12話 勇者さん!変態ですか!
♪ヘ(´∀`ヘ)ヘ(´∀`ヘ)♪ 先日10000PV&総合評価50PT突破しました ♪(ノ´∀`)ノ(ノ´∀`)ノ♪
皆様のおかげです、本当にありがとうございます<(_ _*)>
〔ご主人、そろそろ決めてくれませんかね。さすがに10分以上剣を振り続けていると私もしんどいんですよ〕
あ、お前にも疲れるっていう概念はあるんだな
そう思いながら軽く壁にもたれかかった
とはいえ相手もそんな隙を見逃すはずもなく、休んだいた俺に容赦ない攻撃を繰り出してきた
このいたちごっこにも似た戦いはいつ終わるんだ?
そう思いながら、また無意味な一撃を放つ
また躱されるだろうと思った
その時、少女の動きは止まった
先程の表情と比にならないぐらい驚いた、いやそれ以上に絶望したような表情でかたまっていた
そして、動きが止まったせいで俺の一撃は案外あっけなく少女に当たった
とはいえかすり傷だったのか血が溢れだすこともなく、少女は表情一つ変えず驚きっぱなしだった
急にどうしたんだ?この娘
〔さあ?たぶん、というより確実でしょうが、下に化け物の反応があります。また何かやらかしたんじゃないですか?〕
あいつか・・・
え?あいつ!?
なんで下にいるんだよ?
俺はその質問に対しての答えを、聞くことができなかった
『神通人』からの答えは、何か大きな音によってかき消された
俺の耳にはただ一言、「次あったら殺す」という甘く凄惨な声が深く響いていた・・・
〔で、どうしますか?追いますか?〕
下にあいつがいるなら俺は行くつもりだけど、それよりなんであいつは急にあんな行動を・・・
〔化け物がらみの件だとは思いますけど。そうですね・・・あとはここの魔王に何かあった、とかでしょうか〕
魔王が死んだ、とかなら楽なんだけどな~
〔そんな都合のいいことは起きませんって。ほら、行きますよ〕
はいよ
すっと立ち上がると、俺は階段を目指しt
〔いや、どこ行こうとしてるんですか?ご主人〕
え?下じゃなかったっけ?
〔だから、下ですよ。ほら、早く落ちてください〕
落ちてって・・・もしかしてこの穴を?
〔当り前じゃないですか。ショートカットですよショートカット〕
違う!
これ道としてのショートカットじゃないから!
死へのショートカットになっちゃうから!!
〔あ~もうつべこべ言わずに!男でしょう、が!〕
その「が!」が俺の脳内で放たれた時、とても嫌な音が聞こえた
俗にいうあれだ、ミシミシとかいうかなり危ない音が聞こえてきた
これはあれだ、無理だ
とうとう床にも限界が来たようで、あの幼女が開けた穴を中心にだんだんと廊下が崩落していった
俺がいた足場も当たり前のように崩れ落ちていく
落とし穴にはまった瞬間ってこんな感じなのかな
そんな思いに包まれながら、俺は落ちていった
10秒、20秒と時間が増すごとに肌に当たる風は強くなり、先ほどまで見えていた豪華そうな天井も点ほどに小さくなっていく
それでも下を見てみるとまだまだ先は長かった
いやどんだけここ高いんだよ
そんな面白くもない突っ込みを入れてみると、なぜだかむなしくなってくる
ああ、俺まだ生きてるんだな
それでもそんな実感がわいてくるだけ嬉しかった
〔なに爺臭いことを言ってるんですか・・・というかご主人、自分についている加護の事もお忘れですか?〕
お~『神通人』どうした?
かご?
人でも乗せるのかい?
〔それは籠です。って、言葉遊びしてる場合ですか。加護ですよ、加護!ご主人にはいろいろと加護が付いてるじゃないですか・・・〕
あ~なんか昔そんなこと言ってたな
確か『炎帝の加護』とかだっけ?
〔はい、それですそれ。ほかにも在りますけど今発動させるのは『風神の、〕
あ、真司が見える
お~い
〔違いますそれ走馬燈ですから!手を振らないでください!というか早く『風神の加護』発動させないとご主人ほんとに死んじゃいますから!河渡っちゃいますから!〕
あ~分かった分かった
えっと~・・・
「我、汝の力を借りうるものなり。今、その祝福を認め、我に力を貸したまえ・・・」
で、よかったよな?
<確認 『風神の加護』の効果を発動します>
その声が聞こえると、途端に空気を切る音は止み、風は収まり、落下も止まった
『風神の加護』は俺がこの世界に来た時に獲得した技能の一つだ
効果は、風を操るそして天候を操るの二つ
天候の方はともかくとして風を操る力は本当に重宝させてもらってる
これがうまく使いこなせればもっと強いんだろうが・・・
〔そんなこと言っても、ご主人が訓練をさぼったのが原因でしょう?〕
はい、返すお言葉もありません
〔まあいいでしょう。さて、さっさとあの幼女を捕まえていろいろと聞き出すとしましょうか〕
了解
じゃあスピードでも上げてくれ
〔わかりしました〕
そしてまた、俺は落ち始めた
さっきより速度はあるけど・・・まあ大丈夫だろう
俺の命は相棒に任せておくとしよう
そうやって自由落下に近い飛行を行っていると、案外早くあの幼女を見つけた
あ~なるほど
さっきからうるさいと思ったら、床を破壊しながらあの幼女は降りて行ってたのか
「捕まえた」
そう言うと俺は、容赦なく幼女に掴みかかった
この文章だけ見るとどこか犯罪の匂いがするが、実際そんなことはなくただ抱き着いただけだ
〔それでも十分犯罪ですけどね。向こうの世界ならですが・・・〕
あ、そうなの?
でもただ抱き着いただけだしセーフじゃ・・・
〔刑法176条って何だか知ってますか?〕
法律だろ?
それぐらい知ってるって
〔全くご主人は・・・。刑法176条っていうのは強制わいせつ罪の事ですよ!一回日本に戻って牢獄生活送ってみますか!!!〕
あ~はいはい
これから気を付けますから
そんなことをやっていると幼女は俺に気づいたようで(どんだけ存在感薄いんだ俺)、こっちを振り向くと
「おまえ、へんたい。あとでころす」
甘い声でこんなことを言われた
幼女にまで変態と言われる俺って・・・
〔これが勇者ですからね~。ほんと世も末ですよ〕
悪かったなこんな俺が勇者で
そうやっていがみ合っているとどうやら到着したようで、激しい音とともに落下は止まった
って痛ぁ!!
思いっきり腰打った!
一応一番下まで降りて来れたっぽいけど、これ生きてるのか?
〔そんなことより早く立ってください。すぐそこにいますよ〕
砂ぼこりで見えないんだけど・・・
でもなんとなく、なんとなくではあるが感覚で分かった
親友だから、ではないだろう
たぶん敵だからこそ分かったんだろう
それより立ち上がりたいんだけど何か掴むもの・・・
ちょうど近くに壁があったので手を当て立ち上がった
立ち上がったタイミングで砂埃はだんだんと晴れていって、そこにいた親友の顔がはっきりと見えた
・・・やっぱり楼香にしか見えないな
〔ですね。ほんと誰の仕業でしょうかね〕
「おまえ、おかあさんになにするつもりだ!」
『神通人』の声と重なるように、あの幼女の声が聞こえた
あれ、でもあいつの姿が見えないな
まあいいか、それよりも・・・
「やっぱりここにいたのか・・・真司!」
完全などや顔で、言い放ってやった
対してその親友はと言えば、
「お前、それは犯罪だぞ」
なぜかごみを見るような目で、俺を見下していた
見下すというか見放すというか
そんな真司の視線の先には、あの幼女の胸に押し当てていた俺の腕があった
「おまえも、なにしてるんだ!」
そう言うと幼女は、俺の腹に重い一撃を放った
ってかどっからそんな力が出るんだよ!
そんな突込みをする前に、どうやら俺は気絶してしまったようだ
視界が暗闇に染まった




