも違うからな。まあとりあえず、世界が変わるってことは先の結末が変わるってことを意味してるんだ。まあ、未来の事なんて知る術はないから、ただ無我夢中にがんばれ}
他力本願はダメか?
{・・・}
その質問の答えは、やっぱり帰ってこなかった
・・・さて、とりあえず天童さんを探すとしよう
戻る途中に天童さんを発見した
どうやら先生に明日の葬式場について聞いていたらしい
危険だということで自転車置き場までついていき、自転車を出している間に毎度恒例脳内作戦会議を行った
{会議って言っても2人しかいないんだけどな}
そうではあるけども
しかし、死因が不明っていうのは厄介だな
まだ時間がはっきりしてるだけ良しとしよう
そういえば結構早くに死ぬんだな
{その時間だと、たぶん家にいるんだろ?}
ああ、そうだ
前にも言ったが自ら死にに行く人間なんかいない
まあ危なくなったら『生け贄』を使うから、大丈夫だろう
「すいません、遅くなっていしまいました」
「うん?ああ、だいじょぶだって。じゃ、行こっか」
その言葉を最後に、俺たちは終始黙って家路についた
なんとか頑張ったんですけど・・・
結構ストーリーが雑になっちゃいましたね