群青色
「帰りたくないな」
そう呟いた。今朝、母と些細な事で喧嘩したのだ。中学生になったらしようと思っていた事を否定されたから。行くあての無い私は、近所の公園にいた。普段の喧嘩なら、学校から帰ってきたら、すぐに仲直りをするのに。如何してあんなに怒るのか分からずただモヤモヤとしてた。
空の色は群青色だった。まるで今の私の気持ちを映しているかのように…
両親はいつも朝早くから夜遅くまで仕事をしている。幼い頃から私は彼らに何かをしてやりたいと思ってた。中学生になったら、新聞配達のアルバイトができる事を知った私はそれで父と母を助けたいと思った。
それなのに…
涙が零れそうになった時、感じた温もり、母が私を抱きしめてた。母は
ただ一言「ありがとう」と囁いたー
その日は、久しぶりに声をあげて泣いた。
帰り道、母に手を引かれていると不意に母が、
「私達の事、そんなに大事に思ってくれる娘がいて私は、幸せ者だよ。」
と、言った。その時、私の目に入ってきたあの景色を忘れることはないだろう。
ありきたりな話ですが、ここまで読んでくださり、ありがとうございますm(._.)m