サタンジェノサイドⅡ
なおも、残酷描写は続きますよ
魔王サタンが生み出し放った
球体状の破壊の闇という名の
黒い光線の乱射によって
コロシアムに無数に立ち並んでいた
骨と髑髏の柱群は
ドミノ倒しのように
倒壊の連鎖を響かせていた
【ふむ、乱射はこのくらいにしておくか】
魔王サタンは指を一回鳴らすと
破壊の闇が放っていた
黒い光線の乱射は停止され
用が済まされたのであろう
球体状の破壊の闇は
辺りに溶け込むように
霧散していった
残されたのは
まばらに立っている
倒壊を免れた骨と髑髏の柱群
その残骸である骨と髑髏の丘
それだけだった
【さてと、狩りの終幕を行うとするか】
魔王サタンはそう呟くと
背中から竜翼を生やし
流れるようにして
一息に竜翼を広げ
数度の羽ばたきで
コロシアムの上空へと
急上昇した
【残りの大罪人たちは……
ああ、そこにいたか】
魔王サタンは眼下を見ると
先ほどの、黒い光線の乱射にて
コロシアムのいたるところに
偶発的に生じた
骨と髑髏の丘
その一画にある袋小路に
二人の大罪人たちが
行き止まりに囚われていた
【そうだな、すぐ近くに降り立って
追い込んでから、斬るとするか
意図せず罠にかけた獲物を
狩るような気分だな】
魔王サタンは、やや自嘲的に笑うと
破壊の闇を生み出した左手を
毒の帯びた赤紫色の暗雲が
立ち込める上空へと
突き刺すように掲げると
そこから、膨大な火力を秘めた黒炎の柱を
頭上に広がる暗雲へ向けて放った
無意味な行動ではない
密閉爆発による勢いの反動によって
大砲から砲弾が発射されるように
膨大な火力を持つ
黒炎の柱を放った
反動を利用して
隕石が大気圏を突き破りながら
地上へと落下するような速度で
偶発的に存在した
骨と髑髏の丘の袋小路へと
二名の大罪人を追いやるように
コロシアムへと
振動を響かせながら
降り立った
「どうして……どうして
こんな目に合わないと
行けないの!!
もう帰して……帰してよ!?」
「俺たちが地獄に
堕ちなければならないなんて
そんなこと、認められるか!!」
二名の大罪人たちは
鬱憤を晴らすかのように
魔王サタンへと喚く
自分たちが正しいという風に
非難の言葉を吐き散らす
【それが貴様らの言い分か?
自分たちが何をやったのか
まるで、何も分かっていないようだな
それとも、最期の抵抗なのか?
だとしたら、無意味だ】
「なっ……!? どういうことだ!!」
「あんたの言っていることが
全く分からないよっ!?
いいから、元の場所に帰してよ!!」
魔王サタンの言った言葉を
解そうとしない大罪人たちは
なおも喚き続ける
【非難を持って事を成そうとするか
これ以上の時は無意味
さっさと、斬り捨てるか】
一方的な非難を聴いた
魔王サタンは
嘆息しながら時間の無駄を悟ると
痛覚倍化の邪術がかけられている
黄金竜鱗の片手剣を
二名の大罪人に向け
舞いを思わせる
流れるような動作で
連閃を繰り出して
瞬く間に大罪人たちを斬り裂いた
「ギャァァァッ!?」
「なんデェェェッ!?」
痛覚倍化による
比類無き痛みまで
高められた激痛が
二名の大罪人たちに
一切の容赦を排除して
灼かれるような
蝕まれるような
堪えられぬ痛みが
彼らの全身へと
駆け巡った
【ふん、解そうと努力すれば
このような結果は、招かなかったものを
まぁ、今更解そうとしても
既に無意味なのだがな
さて、残りは一人か
さっさと、狩りの仕上げを迎えるとするか】
魔王サタンは
先ほど斬り裂いた
二名の大罪人たちを
わずかに嘲ると
最後の大罪人を斬り裂くために
再び竜翼を生やすと
数度の羽ばたきで
上空へと飛翔した――
次話の残酷描写は、輪にかかっていると思います
〇〇を〇〇したり、〇を〇〇〇しているので。