27.笑ってんじゃん……っ!
「さて。一緒に回る、って言っても、どこから行く?」
「えっと……僕、文化祭っていうのがよくわかんなくて。碧音さんは、行きたいところとかありますか?」
月飛くんの口調は、今は敬語だ。
他の人の目もあるからだとはわかっているのだけど、やっぱり寂しい。タメ口で、「碧」って呼んでほしい。
「行きたいところ、かぁ……んー……あ、生徒会の企画って確か1時からじゃなかったっけ? あと15分だし……そっち行かない?」
「あっ、はい。気になりましたもんね、生徒会の企画」
「そうそう。お楽しみ、って言ってたけど……」
あの完璧生徒会長を筆頭とするスーパー集団、生徒会の出し物……そう考えただけで、私は結構な期待を寄せていたりする。
「生徒会、碧音さんは入らなかったんですか? 碧音さんなら入れたと思うんですけど」
こてん、と首を傾げながら、月飛くんは私に問う。
私はんー、と少しうなって、口を開いた
「そうだなぁ……私、生徒会あんまり向いてないっぽいんだよね」
「嘘でしょう」
「……。……即答⁉ え⁉ そんなに私向いてる⁉」
驚愕に目をむくと、月飛くんは至極当然のことというように頷いた。
「それはそうでしょう。だって碧音さん頭すごくいいですし、なんでもそつなくこなしますし、人望も結構ありますし、……すっごく、綺麗ですし、優しいですし、」
「待って、待って待って待って。え、待って。え、待って待って私待ってしか言ってない待って」
そんなに待つの? という顔で、月飛くんが私の言葉を待っている。
いや、待っての数だけ待ってということじゃない、と思いながら、私はゆでだこみたいに真っ赤になった顔を手で冷やした。
「……もぅ、……ぁのね、すっごく……すっごい、恥ずかしい……そんなに褒められたら、すっごい恥ずかしぃ……し、嬉しい……けど、照れ臭い……ょ……」
ごにょごにょ、歯切れ悪く私はそう言う。……あー駄目だ、顔が熱すぎて冷たかった手がどんどんあったかくなってく……。
すると、月飛くんは突然ふいっと顔を背けた。
えっ? と思って、私は少しあきれられたかな、と心配になる……けれど。
よぉーく見たら……あれ、肩震えてね?
「……月飛くん。笑ってる……?」
「ぃやっ、わっ、笑ってなっ、んふっ、ぷふっ」
「笑ってるじゃん。……いや、笑ってるじゃん! なんで笑ってんの、私そんな笑われることしたぁ⁉」
「っ、いやっ、だって、碧がっ、顔、真っ赤になってっ、んくっ、ぁはっ、んふはっ」
月飛くんが……こんなにも、爆笑するとは。
……いや、違うんだよ。不本意すぎるよ月飛くんが初めて爆笑したのが私が顔真っ赤だったからって。なんだよそれ。
「~っ、もう~っ、笑うなぁ……っ!」
そうして、結局月飛くんは3分ほどずっと爆笑し続けていた。
……結局文化祭回ってる回じゃなかったし。
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結局文化祭回る回じゃなくてすみません……。




