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サタンジェノサイドⅣ

サタン編はこれで最後です

【煩いのも消えたから

狩りの仕上げでも

行うとするか】


大罪人たちを

すべて狩り終えた

魔王サタンは

大罪人たちを

地獄に向かわせるために

地獄の門を開く呪を

唱え始めた


【――我が威に応じ、地獄の門よ開け

――送獄を司る獄住の長き黒の大蛇よ、大罪犯せし者たちを汝の贄とする

――我が望みは大罪人たちの送獄

――我が望みを叶えたまえ――】


魔王サタンが呪を唱え終えると

魔王サタンの眼前に

深淵のごとく深い闇が

渦を広げるように現れ

黒曜石の大扉に

不気味な骸骨が施された

巨大な門が

閉ざされている状態で

浮かび上がった


それは、冥界へと向かうために

死者が必ず通らなければならない門

すなわち、地獄の門である


地獄の門が開くと

そこから、暗闇も深い

闇色をした長き大蛇が

勢い良く現れ出で

比類無き激痛に

のた打ちまわる

大罪人たちの腹部へと

獲物を見かけ、腹を空かせた大蛇のごとく

刺し貫くように飛びかかった


「グァ……ハァ……ッ!?」


「グギャァアアアアッ!?」


「アァァァアアアアッ!?」


「ギャヒィィイイイッ!?」


「ギュィィアァァァッ!?」


「グハァァァァァァッ!?」


異物たる長き黒の大蛇に

腹部を抉られ、貫通され

無理やり宙へと振り回された

大罪人たちは

ただ激痛の悲鳴をあげるのみ


そして、すべての大罪人たちを

己の身に抉り刺し通した

長き黒の大蛇は


帰巣本能に従うかのように

現れ出でた地獄の門へと

縄で縛り上げた奴隷たちを

入船させる海兵のごとく

激痛に苦しむ

大罪人たちごと

入り戻っていく


やがて、長き黒の大蛇が

すべての大罪人たち諸共

地獄の門に入り終えると

地獄の門は、恐怖を煽るかのように

ゆっくりと閉まっていき


地獄の門を包み込んでいた

深淵のごとき深い闇は

用を終えたかのように

霧散し、消えていった


コロシアムに残るのは

魔王サタンただ独り


溜め息とともに一言だけ呟いた


【ああ……虚しき狩りだった……】と――


長き黒の大蛇のモチーフは、[鋼の錬金術師]の真理の扉辺りから取りました

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