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11.君のことを、教えて。

「——月飛くん、おはよう」

「碧音さん。おはようございます」

 ニコッと可愛らしく月飛くんが微笑む。そんな彼の微笑みが美しすぎて、私はうっと胸を押さえ倒れた。

「えぇ……? 大丈夫、ですか……?」

「あ、あぁ……大丈夫だ。……しかし、儂はもう持たん。月飛よ、儂の意思を継いで、あやつを頼んだ、ぞ……ガクッ」

「えぇ……?」

「おぉいそこは「碧音さぁんっっ‼」か「師匠ーっ‼」とかでしょぉ淡白すぎだよ反応が」

「え? あ、すみま、せん……?」

 首を傾げながら謝ってくれる月飛くん。なんて……なんて……素直なんだぁ……っ‼

「あーもううちの子になりなさいっていうかなってたわあははー」

「……真顔で笑うの怖いのでやめてください」

 ずざざっと後退る月飛くん。ほぉほぉなるほど月飛くんはお化けとかが怖いんだなぁ……? ……可愛すぎかよ……。

「あ、そだ月飛くん。あの……」

 口ごもる。……月飛くん、してくれるかなこの話……。

「?」

「……っ、月飛くんの、過去……どうして、浮浪児になったのかとか。教えて……くれ、ない? あ、もちろん嫌だったり辛かったらいいんだよ⁉」

 慌てて付け足す。

 私は以前の勉強会から、彼の過去が気になっていた。“月翔つきと”という名の弟さんも含めて、……知りたい、って、思った。月飛くんのことを。

「あ……」

 月飛くんは目を見開き、硬直している。……やっぱり、嫌だよね。辛い、よね……。

 私は、顔を上げて笑みを作った。

「なーんて。冗談だよー、いいよ教えてくれな、」

「……教え、ます」

「——、え?」

 月飛くんは、今。なんと、言った?

「僕がなぜ、浮浪児になったのか。……碧音さんなら、教えます——碧音さんに、僕のこと……知って、ほしいから」

 どこか無理したような笑みを浮かべて、月飛くんはぽつりぽつりと静かに話し始めた。

ここまで読んでくれた皆さんに、感謝です。

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