16.可愛……すぎ、だろ……っ!
「……うん、もちろん。——碧」
月飛くんが、私の名前を——呼び捨てで、呼んでくれる。
月飛くんが、私に対して——ため口で、話してくれる。
そのことがとても嬉しくて、
そのことがとても幸せで。
私は、月飛くんをぎゅうっと抱き締めた。
「ふぇっ⁉ っ、ちょ、碧音さ……っ⁉」
月飛くんが狼狽えて、頬を赤く染める。
その姿がとても可愛くて、林檎みたいに赤くなった耳にささやいた。
「“碧音さん”って言ったから、罰として放さない」
「~っ……!」
声にならない悲鳴をあげて、月飛くんがはぷしゅうと私にもたれかかった。
「……碧、いじわる……」
「っ……⁉」
私の肩に乗せたまま、月飛くんがそう破壊力抜群の必殺技を放ってくる。
「……くっ……私は……っ私は……っ! こんなことで、へこたれ……ない……っ……!」
「……碧、どうしたの?」
っちょ……っと、月飛くん……
愛称+ため口したら、破壊力がえぐすぎる……!
というかおれっち死んぢゃうぜ……‼
「……あー、もう……」
「? 碧、どうしたの……? 大丈夫……?」
ぐはっ。
愛称+ため口+上目遣い+やさしさ+心配+気遣い。
はい死亡キャーーーーーーーーーーーーーーーーー‼
……ゔゔん。
気を取り直して。
私は、唇に人差し指をあてて、微笑を浮かべて月飛くんに言った。
「可愛くなり過ぎたら、お仕置きしちゃうぞ?」
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