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第6話 新たな挑戦
そして今、最大の試練が訪れた。
「東方で古代魔法文明の遺跡が発見されたと?」
玉座の間で、セレストは報告を受けた使者の言葉を反芻した。
使者が深々と頭を下げる。
「はい、陛下。『竜の巣』と呼ばれる峡谷で、巨大な構造物が発掘されました。
……しかし問題は、発見と同時に、レガリア帝国とヴァルドラント侯国が、それぞれ軍を動員し始めたことです。
我が国も、遺跡に最も近い陸路を押さえています。
緊張が一気に高まっています」
側に立つアルフォンス王が、低く重い声で口を開いた。
「セレスト、これは軍事的問題だ。レガリアの騎士団は既に国境から二十リーグの地点に布陣している。ヴァルドラントも傭兵部隊を集結させ始めた。我々も即座に東方軍団を動員し、優位を確保すべきだ」
重臣たちも頷く。
これまでの王妃なら、恐怖に駆られて「全て王にお任せします」と言うか、逆に無謀な強硬策を叫んだだろう。
しかし、セレストはゆっくりと玉座から立ち上がった。
窓辺に歩み寄り、中庭を眺めながら、かつて数十億円規模の国際合併案件をまとめ上げた時のことを思い出していた。
あの時も、敵対的買収の危機に瀕していた。
感情的な対立では、何も解決しない。




