23.お花を摘みに行ってきます
「……仲良しさん、かぁ……」
私は、先ほど月飛くんに言われた言葉を反復した。
……そうかなぁ。來山くんと月飛くんの方が、仲良しさんだと思うけど……。
あと、仲良しさんなんですねっていう言い方めっちゃ可愛いかったんだけど何あれ新兵器? 地球を壊滅させる新破壊兵器?
「あおちゃーん」
「んー? どした、ゆゆ」
ぐでーっと某やる気なし卵キャラみたいに机にへたったゆゆに、おざなりに返事しながらちろりと視線を送る。
「もーつかれたー。早くおべんとー食べたいよー」
「早弁すれば?」
「午後お腹空くじゃんー!」
「お父さんがゆゆのために多くしてくれてるんでしょ? ちょっと残してお昼休み食べたら?」
「足りないのぉー!」
ゆゆは、この小さい体のどこに入るんだってくらい食べる。すっごく食べるのが大好きなので、お父さんがいつもお弁当を多くしてくれている、とゆゆ自身が言っていた。……あれで足りないとかほんと、どんな胃してんのこの子。月飛くんと対照的すぎる。
「んー? あおちゃん、どこ行くの?」
「……」
私が教室を出ようとすると、大声でゆゆがそういったので冷たい目で彼女を見る。
デリカシーがないなぁほんとにこの子は……っ!
「お花を摘みに行ってきます」
無表情でそう言い、私はすたすたと教室を出た。
背中越しに、「……お花……? あおちゃんってそういう可愛い女の子じゃないよね……? というかどこに詰むのお花なんか……」という声が聞こえたが、あとで制裁するから、と拳をなだめ、私は歩く速度を速めた。
……。
何か、視線を感じる気がする。
私はぴたりと足を止めて、何の前触れもなくぱっと後ろを振り向いた。
「……?」
しかし誰もいなかったので、首を傾げながらも私は教室に向かった。
早くゆゆに制裁をあげないとっ。
とても長編なのにもかかわらず、ここまで読んでいただいてること、本当に感謝しています……!
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