1 俺には異世界に行くしか選択肢がない
目が覚めたら真っ暗な部屋にいた。
眠る前の事は覚えている。
毎日,朝早く仕事に行き帰るのはいつも日付の代わりかけた時間
そんな生活を続けていくうちに体に限界がきたんだ。
俺は......死んだんだろうな死んだんだろうな。
......うん、もう終わったことだ、今の状況を整理しよう。
俺は斎藤 始28歳 性別は男、彼女はいたことない。言い訳みたいに聞こえるかもしれないが、仕事が忙しくて時間がなかっただけだ。
今、俺は真っ暗な部屋にいる。もっと正確に伝えるなら部屋は暗いんだが俺の回りは普通に見ることができる。よくわからんが自分の体が発光してる感じだな。あとは何もない。何かあるかもしれないが見ることができないし触れるものもない。どうするかな。
「聞こえますか?」
誰かの声が聞こえた。わけもわからずここにいる俺の不安を打ち消してくれるような温かい声だった。俺は悩むことなく、その声に返答した。
「ああ、聞こえるよ」
「よかった。目覚めるのが遅かったので魂が欠けているのかと思いましたが考えすぎでしたね」
目の前に少女がいた。身長150cmくらいの銀髪の女の子だった。
「さて、あなたは今自分の置かれている状況を理解していない、そうですよね」
「目が覚めたらここにいて、何がなんだかさっぱりだな」
「では、説明しましょう。ここは魂の還る場所、全ての魂はここ還り新しく生まれ変わります。本来ならあなたも生まれ変わるのですが、あなたには今の魂のまま異世界に行ってほしいんです」
「行ってほしい? 何かあるのか?」
「はい。本来、すべての世界に存在する生物はその役目を終えると魂はこの場所へと還ってきます。ですが、あなたに行ってほしいその世界では還ってこない魂が存在するのです。今は小さな問題なのですが、このままにしておくわけにもいかないのであなたにその原因を突き止め、解決してほしいのです」
つまり、異世界に行って魂が戻ってこない問題を解決しろってことか。異世界ってのは魅力的だが、どうするかな。異世界って言っときながら、今と似た世界ならあんまり行きたいと思わないんだよな。もう少し詳しく聞く必要があるな。
「異世界ってのはどんな世界なんだ?」
「興味あるんですね!」
「あるよ。だから教えてくれ」
「はい! あなたの世界にある剣と魔法が出てくるゲームの世界だと思ってもらえばといいかと」
「…具体的に言うと?」
「Sk〇ri〇」
「よし、準備は出来てる。いつでもいいぞ」
俺は、異世界に行くことにした。あんなことを聞いて異世界に行かない、なんて選択をする奴はいないだろう。夢の世界じゃないか。あ、でもその世界に可愛い女の子はいるのかな?。流石にいると信じたい。
俺は、もう少し詳しく話を聞くことにした。その世界で俺は自由に生きていいらしい。
魂の問題に関しては、
「魂が還ってこない問題は急がなくてもいいので、お願いしますね。仮にあなたが問題を解決せず、死んでしまったとしてもあなたの魂を生まれ変わらせてもう一度お願いするので、あまり気負わなくていいですよ」
と言われた。俺、完全に捕らわれてるよね。解決するまで開放しない鉄の意志を感じる。
これからのことについて、一通り話を聞き終えた。そろそろ旅立つ時間だ。
「それでは、あなたを異世界に送り出します。大変だと思いますが、お願いします」
「できる限りのことはするよ」
俺の体は、光に包まれた。暖かい光だった。目の前が光ると同時に、俺の意識は途絶えた。
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