一人ぼっちの夜は『光』の夢を見る
○月×日
今日も僕は一人ぼっち。
家で適当なチャンネルのテレビを眺めながら、休息の時間を過ごす。
更にはパソコンを立ち上げて、ネットRPGで更に時間を潰したりもする。
……何だかつまらない。
きっと寂しいのだと思う。
いつも一人ぼっちなのに。
※ ※ ※
○月△日
今日も仕事が終わった。
職場から、LEDのライトがチカチカと光る夜の街中へ繰り出す。
自転車をついて、ゆっくりと家路に就く。
ふと空を見上げてみる。
LEDライトの灯りよりも明るいものが見えた。
……あれは何だったっけ?
そんなに難しいものでも無く、誰でも知っているものの筈。
しかし、いつもLEDライトで光る街中ばかりに目が行き過ぎたせいか、それの存在を忘れてしまった。
「……綺麗だ」
それに目を奪われて、感想の声を思わず漏らした。
いつか思い出すだろう、その名前を。
※ ※ ※
家に帰り着いた。
今日も僕は一人ぼっち。
テレビを点けてみると、お笑い番組がやっていた。
特に面白かった訳でも無いけど。
買って来た夜食を食べながら、テレビを眺め、休息の時間を過ごす。
……何だかつまらない。
きっと寂しいのだと思う。
いつも一人ぼっちなのに。
※ ※ ※
その日の夜、久し振りに夢を見ていた。
凄く明るい光が沢山、浮かんでいる夢。
それは、仕事の帰りの夜空で目にしたものと同じ光景だった。
凄く高い位置にあって、手を伸ばしても届きそうにない光。
深い記憶を辿ってみる……。
そういえば、子供の頃は親に手を引かれて、毎年の様によく行っていたところがあった。
しかし、それの名前も忘れてしまった……。
真っ暗な場所で、丸くて小さい機械から放たれる無数の光。
それは不思議と心を和ませてくれる。
時間も忘れて、ずっと眺めていたい程に。
……
そうだ、あの光の名前は――