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旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます  作者: 竹本田重郎


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第114話 艦対艦噴進弾母艦

夜間に入って新東洋艦隊の損害が判明した。




「カルカタが上陸から攻撃を受けています。セイロン島も安全ではありません。マダガスカル島への帰投を進言いたします」




「せめて一太刀を浴びせたいが」




「戦艦は健在です。あえて艦隊をスリムにして被発見を避けます。空母を退避させて保全しながら切り裂き魔のような一撃を加えてはいかがでしょうか」




「レナウンは無事だ。リシュリュー、クイーン・エリザベス、ヴァリアントはどうだ」




「それぞれ軽微な被害です。敵機は空母を集中的に狙いました。まるで眼中にないとも」




 新東洋艦隊は敵航空隊の波状攻撃を被った末に空母部隊に大打撃を受ける。第一波と第二派は専ら護衛艦を狙った。重巡と軽巡、駆逐艦ら補助艦艇が次々と被弾する。ヘルキャットの奮戦も虚しく軽巡と駆逐艦が撃沈ないし大破した。重巡洋艦も敵機が火達磨になりながら艦橋に突っ込む自爆攻撃により指揮系統が消滅する。第三波と第四波は本命なのか高高度と低高度の挟撃を見せた。




 高高度の敵爆撃機は水平爆撃の構えを見せる。敵機から投下された爆弾は勢いを失わずに装甲空母の装甲飛行甲板に突っ込んだ。イラストリアス級の自慢の装甲が弾くか砕くという期待は瞬間的に消える。甲板には痛々しい大穴が開いて格納庫内部に大火災が発生した。どうやら徹甲爆弾ではなく焼夷弾のようである。化学的な火災より消火活動は難航した。日本軍の航空隊が怪物じみた高練度を誇り百発百中ではないものの命中率は70%に到達する。




 低高度の敵爆撃機は反跳爆撃か航空雷撃の構えを見せた。とにかく回避しようと試みる。彼らは本格的な航空攻撃を経験したことがなかった。戦艦部隊は対空砲火を展開しながら冷静に回避に成功する。一方で空母部隊は消火活動に集中し過ぎた。装甲空母の防御力を過信したことも重なる。回避の機動はなんとも砂糖がたっぷりと入った紅茶の甘さが残された。これを逃すはずがない。敵機はロケットを点火して防空網を突破すると必中距離から大型で大重量の航空魚雷を投下した。




「まだ浮いていることが信じられん。そのタフネスは本物と認めてやる。今度はまともに動かせる兵士でな」




「マウントバッテン将軍から催促が来ています」




「無視しろ。あいつは政治家気取りの無能だ」




「本当によろしいのですか。インドの戦いに負けますよ」




「マウントバッテンが負けることはどうでも良い。リベンジするだけだ」




「チャーチルが許すでしょうか。更迭されます」




「わかっている。だからこそ、戦艦部隊で艦砲射撃を実施する」




 イラストリアス級装甲空母は辛うじて浮力を保っているが満身創痍が否めない。あくまでも、飛行甲板に装甲を張っただけであり、水雷防御は大して向上していなかった。イギリス海軍が威信を賭して水雷防御を施している。航空魚雷に対する防御力を確保した。史実におけるハスキー作戦で被雷して大破の記録が残される。ヨーロッパの生温い航空攻撃とは比べ物にならまかった。日本軍の航空攻撃を受けて無事でいられるはずがなかろうに。




 栄光のロイヤルネイビーは廃れなかった。




 イラストリアス級のインドミダブルは大破すれど自力航行可能である。ヴィクトリアスは格納庫が全損したが航行に支障なかった。イラストリアスとヴィクトリアスは中破で済んだが一様に艦載機運用能力は削ぎ落される。ヘルキャット隊は帰る場所を失った。パイロットは落下傘で脱出して残存艦に回収される。艦爆と艦攻は放棄せざるを得なかった。




「レーダー班より高速で接近する反応あり! 航空機にしては反応が弱く誤報の可能性も… 」




「対空戦闘用意! 無駄でもよい! 何としてでも守れ!」




「全員衝撃に備えろ! ダメージコントロールの用意!」




「艦長! まだ被弾すると決まったわけではない!」




「常に最悪を考えて行動する。私の仕事です」




 空母部隊を無力化して尚も攻撃の手は緩めない。




~少し前~




「きた! 敵艦の情報です!」




 日本陸軍が運用する航空機運搬船と称した簡易空母がズラリと並んでいた。海軍の協力を得て大量建造を進める。船団護衛の対潜警戒に活躍するが、本来の目的である航空機運搬はもちろん、高速輸送艦の代替として武器と弾薬、食料を運んだ。敵機や敵潜水艦の攻撃に沈むこともあれど圧倒的な母数から気に留めない。




「諸元を入力! 全弾発射だ!」




「射出機を動かせ! 位置がバレたってかまわん!」




「よくやっている。この夜中で見えているんだな」




「敵潜水艦がワラっと集まってきそうですが構いやしないと」




 飛行甲板と作られた平坦な甲板上で兵士たちの怒号が響いた。精細な作業を要する故にランタンを照らす。水上機の射出機なのか金属製のレールらしき物体が見えた。エレベーターが動くと艦載機の代わりに細長い爆弾が姿を現す。それは地対艦誘導弾と似るが一回り小さかった。




 この作業は光源を数多も提供する。連合国軍の潜水艦を呼び寄せた。作業中は無防備を強いられる故に最も危険な時間である。危険物を取り扱うために急機動は事故を誘発した。したがって、簡易空母という試作兵器プラットフォームの周囲を量産型駆逐艦(二等駆逐艦)や海防艦が囲む。最新の探信儀と爆雷を装備して迎撃の用意を整えた。




「1番準備ヨシ! 3番もう間もなくだな!」




「3番いけまーす!」




「よ~し。2番と4番はどうだ!」




「あとちょっとです! 2分あれば!」




「同じく!」




「なんて光景だろうな。4隻から16発の対艦誘導噴進弾が発射される。今日は高品質な物に限定したから二斉射分しかない。まったく、惜しくて堪らないよ」




「いつか人の手を介さず攻撃できるようになるのでしょうか」




 艦橋から作業を眺めている。飛行甲板に4基の射出機が設けられた。これが大仰角をとって夜空を突き刺すよう。偵察機から得られた情報を基に敵艦隊の位置を計算して得られた数値を誘導弾に入力した。彼らは地対艦誘導噴進弾の進化系である艦対艦誘導噴進弾を運用する。地対艦は防御的な性質を帯びて積極的な攻撃に向かない故に艦載化の試みは地対艦の開発時から行われた。




「全ての発射機が準備を終えました。1番艦から4番艦までいつでも行けます。作業員は艦内に退避しました」




「誘導は利いているな。味方艦に当てるな。敵艦に直撃させよ」




「それは神のみぞ知るです。我々の調整は万全を期していました。しかし、あとは機械次第なのです。何をどのように捉えるのか」




「わかった。責任は取る。全弾発射せよ」




「全弾発射! 全弾発射!」




 4基の射出機から轟音と共に艦対艦誘導噴進弾が解き放たれる。水上機を射出する時と同じく火薬で放り投げた。余裕をもつためにヴァルター式ロケットを点火する。一定時間が経過すると本体の主機単独に移行した。慣性誘導が機能して一定高度を一定方向に向けて自律的に飛行する。それぞれが向かう先に敵艦隊がいるはずだ。




しかし、ここで疑問が生じる。




模擬弾という電波発信機を用いずに誘導はどうするのだ。




「ケ号吸着装置…働いてくれよ」




 誘導弾の先端部には赤外線の目がある。それはケ号吸着装置と呼ばれるが赤外線シーカーと言えば理解し易くなった。物体が放出する赤外線を感知して自動的に舵を切る。無線誘導や電波誘導に比べて精度は劣るが撃ちっ放しが最たる強みだ。人の手を介さない故に奇襲攻撃に向いて人的資源も消費しない。日本軍としては高価でもあり難い限りで石原莞爾の命で研究が進められた。




 4隻分の16発は高速で飛行しながら赤外線の目が標的を探し求める。まだ低精度と言うが大きな物体に吸い寄せられた。つまり戦艦か空母の大型艦を優先的に狙う。今回の標的は戦艦と空母のどちらも含んでいるため大変都合が良かった。あいにく、空母は火災の鎮静化に成功している。ほぼ無傷の戦艦たちは大きな艦橋や主砲を有した。自分達に迫り来る飛行物体を落とそうと対空砲火を開けば赤外線は爆増する。




「信号が途絶え始めました」




「当たったか…外れたか…どちらだ」




続く

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