1/2
1
改札の外には、まばらに人の姿があった。
見慣れた場所なのに、今日はやけに空気が重かった。
少し先に、後ろ姿が見えた。
一瞬ためらって、それでも声をかけた。
「……ちょっといい?」
呼び止められて、相手は少し足を止めた。
振り返るまでのほんの短い間が、妙に長く感じた。
「なんで関係を切ろうと思ったのかだけ、聞いてもいい?」
短い沈黙のあと、相手はゆっくり理由を話してくれた。
重かったこと。
連絡が多かったこと。
そして、少し疲れてしまったこと。
「そっか。」
小さくうなずく。
「教えてくれてありがとう。
正直、自分でも好きな気持ちが大きすぎて、押し付けすぎてたのかも。」
改札を通る人たちの足音が、間を埋めるみたいに流れていく。
「気づけてよかった。」
少し視線を落としてから、続けた。
「形は変わるのかもしれないけど、
また、ときどき話せる距離にいられたら、それだけでうれしい。」
相手は少しだけ何か言いかけたようにも見えたけれど、
結局、表情の意味はよく分からなかった。
向こうへ歩いていく背中を見送りながら、
さっきの表情の意味を、まだうまくつかめずにいた。




