表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日々是好日

晩秋の事

作者: 秋津珠音

まだ少し早いかな

葉を落とした枝に垂れ下っていた、赤い瑪瑙(めのう)のように熟しきった柿の実が鳥に(ついば)まれぽとりと落ちた

地上に積もるかつては赤々と燃えていた葉の上には、落ちた柿の実が潰れ、真赤な熔岩のような果肉を覗かせている

雲母(きら)のような(しも)が降り、輝く赤い落葉にてらてらと光る果肉が生々しい

天は高く(そうそう)々と雲一つとして見えず、寒風吹き、野を焼く煙の匂いを漂わしている

稲田の稲孫(ひつじ)は、(しな)びた葉に玻璃片(はりへん)の如き(しも)(まと)い朝日に輝く

身を裂くような凍える大気は鋭い吹毛剣(すいもうけん)の如し

(とう)の指が(こご)え、(ほほ)は冷たい絹の風に()ぜられた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ