表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄になれると思いましたか?  作者: 蔵餅
堕落した戦姫編
27/68

11話 キャッチボール=大事

なんとなく気になったので再投稿しました

特に変更などは行っていません

「おりゃ!」

 避けられた

 何度剣を振っても、こいつには当たらなかった

 当たらないというよりはすり抜けているようにも見えるんだが・・・

 正体は幽霊でした!とかじゃないよな?

{それはないから安心しろ}

 よし、お前が言うなら安心できないな 

{俺の信用度低すぎだろ}

 しかし何度振っても当たらないんじゃ、倒しようがないな・・・

{こういう時はあれだ。『考えるな、感じろ!』で行け}

 そんな某人気俳優の一言でどうやって・・・

マスター、どうやらあの男は技能スキルで幻覚を見せているようです〗

 あ、感じろってそう言うことか

 しかし技能スキル使われてるのは厄介だな・・・

{厄介じゃないって。お前にはあれがあるだろ?}

 あれって・・・ああ、あれか!

〖しかしそれを使うと私たちも、〗

 大丈夫だって、

 肺に溜まった空気を勢いよく吐くと、目を見開いた

<上位技能 『蛇妃メドゥーサ』を起動・・・【技能封印】をこの部屋全体に適応します>

{じゃ、あとは頑張れ}

 は?

 その言葉が聞こえると同時に、目の前にいた男は消えていた

 そういえばあの時の男も幻覚だったんだろうか・・・

「な、な、貴様、何をした!」

 まさかの後ろから声が聞こえたので振り返ってみると、リリム姉さんの首元にナイフを押し当てたあの男が立っていた

 甲冑をかぶっているせいで顔を確認できないが、背は高い

 180cm程か? 

「どうやって我の幻覚を解いた!」

「あら~いつの間に私の後ろにいたのよ」

 動揺しながら男はナイフをのど元に押し当てた  

 それでやっとリリム姉さんは男の存在に気づいたようで・・・

 ってかあんた暢気だな

 ・・・・・そういえば、リリム姉さんって

「くっ、それ以上動くとこいつを殺す!」

 いや、そんな人質取った時の鉄板のセリフ言われても・・・ 

 まあそれより、

「え~と、確かリリムさん前言ってましたよね?並の魔人には負けないって」

 そうやって彼女に笑いかけた

「・・・・・そんなこと私言った憶えないんだけど?まあ確かに、負けはしないけどね」

 そう言って彼女もにやりと笑うと、ぽつりとつぶやいた

風刃フェングル

 冷酷とも思えたその声が発せられると、彼女を中心に無数の刃が発生した 

 刃は空気を切り裂き、男へ一撃、二撃と切り付けていく

 刃はあちこちへ飛び交い、首に、顔に、腹に、脛に、人の弱点に向かって飛び続けている

 さすがに男も限界が来たようで、リリム姉さんの首にあてていたナイフを落とし倒れた

「リリムさん、あれはちょっとやりすぎじゃ・・・」

「しょうがないでしょ?技能スキルによる操作ができなかったのよ」

「そんな言い訳つけられてもねぇ・・・」

 とはいっても、彼女の言ってることは正しい

 なぜなら『蛇妃メドゥーサ』の【技能封印】をこの部屋全体に適応させたわけだから、彼女が技能スキルを使えなくても、何ら不思議はない

 じきに【技能封印】は解除されるから、そこまで焦る必要もないしな

 さて・・・

「で、あんたは誰だ?」

「や、めろ。魔王様を、殺すな!!」

「・・・・・」

 言葉のキャッチボールしようぜあんちゃん

「なあ、とりあえず話を聞け」

「なんだ?俺に何をするつもりだこの薄汚れた勇者が!!」

「はあ?いや、俺は勇者じゃなくてただの、」

「知っているぞ、私は!!貴様らだろう?貴様らが滅びた我々の国で、好き勝手やっていた張本人であろう!!」 

「いや、好き勝手って・・・」

「しらばっくれるな!滅ぼしてやる、お前らの国を、プラネス王国(・・・・・・)を滅ぼしてやる!!!!!!」

「いや、好き勝手に滅ぼしt・・・・お前、今なんて言った?」

「なんて?だから滅ぼしてやるって言ってるんだ!」

「だからどこをだ!」

「え、だからプラネス王国だ!」

「・・・そうか」

 俺はそう言うと、ちょうどいいところにあった縄で男の腕と足を縛った

「貴様、いったい何を!?」

「黙ってろ」

 最大限威圧を聞かせてはなったその一言は、彼の体を大きく震わせた

「行きましょうか、リリムさん。この先、ですよね?」

「そうだけど・・・彼、ここに置きっぱなしでいいの?」

「大丈夫ですよ。いざとなったら殺せますから」

 そう言いながらノブに手をかける

 プラネスって・・・まさかな?

 そう思いながらゆっくりとノブを回し、耳障りな音があたりに響いた 

 ドアが完全に開かれたその先に待っていたのは、何もない暗闇だった

 すべてを吞込んでしまいそうな、底が見えない暗闇が部屋の奥まで続いていた

 と同時に、ありえないほどの異臭が俺の嗅覚を刺激する

 思わず吐いてしまいそうになった

 リリムさんなんか、完全にギブの表情になっている

 後ろの男は慣れているのか、表情一つ変えないまま必死に縄を引きちぎろうとしている

 こいつ、意外と苦労してるのかもな・・・

 まあそれはいいとして、この暗闇をどう進むかだ

 ライトでも作るか・・・

 そう思いながら【技能封印】の解除をゆっくり止まっていると、やっと気づいた

 上から何かが近づいてくることにやっと気づいた

 そこからはもう一瞬の出来事だっただろう

 俺が軽く後ろに飛ぶと同時に、天井は激しい音をたてて崩壊した

 砂埃が高く舞い、暗闇に溶け込んでいく

 あくまで直感的ではあるが誰か居るということが分かった

 どうやら人が降ってきたらしいようで、落下地点から2人の気配を感じた

 砂埃が完全に晴れると、そこには一人の少女(いや幼女か?)が立っていた 

「おまえ、おかあさんになにするつもりだ!」

 その少女は俺を見るや否や戦闘態勢に入ろうとする

 だがそんなこと関係なかった

 なんだろう、この心のもやもやは

 なんだろう、この気まずい空気は

 彼女を見た瞬間体に電流が走ったかのような衝撃が俺を襲った

 驚きと焦りのあまり、俺は言葉を失ってしまった

 別にその少女が好みだったとか、そう言う話では全くない

「い、意外と大丈夫だったな・・・」

 その後ろにいるもう一人の人間の行動に目を奪われた

「やっぱりここにいたのか・・・真司!」

 そこには、少女の発展途上の胸をわしづかみにした親友がいたからであって・・・

「お前、それ犯罪だぞ」

 とどのつまり、かなり気まずい空気がその場を流れた  


 

    

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ