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知らねば違うと思う姿は朝と夕で色を変える
朝の真白き顔は清楚な姿をしておいて
細き身が折れぬよう立っているのに
愛しきものに会ったのか
頬が赤く染まっている
少しうなだれがちな顔が
初々しい少女のよう
それがだんだん
耳も目元も額もと
赤さをましていくさまは
おとなしさを捨て
うぶな面を変えて
艶やかな酔い姿となる
夕日に照らされて赤くなったと
嘘も通らない
昼餉にはもう
頬を染めていたくせに
飲んで潰れたその姿
恥ずかしそうに閉じたって
真っ赤な顔は変わらない
真昼間から飲みすぎだよと
あきれた声もかけたくなくなる
酔芙蓉
白から赤へ色を変える
幸福色の花
2016/11/23