3 冒険者協会
アリアさんに助けてもらってから二日がたった。
今俺は、冒険者協会の正面に立っている。初日に行ったときは身分証明ができなくて相手にされなっかたが、今日は違う。アリアさんに紹介状を書いてもらったからだ。本当にアリアさんにはお世話になってばかりだな。いつか、この恩を返さないとな。
そんなことを考えながら、俺は建物に入り受付に行った。
「ようこそ冒険者協会へ」
「冒険者登録しに来ました」
なんか受付の人に睨まれてるんだけど、気のせいだよな。
「あんた、二日前も来てなかったか?」
「来てたよ」
「だよな。たしか身分証明できてなっかた気がするんだが、冷やかしか?」
「そんなことするか。ちゃんと身分証明できるようになったから来たんだよ」
「ああ、そうなのか。それは悪かったな。今準備するから向こうの席に座ってちょっと待っててくれ」
すげー気軽な対応だな。冒険者ってこんな感じなのかな。これで俺も冒険者として登録できそうだ。
......結構時間かっかてるな。
「悪い、待たせたな。この時期に冒険者登録したいなんて奴はいないから書類探すのに時間かかってな」
時期によって冒険者登録しに来る人数が変わるのか。
「まずは自己紹介だな。俺はセラ・グライス。よろしくな」
「俺は、ハジメだ。よろしく」
「じゃあまずは身分証明できるものを見してくれ。持ってるんだろ」
「これでいいよな」
俺はアリアさんからの紹介状をセラに渡した。
「アリアさんからの紹介状か......あの人も懲りないな」
「アリアさんってもしかして有名人?」
「有名だな。目の前に困っている人がいたらほっとけないんだよ」
目の前に困っている人がいたらほっとけないか。確かにそんな感じだよな。
「あの人は優しいからな。ほかの人ならほっとくような身元の分からん人間にも手を差し伸べる、裏切られることも何回かあったみたいだがな」
「俺はアリアさんを裏切るようなことはしないよ。あの人に受けた恩は忘れないから」
裏切られるか......あの人はそれでも俺を助けてくれたんだよな…身元もわからない俺を......。
「よし、身分証明は完了。後はこれを書いてくれ、書き終わったら冒険者登録完了だ」
紙一枚でいいのか。登録自体は簡単なんだな。
「書き忘れは…ないな。これで冒険者登録は完了だ。あとは冒険者についての説明だな。ある程度は知ってるだろ?」
「全く知らん」
「......マジか」
「マジ」
「......」
いや、仕方ないよね。いきなりこっちの世界にきてまだ知らないことばかりだし、アリアさんも冒険者協会で大体教えてもらえますよーって感じだったし。ん......もしかしてアリアさんって案外めんどくさがり?。そんなことない......よな?。
「仕方ねぇ。最低限のことは教えてやるよ」
「助かる」
「基本的に冒険者ってのは冒険者協会の掲示板に貼られてるクエストをこなして生計を立ててるやつらのことを指す。んで冒険者にはランクがあって一から十まであるんだが八から上が上級冒険者だな。ハジメは登録したばかりだから一からスタートだ。」
「ランク低いと受けれないクエストとかもあるのか?」
「ある。人数指定とかもあるな」
それから俺は、セラから冒険者について詳しく聞いた。一人でやるよりもパーティーを組んだほうがいいと助言してくれた。たしかに俺はこの世界について知らないことが多すぎるから、熟練の冒険者の力は借りたい。俺がその旨を伝えるとセラはパーティー募集してやると言ってくれた。もう。セラに足向けて寝られんな。
こうして俺は、冒険者になった。正直未知の職業すぎてうまくやっていけるか不安だが、二度目の人生なんだあまり気にしすぎずに楽しく生きていこう。決意を新たにし俺は、簡単なクエストを受けに掲示板へ向かった。