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第9話 交渉の行方
アルフォンス王は腕を組み、深く考え込んだ。
重臣たちも、これまでにない説得力を持つ王妃の言葉に、唖然としている。
「……では、その会議で、我々は何を要求する?」
「共同研究機関の設立です。遺跡の調査、発掘、解読は、オルテニア、レガリア、ヴァルドラントの三国による共同チームが行う。発見物は全て記録・共有し、応用可能な技術が生まれた場合の利益配分は、各国の出資額と研究者の派遣数に基づいて事前に合意する」
セレストの目には、現代で数々の難交渉を突破してきたキャリアウーマンとしての確信が輝いていた。
数字と論理、そして相手の利害を冷静に計算する力がそれが最強の武器だ。
「もちろん、交渉は甘くはありません。レガリアは軍事力で、ヴァルドラントは狡猾な駆け引きで迫ってくるでしょう。だからこそ、準備が全てです」




