19.私は文化祭は興味な……え、なんで私?
「今日から、文化祭に向けての活動が始まります。皆が真剣に取り組み、実りある楽しい文化祭にしましょう!」
学園長の言葉が終わり、ふわぁ……と欠伸をしている生徒が過半数の中、生徒会の話が始まった。
「皆さん、おはようございます。生徒会長の、林真央です。僕は、文化祭をより多くの生徒たちに楽しんでもらうため、生徒会でもスペシャルな出し物をしようと思っています。その出し物は、当日までのお楽しみ! 楽しみにしていてください!」
「えっ、出し物⁉」
「サプライズだってー」
「なんか楽しみかも……」
皆が浮足立ち、ざわざわとさざめく生徒たち。
しかし、その生徒会長がまた話し始めると、とたんにしん、と静まった。
——林真央。
入学してから不動の学年首席、異例の高等部1年にしてカリスマ生徒会長。眉目秀麗、背も高くすらっとスタイルもいい。イケメンで女子にモッテモテの男子生徒。爽やかで甘い声で、歌も超絶うまいという。気遣いもできるし。なんという完璧美男子。
でも……私は、別に、月飛くんがいる、から……って何言ってんの私。
「じゃあ、うちのクラスでも出し物決めよう! どんどん挙げてってー!」
「はいはいはーい、メイド喫茶!」
「え、じゃあ……お化け屋敷!」
「演劇!」
「縁日!」
「ファッションショー!」
「えーと……クレープ」
「チョコバナナ!」
「脱出とか……謎解きゲーム!」
「ダンス!」
「映画とか作る」
「コスプレコンテスト!」
「うわっ、いっぱい出んなー……澄瀬さんは?」
「え、私……?」
……文化祭……ねぇ。
何だろうなぁ……あ。
「朗読劇」
「……あー……あー! 確かにー! すごい案だね!」
わざとそうしてんの見え見えですが。
ま、適当に手挙げるか……と思った矢先。
「じゃあ、多数決で決めま……」
「ちょぉっと待ったあぁぁぁあー!」
「へ?」
「うち……うち、多数決は嫌じゃけぇ! 先生に決めてもらった方がいいじゃろ……!」
東谷こちさんは、何か熱い思いがあるらしい。
……これ、先生に根回ししてんじゃないでしょうね……? あ、でもしてそ。
「ん……そう、だな……迷うけど……やっぱ、コスプレコンテスト……かな?」
ほらやっぱちゃっかり自分が挙げたやつを先生に決めさせやがって。
コスプレなんて、めんどくさいったらありゃしないのに……!
「えー……じゃあ、うちはコスプレコンテストでけって……い? で、いい?」
『『『『どぞー』』』』
みんな熱量なくてよかったですね東谷さん。
「コスプレ……作るんだったら、あっちに任せて……」
「えっ、上宮さん作れんの⁉ ガチで⁉ ありがと、助かるー! お願いね!」
「任された……」
「はい、じゃあコスプレする人決めよ! 立候補でも、推薦でもいいよー!」
「はいはい! こっちゃ……東谷さんがいいと思います! 可愛いし!」
「えっ……ほんと……⁉」
「じゃあ一人決まり―。あとはー?」
「澄瀬さんがいいと思うー」
「え」
え。
私関係ないです感出して空気のようにそこにいたはずだったのにいぃぃぃい……!
「はぁ……別に、いいけど……」
「いいの⁉ ありがとー! じゃああとはー?」
「本庄くんー」
「……別に、いい」
「ありがとー! あとは——」
メンバーは、東谷さん、私、本庄響くん、ゆゆ、三木馨真くん、南峰しほ乃さん、市山フィオくんになった。
「月飛くんのクラス、何するんだろ……」
私はそうぽつりと呟いて、視線を窓の外に逃がした。
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