17.真っ赤なふたり
「可愛くなり過ぎたら、お仕置きしちゃうぞ?」
「っ……⁉」
碧音さ……違う、碧は、そう桜のような形の良い唇に繊細な指をあて、あでやかに百合のように微笑んだ。
どきっ。
どきっ。
僕の心臓が、変にうるさい。
碧を見ると、なぜか頬にピンクが散る。
碧を見ると、なぜか心臓がうるさい。
「……何、これ……」
「えっ、」
頬に手をあてて、急いで冷ます。
すると、慌てたように碧が言った。
「大丈夫⁉ 月飛くん、顔真っ赤だよ⁉ 熱あるんじゃない⁉」
「へっ?」
ひらりと碧が着ていたカーディガンが揺れて、
僕の額に何か冷たい感触があたった。
「……。……え、っ……⁉」
その冷たいものは、
碧の、繊手だった。
「……ん……熱は、ないわね。よかった」
「ちょっ、な……!」
「んぇ?」
ぽかんと口を開けて、顔を真っ赤にして慌てている僕を碧が怪訝げに見る。
そして、自分がしたことを多分きちんと見直し——
ぶわっと、頬にピンクを散らせた。
「っ、あっ、ごめっ……!」
ぱっと手を放して、一向に僕の方を見ようとしない。
そんな碧の様子に、少しいたずら心が芽生えた僕は、ずいっと碧の顔を覗き込んだ。
「っな、」
「……碧、顔真っ赤だね。可愛いね」
にこっと笑って、碧に言う。
すると、ぶわわっと顔がピンクを越して真っ赤に染まって、ぷしゅうと頭から煙が出たと思えば、突然倒れた。
「っえ、碧……⁉ 大丈夫っ⁉」
「だいじょーぶぅ……」
くらくらと頭を揺らしながら、碧はそう絶対大丈夫じゃない声で言ったのだった。
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