表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/26

最終話 戦いの果てに。

投稿が遅れてしまいましたね・・・・すみません。             そして、ここまで読んでくださったあなた様。ありがとうございます。                ではでは、本編をどうぞ。



「・・・・本当に、戦うんだなぁ」



住民が避難した城下町を闊歩するたくさんの勇者たちを見ながら、俺は呟いた。



その中には、見知った顔もある。



リリア、ユウリ、フィオ、憂奈ちゃん、その他2名とシオン。



今から、友達である皆と戦わなければならない。



それも命をかけて。



俺としては直接リリアたちと戦うつもりはないが、俺以外のこちら側の皆はそういうわけにはいかない。



一人でも多くの知り合いを助けるために、この戦はすぐに終わらせよう。



そのためになら、俺は見知らぬ人の命でも奪うつもりだ。



さて、行こうか。



俺は世界の意志からもらった剣の柄を握り締めながら、大きく深呼吸をした。






☆☆☆☆






「世界の意志、出てきなさい!」



「主〈ぬし〉が魔国におるのはわかっておる!」



やはりリリアとフィオの力は異様だ。



たくさんの勇者たちがいる中でも、すば抜けている。


二人は世界の意志を探しているらしく、魔族を軽く蹴散らしながら城の方へと進む。



「はぁ・・・・やっぱりあの二人なんとかしないとなぁ」



俺は城門からその様子を見て、ため息をつく。



世界の意志からもらったこの剣があったとしても、ぶっちゃけ勝てる気はしない。



でも、やるしかない。



俺は手汗を拭い、城門から飛び出した。



「ーーーーーッツ!?軽ッ!!」



俺は不自然な体の軽さに驚いた。



まるで羽綿か何かになったような錯覚を覚えるくらい体が軽い。



これがこの剣の力なのだろうか。



俺はそのまま走り、適当な人の懐に潜り込んで剣を振るった。



「・・・・・・なんというチート剣」



その切れ味は、人を切ったというのに、まるで包丁で豆腐を切る時のそれと大差ないものであった。



見知らぬ勇者が倒れるのを見届け、俺は次の勇者を目指して走った。



罪悪感?・・・・そんなものはゴミ箱に捨てた。



生き物を殺すなんて、この世界に来て慣れてしまったからな。



弱肉強食なこの世界に来れば、誰でもそうなるはず。


・・・・・・俺が流されやすいだけかもしれないけど。



「ごにんめぇっ!!」



俺は、剣をつたって手元に垂れてきた血を払うために剣を空振りさせる。



「よしっ!リョウにつづけぇ!!」



「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」」」



くしくも、魔王を倒すために召喚された俺は、その魔王側につき、ましてや勇者を狩って、魔王軍の士気を上げてしまった。



なんという運命なのだろうか。



でも、少し楽しい・・・・・・かな。



俺は小さく笑うと、他の勇者を殲滅するために地を蹴った。






☆☆☆☆






「・・・・・ふむ。被害は大なり、かの」



「・・・・・・これ以上、被害を増やしたくないんだけど?」



俺はリリアに声をかける。


戦の開始から一時間足らずで、勇者側も魔王側も残り僅かになった。



これだけ勇者たちを倒せば、きっとこの世界のバランスが崩れるなんてことはないだろう。



「マスター、どうします?あんな反則気味の剣なんて使われたら、無傷は少しばかりきついですね」



「うむ。それにあの指輪、守護の指輪のようじゃの・・・・・魔法都市辺りから付けていたのは覚えておるが、どうやって手に入れたのか」



二人はため息をつきながらも、戦闘態勢は保ったままである。



「リョウ様、私がもしリョウ様を倒したら、何でも言うこと聞いてもらってもいいですか?」



ふと、横からユウリがそう言った。



「・・・・・なんでさ」



「いえ、その方がやる気出るので」



・・・さいですか。



俺はため息とは裏腹に、やる気満々状態のユウリに勝てるのかと、少し試したくなった。



チート剣がないと何も出来ないけど、それも俺の実力ってことで。



「・・・・・・・いいけど?」



俺が了解と頷くと、ユウリは満々そうに笑った。



・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て、なんでリリアとフィオまでやる気になってるんだ?



「ん?ユウリだけ、その条件なんてことはないじゃろ?」



「そうですね。私とマスターにもその権利があると思います」



・・・・・・・化け物3人相手とか、なんていうイジメ?



「「行きます!」」



なんて思っているうちに、リリアとユウリが距離を詰めてきた。



「ちょ!?危ないって!!」



俺は後ろに後退しながら、距離をとる。



「・・・・・・散れ」



リリアとユウリの後ろで、フィオが手を横に振ると俺の背後で爆発が起きた。



『大きな殺気を二つ感知。回避を行います』



指輪からの声とともに、俺の視界が変わった。



どうやら転移魔法の類が発動したらしい。



「・・・・・あっぶねー」


たぶん転移していなかったら、俺は撃沈していたであろう。



なんせすぐ目の前までユウリとフィオの攻撃が迫っていたからな。



怖い怖い。



転移した場所は先ほどの場所からそう遠くない。



なんせ、俺が今いる場所からリリアたちの姿見えるしな。



三人は俺を探そうとキョロキョロしている。



さて、どうしたもんか。



奇襲でも仕掛けるか?



いや、そんなことしても返り討ちにされそうな気がとってもする。



なら逃げる?



・・・・・今回に限ってそういうわけにはいかないな。さすがに。



「・・・・・・やっぱ隙を突いて何かするしかないよなぁ」



俺はそうすることしか出来ない自分の弱さに苦笑しつつ、チャンスがくる時を見計らう。



そしてリリアたちが背中を見せた隙に、地を蹴った。


「・・・・・・残念じゃったの」



そのリリアたちは、俺の剣が届く前に消え去った。



「・・・・・・・参った」


そんな俺の後ろには、“本物”のリリアたちが余裕の笑みで立っていた。



どうやら、いつの間にか幻覚を見せる類の魔法をかけられていたらしい。



背中をこの三人からとられた時点で、俺の負けは決まったようなものだ。



「リョウ様、約束は覚えていますか?」



「・・・・・・・・あぁ」


俺は剣を持つ手から力を抜くと、剣が地に触れる前に両手を上にあげ降参の意を表した。



「お兄ちゃん!!」



そんな俺の姿をどこかで見ていたのか、魔王であるルルちゃん自ら三人の前に姿を現した。



「ほぅ・・・・・・その魔力からして、王かの?・・・・・いい度胸だ」



俺が止める間もなく、三人はルルちゃんに攻撃を仕掛けた。



凄まじい攻防が繰り広げられる。



それはまさに頂上決戦と言っても過言ではないくらいのものであった。



周りで争っていた勇者たちも、魔王軍の面々も、この四人の戦いに視線を釘付けにしていた。



「・・・・・涼君」



ふと聞き覚えのある声が。


後ろを振り返ると、憂奈ちゃんがいた。



まぁ、勇者である彼女がここにいてもなんら不思議はないのだが。



「久しぶりだね」



俺はそう返事をすると、憂奈ちゃんからリリアたちの方へ視線を戻した。



「・・・・・・怒ってる?」



憂奈ちゃんが不安そうにそう呟いた。



心当たりはある。



「・・・・・・キスのこと?」



憂奈ちゃんはきっと、俺の心に付け込んでキスしたことを悔いているのであろう。



まぁ、俺としては気にしてるつもりはないんだが。



「・・・・・・・ごめんなさい」



落ち込んで顔を伏せる憂奈ちゃん。



俺はそんな憂奈ちゃんの頭を撫でながら、気にするなとほほ笑みかける。



少なくとも、あの時は俺の心の弱さが悪かったのだ。


憂奈ちゃんは何も悪くない。



「でも私はーーーーーーーーーッ!?」



憂奈ちゃんが何かを言いたげに口を開いたとたん、矢のようなものが飛んできた。



「何いい雰囲気になってるのかな?」



矢を放った人物は、黒い笑みを浮かべながら眉をピクピクと動かしている。



「・・・・・・・・・世界の意志」



憂奈ちゃんはそう呟きながら戦闘態勢をとる。



「私と涼君の邪魔をする奴は、みんな殺すって決めてるんだけど・・・・覚悟はいい?」



「・・・・・・ねぇ、涼のお尻にホクロがあること、知ってた?」



「殺す!!」



世界の意志の挑発に、いともたやすく乗る憂奈ちゃん。



その前に世界の意志。俺はお前に尻なんて見せたことないのに、どうしてそんなこと知ってるんだ?



それに、力を神に奪われたお前じゃあ勝ち目はないだろ・・・・・。



そうこうしているうちに、リリアとフィオが世界の意志を見て戦闘に乱入してきた。



恨みでもあるのだろうか。


現在では、6人の大乱闘が行われている。



・・・・・・何、この状況。



どこか呆れたような目でその戦いを見ているのは俺だけではなかった。



周りにいる勇者や魔王軍の方々も、呆れたような視線を6人におくっている。



「・・・・・・馬鹿らしい」



誰かがそう呟いた。



とたん、苦笑混じりの笑い声が響く。



いつの間にか、戦は終結に向かっていた。






☆☆☆☆






「・・・・・・長かった」


俺は一人そう呟くと、字がびっしりと書き詰められているノートをゆっくりと閉じた。



みんなこういう経験はないだろうか。



中学2年くらいの時に、自分に似せた主人公が活躍する小説を書くって経験。



まぁ、俺は高校生にもなって書いていたわけなんだが・・・・・。



おい、今笑った奴は出てこい。



そして押し入れの中を探ってみろ。



黒歴史の一つや二つ、ポンポンと出てくるはずだ。



「そういやぁ、試験勉強もしないで俺は何をしてるんだ」



大きくあくびをして、渋々ながら鞄から教科書を出す。



「・・・・・・やっぱ寝よう」



試験勉強ってやり始めると、急に眠くなるよな。



教科書を鞄の中に戻した俺は、部屋の電気を消して布団に潜り込む。



いい夢が見られますように、なんてことを思いながら。



窓から差し込む月明かりが、物語が詰まったノートを照らす。



その表紙にはこう書かれていた。



『父さんから聞いた話を参考に小説を書いてみたーーーーーーーーーby 閖島 界〈ゆりしま かい〉』




・・・・・・やってしまったww色々と回収してないフラグがありまくりですね。            まぁ、それはさて置き。             ここまでこの駄小説を読んでくださった人、本当に感謝です。 



お気に入り登録、感想をくださった皆様にも感謝感謝。 



というわけで、涼のお話は終わりです。また次回があれば・・・・・・あるのかわかんないけど、もしあれば、ですね。                  期待しないで見てやってください。出来るだけ頑張ります故。                    では、また。   璃瑠@

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ