表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/25

20.そもそも……文化祭って、何……?

月飛はここからため口です。

前書きの下ちょっと読んで、これ誰だ? ってなったそこのあなた。

これは月飛です。

敬語じゃないなんて月飛じゃない! と思ったそこのあなた!

慣れなさい。

あ、ごめんなさい。舐めた口聞いてごめんなさい。

そして前書き長くてすみません。

「文化祭……?」

 僕は、そう学級委員長の佐野さんの言葉をオウム返しした。

 僕は学校に行ったことがないから、イベントというイベントを全く知らないのだ。

「よっし、出し物決めるぞぉ! どんどん挙げてなー!」

 出し、物……?

 僕が首を傾げていると、みんながはいはいと手を挙げて、すごい勢いで何かを言い出す。

「スタンプラリー!」

「謎解きゲームー!」

「合唱!」

「劇劇ー! 演劇やりたいー!」

「フリースタイル!」

「組体操ー」

「ミスコン‼」

「カフェ!」

「たこ焼きとお好み焼きー!」

 わわっ……⁉

 みんなの熱に圧倒される僕に、佐野さんが目を向けた。

 ……何か嫌な予感が……。

「澄瀬は何したい?」

「え、あ、う……」

 あぁ。予感が当たってしまった。

 答えに詰まってしまって、皆さんに迷惑をかけてしまっている僕の窮地を救ってくれたのは、陽太さんだった。……陽太さん神。太陽神。

「……月飛。“カラオケ大会”」

「ふぇっ? か、からおけ……大会?」

 僕は陽太さんの言葉を復唱して、はっと佐野さんの方を見る。

 すると、佐野さんの瞳は、きらきらと星みたいに眩く輝いていた。

「カラオケ、大会……!」

「、え?」

「いい……いいいいいいいいめっちゃいい……! すごいよ澄瀬……!」

 うおおおおおと肩を揺すぶられて、僕は頭がぐわんぐわんと異常な音を鳴らしているのが聞こえるあ、これやばい……うぅ。

「お、おい佐野やめてやれ。月飛がダウンしてる」

「あ……ごめん澄瀬」

「素直でよろしい……大丈夫か月飛」

「う、う……大丈夫、ですぅ……」

 まだ目は回ってるけど……うぅ。

「えっと……さ。佐野くーん、でもカラオケ大会するなら歌あんま上手くない人いるかもじゃん? どうすんの?」

「え? あー……それは……うーん……」

「審査員とか司会とか音響とか、いろいろあるんじゃねぇの役割。歌うまいけど人前で歌いたくねぇって奴らもいるだろうしさ。……ま、歌そんな上手くねぇけど歌いてぇって奴は歌わせたらいいけどさ」

「おー! 陽太、マジナイス!」

 陽太さんの意見に、佐野さんが嬉しそうにニッと笑顔を浮かべる。

「なー、みんな! うちのクラスの出し物は、“カラオケ大会”ってことでいいか⁉」

「いよー」

「どぞどぞ」

「どうでもいいー」

「めんどー」

 多種多様の「いいよ」が佐野さんに帰されるのを見て、僕は佐野さんがお月様みたいだなと思った。

 ——太陽みたいに眩しくはないけれど、優しく道を照らしてくれる、お月様みたいだな、と。

 それは、あでやかな百合のような碧音さんにも似ていた。

感想・リアクション・ブクマ、どれでも大歓迎です!

お気軽にお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ