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43.帰ろう

 僕たちは3人で泣きあって、落ち着いた頃にはもうあたりは真っ暗だった。

 碧音さ……いや。

 碧が時計をみて、げっと呻く。……多分、女の子が出す呻き声じゃないと思う。

「今、もう10時だって」

「え、マジで? マジで言ってるんですか?」

 陽太さんも焦ったような表情をして、碧の時計を見る。そして、「終わった」というような絶望的な顔をした。

「……終わった……」

「え、どうしたの? 何かあるの? 今日」

「いや、両親が」

 聞くに、陽太さんの門限は8時らしい。なんと2時間もの門限破りである。

 ……僕の、せいだ。

「すみません、僕のせいで……」

 僕がしゅんとすると、むにっと陽太さんに頬をつねられた。

「むにゃっ⁉︎」

「月飛のせいじゃねーから。俺のせいだから。今後月飛のせいとか言ったらマジで許さねぇからな」

 その言葉が嬉しくて、僕は怒られているのにも関わらず口元を綻ばせた。

「あ、月飛、碧音先輩には呼び捨てとタメ口なんだろ? じゃさ、俺と貴月のことも呼び捨てで呼べよ。後タメ口で」

「ふぇっ」

 思わず変な声を出してしまったけど、でもしょうがないと思う。

 軽々しく言うけれど、僕はそのハードルが本当に高いのだ。

 ……でも。

 陽太さんと、貴月さんなら……いい、かな。

「えっと、じゃあ、よ……よう、たと……きづ、き」

「お、じゃああだ名で呼んでみて」

 あ、あだ名……なんだろう。あだ名……?

「——陽くんと、月くん?」

「……呼び捨てじゃねぇけど……まあいいや」

 少し呆れたように言って、陽太さん……いや、陽くんはにかっと太陽のように笑った。

 その笑顔が眩しくて、懐かしくて、僕は思わず笑みが溢れる。

「ねぇねぇ、私も月飛くんのこと、あだ名で呼んでい? んー……月、だったら佐野くんと被るしなぁ……」

「碧音先輩、貴月のことも貴月って呼んだらどうですか? そうしたら、月って呼んでも被りませんよ」

 柔らかく微笑みながら、陽くんが碧にアドバイスをする。

 ……月、月かぁ……。

 もし、月翔が生きていたら。絶対に呼ばれなかった、あだ名だ。

 悲しくも嬉しい、複雑な気持ちで僕は碧と陽くんに笑いかける。

「月飛く……あー違う、つ……き! 帰ろっか! あ、後陽太くんも一緒にご飯食べたらいいんだよ。一緒に帰ろ」

「え。マジで? いいんですか、やった」

 碧の言葉に喜ぶ陽くんを尻目に、僕もにこっと笑った。

「うん、帰ろう——碧、陽くんっ」

星評価をくださると、今後の執筆にいかせます!

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