23話 DARK SOULSは関係ない
ちゅう、ちゅう、たこ、かい・・・・・・
今まで出してきた伏線、数えてみると13個でした
これ1個ぐらい回収できないまま終わりそうで不安だなぁ・・・
,;'.・(゜ε゜(⊂三(・ω・`[友人])<そうならないよう、もう一回プロット練り直せ
次の日、俺は国の人々に見送られながら、クラテル王国を去った
ただ、そこら辺の記憶が、俺にはなかった
後でトサチスさんに聞いてみると、どうやら何かが抜け落ちたような、暗い表情をしていたらしい
やっぱりあいつは、俺にとってとても大きな存在だったんだって、改めて自覚できた
それから数時間してプラネリ王国につくと、俺はとても大きな歓声に包まれた
人々は喜び、叫び、嬉し涙を流している人もちらほらいる
でも正直、他人の報酬を横取りしたような気分になって、どこか後味悪かった
そんなこと気にするのなんて、俺だけだと思うのだけれど
・・・明日にでもその国に行ってやろうかな
〔やめてくださいよ、そんなこと。ほんとにするようなら、殴って縛って監禁しますからね〕
『神通人』さん!?
突然思考に割り込んでくるのやめてもらっていい!?
〔冗談ですよ。それに精神体である以上、殴ることはできませんから〕
その言い方だと、縛って監禁することはできるってことだよな!!
〔うっ・・・案外察しがいいですね、ご主人〕
一年近くお前と一緒にいるからな
それぐらいわかって当然だ
〔それはつまり、私を妻として認めたということでいいですか?〕
どうしてそこに行きつくんだよ
単に最高の相棒ってだけだ
〔最高の相棒。つまりあと一歩ということですね!!〕
・・・もうそれでいいよ
〔というかご主人。この後に何があるかお忘れですか〕
へ?
この後何かあったっけ
そういえば今まで気になど止めていなかったが、俺たちの進行方向の先にはプラネリ王国の城がある
今になって思えば、不思議なことだ
今すぐにでも家の布団で丸二日ぐらい眠りたいのに、なんでわざわざ王城に・・・・・・
あ、そっか
〔やっと気が付きましたか?〕
ああ、すっかり忘れてたよ
本当にあいつは・・・・・・
「覚えてろよクソ真司ぃぃぃ!!!!!!!」
周囲のお祭り騒ぎムードを切り裂くかのように、俺の怒号は大きく空に響いた
いやぁ、あの後の場の空気ヒエッヒエになってしまった
キレていたとはいえ、さすがに悪いことをしたものだ
そんなこんながありつつ、今俺は無駄に広い王室で、王様を待っていた
どうやら予定の時間より会議が長引いてしまったそうだ
ちなみにこの部屋には俺以外誰もいない
ガネーラ達は、一足先に休みをもらったそうだ
しかし、一人きりでこんな広い部屋にいると落ち着かないな
そうやって部屋をきょろきょろと見渡し、何か面白そうなものはないかと探っていると、どこかで見たことがある顔をした人物画を見つけた
この顔は・・・どこかで見たことあるんだけどな~
思い出せそうで、なぜか思い出せない
そんな長考が続き、必死に思い出そうとしたが無理だった
あ~胸糞悪い
そんな感じで暇をつぶしていると、どうやら会議も終わったようで、王様が風格を漂わせながら扉から入ってきた
「すまぬな、待たせてしもうて。ちと問題が起きたので、その対策を練っていたのじゃよ」
「そうでしたか。で、なぜわざわざ陛下直々に私をお呼びになったのでしょうか?」
「お主がしたことじゃ。わかっておろう?」
正直に言おう
知るかよ!
やったの俺じゃなくて真司なんだよ!!
わかるわけないだろ、このハゲ!!!
とはいえ本音を言うのはまずいしな・・・
「魔王の件、でしょうか?」
「左様。怠惰の魔王を見事鎮静化したらしいのう。しかも死人は出さなかったと聞いておる。お主はまさに、英雄じゃよ」
そんなくだらない称号いらないから真司のところに連れて行ってくれよ
王様だろ~
ひとつ指ならせば大抵のものは手に入る国王様だろ~
〔それはちょっと偏見が入ってませんか?〕
そうかもしれないけど、金持ちって大体そんな感じじゃないか?
〔さすがに指ならすだけで大抵のもの手に入るは言い過ぎでしょう〕
確かにそうかもしれ――――
「ごほんっ」
おっと、『神通人』との会話に熱中しすぎたようだ
王様はもう一つ咳ばらいをすると、語り始めた
「さて、儂としてはお主を英雄として称えてやりたい。じゃが先ほど言ったように、少し問題が起きたのじゃ」
「問題といいますと?」
王様は深くうつむき、どこか不安そうな表情をしてる
「『龍王』の名を聞いたことはないか?」
「龍王・・・たしか魔王の一人、でしたよね?」
「うむ。『傲慢』の罪を背負った暴虐無人の龍人族の名じゃ。実はその龍王が、目覚めたそうなのじゃ」
「目覚めたって、龍王は400年前の戦で死んだんじゃなかったんですか!?」
「奴はそう簡単には死なん。奴を完全に殺せるものは、おそらく『北の魔女』しかおらんよ」
「『憤怒』の魔王ですか」
「そう、奴だけじゃろう」
『憤怒』の魔王
この世界で、最強の存在
化け物は、化け物でしか殺せないとはよく言ったものだ
「それでお主にはその龍王を、殺してほしいのじゃ」
「はぁ!?」
俺も化け物になれってかこのくそジジイ!!
「勝てるわけないですよ!!」
「なぁに、まだ龍王と決まったわけではない。龍王に似た存在というだけじゃ。それに今は力のほとんどを失っているようじゃし、お主でも頑張れば勝てるじゃろう」
頑張ればって・・・
デコピンだけでその龍王に負ける自信があるんだが
「とはいえ少し疲れたじゃろう。2~3日休養をやるから、ゆっくり休むといい」
「・・・そうですか、ありがとうございます」
行くことは決定なのかよチクショウ!!
とはいえ今は一刻も早く休憩したいので、そそくさと立ち上がり、部屋から出ていこうとした
と、そういえば・・・
「そういえば、その絵って誰の絵なんですか?」
あの人物画を指さした
「ん?ああ、これか。これはのう、このプラネリ王国の建国者、デビリカ・プラネスの肖像画じゃよ」
へ~建国者か
じゃあこの絵をどっかの施設とかで見たのかもな
通りで、見たことがあったわけだ
「そうですか。それでは」
そして、俺はやっと、解放されたのであった
「あ゛~、まぢでづかれた・・・」
素早い作業で鎧をキャストオフし、だらしない声とともに、俺はフッカフカの布団へとダイブした
あー、体がゆっくりと沈んでいく~
〔お疲れ様です。珍しくずっと敬語でしたもんね〕
ほんと疲れたよ
ちょっとひと眠りするから静かにしといて
〔了解しました〕
それを最後に、部屋から一切の音が消えた
すっげぇ安らぐな・・・
こんなの久しぶりすぎて泣けてくる
さて!ゆっくりと寝るとでもしま―――
「瞬、いる?私だけど」
俺の眠りを完ぺきに阻害するかのように、ガネーラは突然現れた
ノックうるせぇ・・・
「開いてる~」
「あらそう、じゃあ入るわよ」
そこから俺の意識が明確になるのに、さほど時間は必要なかった
なんせドアを壊さんばかりの勢いで、ガネーラは扉を開け、そのままの勢いで俺に突進してきたのだから
痛みと衝撃のダブルパンチで、完全に起きるどころか気を失いそうになったよ全く
さすがにキレそうになったがまあ許しておこう
俺は面倒ごとを他人に押し付ける誰かと違ってO☆TO☆NAだからな!
「で、なに?」
とはいえさすがに疲れは溜まっているので眠かった
何とか目をこじ開け、鋭い眼光でガネーラをにらみつけながら話してみると、彼女は体をぷるっと軽く震わせた
・・・・・・・・・かわいいなぁこんちきしょうが!!///
ギャップ萌って便利だな
「ほら、これ」
そっぽを向きながらガネーラは包装紙に包まれた小箱を渡してきた
というか、心なしかガネーラのほほが少し赤くなっているのは気のせいか?
まあそんなこといいとして、これは何だ?
ガネーラのことだから爆弾とか入ってそうだけど・・・
またチラッっと見てみるが、特に悪いことは考えてなさそうだ
一応細心の注意を払いながら慎重に包みを開いていくと、箱の中にはペンダントが入っていた
ペンダントのヘッド部分には黒く光る水晶があしらわれている
「えっと、これどしたの」
「ほ、ほら。さっきからどこか元気なかったじゃない?いつも頑張ってるし、プレゼントあげたら元気が出ると思ったのよ」
う、うわ・・・
似合わね~
こいつはこいつが一番やっちゃいけない領域に踏み込もうとしている
ま、まあそれはともかく、
「ありがとな。ペンダント」
礼は言っておかないとな
とりあえずつけてみると、おお!案外しっくりくるものだな
ただ、鎧は真っ白だから私服の時ぐらいしか似合いそうにないな
〔そのペンダント、どうやら呪いに対する耐性を付与する効果もあるらしいですよ〕
なにそれ便利
「ほらどうだ、似合う、か?」
ガネーラにも意見を求めようと振り返ると、そこにはもう彼女の姿はなかった
「あれ、あいつどこ行った?」
特にドアから逃げた形跡もないし、空間移動ってやつか?
しょうがない、感想はまた今度聞くとでもするか
とりあえず今は寝る、としy・・・・
さすがに限界が来たようで、ほんの10秒もたたぬうちに電池が切れてしまった
そのまま深い夢の世界へと、俺は墜ちていった
〔まったく鈍感ですねぇ・・・〕
『神通人』のため息だけが、俺の中で響いていた
もう少し不定期は続きます
申し訳ありません<(_ _)>




