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旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます  作者: 竹本田重郎


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第112話 装甲空母は不沈空母に非ず

新東洋艦隊は史上最大規模の基地航空隊による攻撃を被った。




「おうおう派手にやっている。護衛艦がモウモウだ」




「高度6000から投下する方向でよろしいでしょうか」




「変更なしだ。敵空母の甲板をぶち抜いてやる。残念だが、俺たちに空母を沈める能力はなかった。しかし、敵艦載機を飛ばせないようにする。敵空母をただの鉄に変えることはできた」




「狙いは?」




「そうだな。手ごろな奴を食うぞ」




 新東洋艦隊は装甲空母に戦艦を揃えた威風堂々である。サマヴィルも勝つ前に負けることはないと踏んだ。アメリカから教えを受けて装備も刷新して間もない。イラストリアス級姉妹はアメリカ製の艦載機を満載した。F6Fのヘルキャットが早期迎撃を為し、かつ各艦はレーダーと連動したボフォースなど対空火器を有し、基地航空隊の攻撃を耐えきることは間違いない。




 しかし、敵機は小癪にも護衛艦を確実に潰していった。巡洋艦と駆逐艦は単体の戦闘力は低い。集団になってこそ真価を発揮するのだ。ヘルキャットの迎撃を掻い潜る。超低空を這って反跳爆撃の構えを見せた。自軍も採用する以上は怖さと痛みを知っている。爆弾が海面を跳ねて迫ることを予想したが、敵機はサッと高度を上げたかと思えが、目にもとまらぬ速さの爆弾が突き刺さった。




「対艦噴進弾の威力は凄まじいです。当たりさえすれば駆逐艦は大炎上する」




「そりゃ炸薬がたっぷりと詰まっている。俺たちの弾とは違う」




「そろそろ針路に入ります。操縦を譲ります」




「貰います」




「よ~し。しっかり頼んだぞ」




「はい」




 百式高速爆撃機は反跳爆撃を止めて対艦噴進弾ことロケット弾を使用する。元々は対地攻撃に用いられた。これは非常に高い面制圧力を発揮して地上部隊の対空火器を黙らせることに活躍が止まらない。したがって、対艦攻撃にも活用できないかと徹甲爆弾を素体に改造が進められた。反跳爆撃よりも難易度が幾らか低いため習熟は比較的に容易でロケット弾の調達は造作もない。非装甲か軽装甲の駆逐艦にとって最悪の打撃を招いた。




 新東洋艦隊の防空網に穴が生じる。サマヴィルは即座に立て直しを命じたが基地航空隊の波状攻撃が上回った。残存艦が集まる前に敵機は艦隊上空に到達している。さらに、高度6000という高高度に片足を突っ込んでいた。ボフォース40mmが強力と雖も6000mまでは届かない。10cm級の高射砲が頼りだが命中精度は言うまでもなかった。




「グラマンは6000まで簡単に上がってこれない。高射砲もお察しの通りだ」




「はい」




「肩の力を抜け。揉んでやってもいいぞ」




「静かにしてください。エンジンの音と高射砲の音だけでいいです」




「わるい」




 第二波と言うべきか第一・五波と言うべきか。高高度を飛行するは陸軍基地航空隊の連山だった。日本軍が運用する中で最大級の重爆撃機として絨毯爆撃から対艦攻撃まで幅広く活躍している。高高度からの水平爆撃は運動エネルギーも相まって極めて強力だが命中精度は相応に低かった。したがって、誘導爆弾の研究を進めて無線誘導を確立したが、専用の爆撃照準器を覗き込んでも爆撃手の負担は大きく、期待したほどの効果は得られない。これに民間の技術を注入してブラウン管テレビによるテレビジョン誘導方式を送り出した。




「5…4…3…2…1…投下ぁ!」




「グラマンが上がってくる!」




「機銃開け! 弾幕を形成! 連山はただでは落ちん!」




「任せられましたぁ!」




 ズバババと全身に配置された防護機銃が火を噴こう。とてつもない騒音の中で爆撃手がテレビを通じて誘導できるか不安だった。全ては日々の猛訓練が解決する。ドイツから輸入したMG42の射撃の中で作業を行う訓練を経て集中力を鍛えぬいた。聴力を犠牲にしたという声もがあるが聞こえない。




 爆弾倉には大重量の総重量は2t級の対艦誘導噴進徹甲弾が吊り下げれられた。爆撃照準器で目星を付けるとタイミングを見計らって投下する。この後は素早くブラウン管テレビに移った。爆弾はロケットで推進する故に猛烈な速度で突進する。高射砲の砲撃と高射機銃の弾幕を抜けていった。その先に装甲空母の金属の甲板がみるみるうちに大きくなる。




「右に出る!」




「舐めるなぁ!」




「かてえなぁ! それでも20mmは痛いだろ!」




「主翼を捥ぎってやれ!」




「あぁ! 食らったぁ! 馬鹿野郎がぁ!」




「大丈夫か!」




「あぁ、かすっただけだ。治療は後でいい!」




 爆撃手が極限の集中力を維持できるようにヘルキャットの猛攻に抗った。ヘルキャットは軽戦闘機隊を振り切ると2000馬力エンジンをうならせて6000mまで上がってくる。ヘルキャットを操縦するパイロットはイギリスの兵士だが闘志の高さに恐れ入った。その心意気や良しだが負けるわけにはいかない。連山は死角を生じさせない配置で20mm機銃を構えた。ヘルキャットがグラマン鉄工所と呼ぶほどに頑丈でも20mmの高初速弾はズタズタに切り裂こう。




 連山は米軍のB-17を参考にした故に堅牢さは最高級だった。12.7mmのブローニングはバランスに優れたが威力不足が顕著である。日本軍の爆撃機を撃墜するに数百発を要すると不満を漏らした。連山のような重爆撃機は数百発どころでない。飛行艇ですら撃墜できなかった。機体がボロボロになろうと集中力を絶やさず、画面一杯に装甲空母が映り、いざ突撃する瞬間に久しく声をあげる。




「いけぇぇぇぇ!!」




「退避だ! RATOを点火!」




「RATO点火! 急速離脱!」




 イラストリアス級装甲空母のどれか不明だが直撃は確実を見込んだ。水面に突っ込む形であれば最後の最後に水飛沫を間接的に視認できる。今回は画面が急にブラックアウトした。これは敵艦など標的に直撃した際に視認できるもので直撃確実を信じて疑わない。本来は肉眼の目視で確実性を重んじたいところだがRATOを点火して急速離脱中のため諦めざるを得なかった。彼らのために非合法的だが敵艦の様子を眺めてみよう。




 イラストリアス級装甲空母は飛行甲板に装甲を張り上げた。水平爆撃や急降下爆撃の徹甲爆弾を弾き返す。搭載機数を犠牲に払って得た重防御も高高度からロケット噴射の一撃に耐えられなかった。いいや、着弾の角度次第では滑らせた上に自爆を強いて実質的に無力化できる。イラストリアス級を舐めるなとジョンブルのスピリットを見せつけたが日本人の狡猾さを侮ってもらっては困り果てた。




「なぜだ! どうして貫徹した!」




「格納庫が炎上中! 消火活動急げ!」




「絶対に弾薬庫まで火を回すな! 予備機を捨ててもいい!」




「空母を守れ!」




「装甲空母ではなかったのか!」




 サマヴィルの怒りはもっともであるが艦長以下はダメージコントロールに邁進する。敵弾は装甲化された飛行甲板を易々と貫徹して格納庫まで到達していた。格納庫内部で炸裂したはずだが炸薬の爆裂ではない。予備機を燃やしたことから焼夷弾の一種と予想された。なるほど、なんとも狭隘な兵器だろうか。空母は格納庫で火災を起こされては堪らなかった。飛行甲板に穴を開けられた上に火災とは無力も著しい。




 実は米海軍新鋭戦艦を沈めた物とは別の対艦誘導噴進弾らしい。こちらは徹甲爆弾というよりかは成形炸薬弾の性質を帯びた。歩兵が携行可能な対戦車火器にヒントを覚える。徹甲爆弾は装甲を無理に引き裂こうとする故に装甲の前に弾かれた。それでは化学の力を用いるとどうだろうか。金属噴射の力を活用して分厚い装甲をチーズのように溶かして内部まで侵入した。とはいえ、炸薬量は通常の徹甲爆弾よりも少なくなる。黄燐を混合した焼夷弾を詰め込むことで最大級のリターンが得られるよう工夫を凝らした。




「さらに敵機反応! 今度も低空です!」




「今度こそ低空雷撃だ! 対空砲火を全て向けろぉ!」




続く

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