22.仲良しさん
わいわい、がやがや。
学園は、文化祭の準備で騒がしい。
「……あれ?」
そんな中、僕は机の中を見て、きゅっと眉をひそめた。
「月飛ー、どしたー?」
「陽太さん、あの……シャーペンがなくて」
「シャーペン? あの黒色のか?」
「はい」
「んー……俺は見てねーな……机の中に入れてたのか?」
「いや、ペンケースにちゃんと入れてたんですけど、ペンケースにもなくて、机の中にあるのかなって思ったけどなくて……」
んー、と陽太さんが考え込んでくれているのを見て、僕は慌ててぶんぶんと手を振った。
「いいですよっ、自分で探すので……!」
「いや、そんなわけにもいかないだろ。一人で探すより二人で探す方が効率いいし」
陽太さんはそう言いながら、にかっ、と太陽のように笑顔を輝かせた。
「——とは言ったものの……」
「……まずどこから始めればいいんですか?」
「それな。探し物の名人とかいねーのかな」
「探し物の名人……あ、碧……音さんに聞いてみましょうか?」
危ない、碧って呼ぶところだった……。
ほっと胸を撫で下ろすと、陽太さんがにぃっと口元を歪めた気がして、ぱっと彼に顔を向ける。
しかし、陽太さんはん? と首を傾げるばかりで、僕は気のせいかと意識をシャーペン探しに戻した。
「あ……碧音さん、」
「月飛くん! どうし……、って、來山くん?」
「澄瀬先輩。お久しぶりです、先日はありがとうございました」
深々と碧にお辞儀をする陽太さんを見て、僕は目を丸くする。
……陽太さんと碧って、知り合い?
「あの……陽太さんと碧音さん、って……お知り合い、なんですか?」
「え? ああ……前、ちょっと……ね」
「澄瀬先輩に、助けてもらったんだよ」
碧がもごもごと言葉を濁すと、陽太さんはふ、と苦笑して付け足した。
それに少してんと首を傾げ、僕はにこっと笑って言った。
「仲良しさんなんですね」
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