―高校生が戦争をする世界で―
初めての投稿になります。
小説を書くときは、いろいろ推敲しながら書いていますが、プロットとか無視して書くとどうもうまく書けません。
試作で書いています。
この作品には、ロボット要素と戦争要素が含まれています(あまり、武器には詳しくありませんが)。
なにとぞ、優しい目で見てくださればいいなと思います。
01 普通でない高校生
「今日ものどかやなぁ」
あくびをしながら、上空の飛行機雲の軌道を見つめている少女がいた。
「そうですね、皆雲さん」
水筒の茶を飲み、答えるまでもない少女の独り言に返答する青年がいた。
彼らは、ベンチに腰掛け弁当を食べていた。少女の弁当は、買ってきた弁当のようで、青年の弁当は、かなり作りこまれているようであった。
「皆雲さん、プチトマト食べます?」
青年の弁当は、肉も野菜もバランスよく添えられている。
「いらん、草食動物がたべるようなものばっかり、よう食えるなぁ」
少女はというと、野菜だけ残していた。
「野菜も食べないといけませんよ」
青年は困った顔で、まるで子供に言い聞かせるような口調でいった。
「お前は、あたしの母親か」
青年は、それを言われて、少しニンマリとして。
「それに、近いのかもしれませんね。だって、起こすのに呼びにいかないといけないじゃないですか、制服のアイロンがけも自分ではしませんし、世話すること多いですよ」
言われたことが、図星だったのか不機嫌な顔をしてしまった。
「霧島、まあ、野菜食わないわけでもないな」
どうやら、むきになったようだ。
「じゃあ、どうぞ、ナスがいいですか。ナスのおひたしおいしいですよ」
少女の顔が青ざめたように見えたが、さっと、箸でナスをつかみ口に放りこんだ。目が挙動不審になっている。どうやら、彼女にとって一番嫌いなものは、どうやらナスらしい。
「不味い、まずい、マズイ」
少女は、三回連呼した挙句、涙目になって、青年の頭を平手打ちした。
「あたしが、頑固だから。あえて、ナスにしただろう」
青年は笑いながら、答えた。
「だって、そうしないと食べないし、苦手意識なくなりませんじゃないですか」
少女は、ナスの香りをペットボトルの炭酸飲料で流し込んだ。
急に、サイレンが鳴り響いた。最初は腹に響く重低音の音は、甲高い音に変わった。
「今日は、演習の日ではないですよね」
青年、霧島トオルは不思議に思った。
「はあ、演習の日ではないな。ということは、敵襲来だな」
皆雲ミライが上空を見ながら言った。
「ええ、そんな。まさか、連合国軍が来るのですか。世界大戦じゃないですか」
霧島は、仰天して、あたふたして、座っていた椅子に膝をぶつけた。
「痛い」
今にも泣きそうな、霧島をしり目に、皆雲は、ポケットから端末を取り出す。それは、通信端末であり、耳にひっかけた。
「第七学区、戦略室、誰かいるか」
戦略室とは、早期警戒に対して、情報が一点に集まる部署のことである。
かつて、日本はその最先端軍事機密を他国に渡さないようにしたため、スパイなどを一掃した。それにより、大国との関係が悪化した。決定的だったのが、第三次世界大戦に中立を貫いたのだが、日本国に敗戦国の主要人や国民たち難民を避難させたことにより、敵対国とみなされた。
「はーい、B14地点の警戒線に上空侵犯がありました。いちおう、迎撃地点まで来ていませんが、第7学区の航空部隊を出撃させます。地上部隊も沿岸に配備ってことになりました。よろしくー」
まったく、お昼どきだからゆっくりご飯食べとけばいいのにと皆雲は思った。
「霧島、聞いたか、白虎を海岸に持って行けってさ」
まだ、ぶつけた膝が痛いのか、泣き顔で答えた。
「はい、格納庫に行きましょう」
紺色のちょうど海軍の制服に近い服装をした姿は、学校の制服というよりも、戦闘服に近い。彼らは、第7学区軍事高等部の1年生だ。
大人の軍人は、現在の日本にはいない。中立を謳う条件に軍事力を持つことが許されないためだ。
ただし、抜け道として、高校生の一種の部活のように軍事的な行為をつかさどる部門を新設して、日々、軍備の研究と運用を高校生たちが行っているのだ。
「いちおう、2段階目のアラームだったから。実弾必須な」
アラームには、3段階ある。1番目は、緊急を要さない配備。2番目は、危険性のある配備、3番目は、戦闘配備になっている。
「持っていくのは、長距離射程用の、超電磁砲ですか?」
霧島が皆雲に聞いた。
「あほ、対空迎撃だから、対空ミサイル系一式や」
長距離射程を望める超電磁砲は、レールガンとも呼ばれ。コイルの強力な磁力によって弾を発射するが、次弾装填が遅いので、あまり、対空砲には向かない。
そういいつつ、二人は、急いで弁当を片付けて、格納庫へ向かっていた。
すると、今までとは違う非常に重低音のアラームが鳴り響いた。その音は、高い音に変わらず、ずっと低い音のままである。
「霧島、フル装備が必要そうだわ」
「大変ですよ、第3段階の警報ですよ」
ものすごく、異様な気分に二人は陥った。1年生どころか、3年生でさえこの3段階目のアラームを聞いたことはない。
つまり、このアラームは戦争が始まることを告げる音なのである。
「はあ、戦争か。いややな」
皆雲は、黒いショートヘアー髪の毛を右指でかきむしりつつ、この戦争が始まる予感というものを感じざる負えない状況を若干恨む気持ちになった。
とりあえず、話の始まりまでは書きました。
まだまだ、稚拙な文章構成力ですが、頑張ります。