3話 光のメンター
3話 光のメンター
◆篠崎タケル 水無月花林 小暮犀太
・次の日からタケルは、
頻繁に自分の周りの白い光が、
フワフワと漂っているのを感じたし、
見るようになった。
それは今までの現実世界では、
決して想像できないような、
白い仔犬のような愛らしい温もりを、
感じさせる、
とても心地いいものだった。
それは子供の頃夢中で作った、
雪だるまのような、
沢山の愛と高揚感を感じさせる、
とても安定して純粋な心を、
タケルに与えた。
今までの世界がまるで、
出来の悪い紛いもののように、
思えた。
(何だろう、これ??
ずっと前になくした子供の頃に、
確かにあった安心感を感じる……)
タケルは安心感を覚え、
次の日からは普通に専門学校に、
通うことが出来た。
子供の時にはあった安心感、
安心できる仲間、充実した毎日──
小暮犀太の仲間になって、
自分の生きる現実が、けっして、
パサパサに乾いた柑橘類ではなく、
潤って甘いウインナーココア
(生クリームが上にのっている)、
のように、心地よく温かく甘い、
充実した素晴らしいものに、
思えてきた。
そんな日々を過ごす中、
タケルは再び、
水無月に出会った。
彼女は相変わらず、
ロリータ服を着て青い口紅を、
唇にひいていた。
「タケル君、
また会えたね。
タケル君も気づいていると、
思うけど、白い光が見えるし、
感じれるよね☆
ウラヌスリターンの、
仲間になった以上私たちは、
目に見えない光の力が、
使えるんだ♪
その力に目覚めると、
世知辛い現実に飲まれることなく、
優しく充実した気持ちで、
生きてゆけるんだよ。
君の人生の主導権は、
親でも誰でもない、
君だけのもの。
タケル君に与えられた、
組織内での仕事は、
悪魔と戦い、
暗い現実に光を注ぎ、
世界を光と愛に溢れた、
理想郷へと、
世界の時間を巻き戻すこと。
もうすぐタケル君は、
自分の守護霊のような、
光のメンターに、
出会う。
それはきっと素敵な、
出会いになるよ☆
その時を楽しみにして、
素敵な日々を過ごしてね♪」
タケルは水無月が、
穏やかに安定して輝く、
白い天使に見えた。
──(俺今まで、
なんで我慢して、暗い思春期を、
過ごしてきたんだろう……)
タケルは水無月と出会い、
日々を充実して元気に生きないと、
本当は自分が損するだけ、
なんだな……、
と思った。
そんな中、
安定と充実で溢れた日々を、
過ごしたタケルは、
ある日突然、水無月の言った、
光のメンターに出会ったのだった。
…………(続く)