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英雄になれると思いましたか?  作者: 蔵餅
失われし憤り編
51/68

30話 家ーガー!!

友人:(;^ω^)うわ、つまんね

「・・・ぅぉぉぉらっしゃーー!!!!」

 危なかったなおい!

 バトルドレスがあったから助かったものの、着てなかったら二人ともお陀仏だった

 偉大だね、科学力って

{この場合科学じゃなく技能スキルじゃねーのか?}

 そう言われればそうかもだけど・・・

〖一応未知の物質使ってますし、科学力というより魔法という方がいいのでは〗

 ・・・お前ら、せめて意見をそろえてくれよ

 とっと、そういえば、

「大丈夫か?なんかぐったりしてるが」

 落家から守るために抱きかかえていたのだが、すっかり忘れていた

 揺すったりしてみるが、どうやら気を失っているようで、反応もなかった

 全くしょうがない奴だと思ったが、普通は死ぬと思ったら気を失うものか

 こりゃ失敬失敬

 でだ、閑話休題をするとして挙げる話題といえば、なんで家が降ってきたかに尽きる

 これでも、かなり混沌とした道を歩いてきたわけではあるが、鉄骨が降ってきたことはあっても家が降ってくるなんて体験どころか聞いたことさえない

 俺が熟知している漫画でさえ、家に何か降ってくるといったシチュエーションはあっても、道路を歩いていたら突然家が降ってきましたみたいなカオスティックな物はなかった

 第一誰がわざわざ家なんか投げるというのだ

 家を投げて一体何を潰したかったんだか

 まさか俺らというわけではあるまいし・・・

 いや、ありえないことではないが、それでも敵味方の確認ぐらいとるだろ普通

 それにこんな服装とはいえ、女性一人殺すのに家なんか要るか?

 それこそ魔法で十分だろう

 結局答えも目的もわからないまま、ルススが目覚めるのを待ちぼうけることしか俺にはできなかった




「・・・ここは、私死んだんじゃ」

 起き掛けに怖いこと言うなよお前! 

「残念ながら、というのはあれだけど死んでねーよ。俺が守ってやったんだ。感謝しろよ?」

「感謝といわれましても・・・ それに、あんまり覚えてないんですよね。たしか、「あ、死んだ・・・」って言ってたのは覚えてます」

「じゃあ十分だろ。あーでも、何か心配して損した気分」

「そんなこと言わないでくださいよ。今の私には貴女が必要なんですから」 

 ・・・貴女が必要、ね

 そんな男子が女子に行ってほしいセリフランキングで上位に入りそうな言葉を言われても、残念ながら心には響かないんだよな

 実際彼女にとって生きるか死ぬかを左右するから、誑かそうとかそういう意味で言ったわけではないんだろうけども

 まあ頼られるのは悪くないことだし、期待だけは裏切らないようにさせていただきますがね

 任務のこともあるし

「じゃあ行くとしようぜ。ずっとここに留まっておくっていうのもあれだからな」

「そうですね。・・・ん?」

 突然ルススは身をかがめ、目を閉じた

「急にどうし、」

「話しかけないでください」

 ほわっ!?

 急にどうしたんだよ

 彼女は目を閉じたまま、俺を威圧するかのような行動をとった

 威圧といっても別に怖くはなかった  

 けど、どこか真剣さがあったせいか、それを言い出すことはできなかった

 しかし、本当にどうしたというのだ

 まるでカエルのようにびくびくと震えながら、何かをしている

 ・・・・・・何だろうか、気まずい

 黙れと言われてそれに従っているわけだが、なぜか気まずいのだ

 よく合コンとかで何を喋っていいかわからずビミョーな空気になることがあるだろう

 それに近い空気が、ここ戦場でも流れていた

 頼むからマジで何か喋ってくれないか

 そうしてくれないと、空気の圧力だけで潰れてしまいそうになる

 そんな空気を切り裂くように彼女は、また突然しゃべりだした

「まずい、まずいですよ!」

 おお、今度はどうした?

「何かあったのか?」

「近く、と言っても少し距離はありますが、軍隊規模の集団がこっちに来てます!」

「軍隊規模・・・ っていうと、大体10万ぐらいか」

「そのぐらいでしょうね。生憎この体のせいで、詳しい情報はわかりませんでしたが」

 だとしても、十分だろ

 しかし軍隊規模か・・・

 ・・・でも、なんでそんな人数を投入したんだ?

 前にも言ったように、この街には結構死体が転がっていた

 数えたわけではないが、少なく見積もっても千体は超えていただろう

 この国の人間が死体の処理を行う文化を持っているなら、もっと戦死者はいるはずだ

 そんな生き地獄のようなここに、誰が好き好んで居つくだろうか

 絶対に数千、数万と脱走者がいたはずだ

 そしてこの街の人口だが、家の数から見積もって大体30万人だろう

 そして魔王さんは言っていた

 国内で反乱がおきた、と

 反乱者がいれば必然的に対抗者も存在する

 もしそこで戦力に差が出たなら、この戦いは三日も経たずに終わっただろうが、この現状が数週間と続いてる以上、そこまで戦力に差がないということなのだろう

 だとしたら、数がおかしいではないか

 10万人など、まるで今から決着をつけに行こうとしているものだ

 外部の介入ということも考えられるが、それにメリットはあるだろうか

 絶対ない

 ただ無駄に兵力を失うだけだ

 損でしかない

「ちなみに、その中で特別強そうなやつとかいるか?」

「強そうなやつですか?そうですね、誰も彼も化け物並みに強そうですが・・・ あ、居ましたよ。その軍隊の中で2人だけ、特別濃い妖気オーラを出しています」

「そうか・・・」

 じゃあそいつを叩いて、尋問でもしてみるか

「え、まさか行く気じゃありませんよね?」

 おっと、顔に出てしまっていたようだ

 俺はその問いには答えず、嫌がる彼女を無理やり捕まえるとそのまま―――

「まっ、またですかー!!!」

 跳び上がった

 ああ、どうやら泣かせてしまったようだ

 正直済まないと思ってはいないが、あとで謝るぐらいはしておこう

 で、その軍隊はというと・・・

 高いところから遠くを見渡してみると、

「見つけた」

 案外簡単に見つかった

 さて、殺すか

 今度は屋根に飛び移り、この大空に向かって高く跳び上がった

 

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