第8話 ショタコン登場!?
誤字報告いつもありがとうございます。
うはー! やっぱり美人さんに鼓舞してもらうと漲って来るよね! これは毎日無事に戻ってきて顔を見ないといけない気がするぜ!
「そういえばフローライトよ、ダンジョンを出る時に初心者狩りで悪評のある例の2人組が、俺達と一緒にいるショウを見て舌打ちしていきやがったんだよな… もしかしたら狙っているのかもしれないぞ。ギルマスにも注意するよう伝えておいてくれないか」
「本当なの? わかったわ、何かしら手を打つよう伝えておくね」
「おう、頼むぜ。ダンジョンで成り立っているこの街で、冒険者による悪質な犯罪が起きたとなれば俺達にも影響が出るからな。なんだったら難癖付けて捕縛しちまえって言ってやれよ」
「あはははは! でもギルドがそれをやったらダメでしょう。じゃあ早速伝えてくるわね」
ふむふむ、名前は知らないがさっきの2人組… 相当あくどいみたいだな。まぁ普通にダンジョンを出入りしているって事は、噂や嫌疑はあるけど証拠を掴ませていないって事なのかね… どんだけ強いのか知らんけど、俺なんかじゃ普通に太刀打ちできないよな。まぁ大人しく従うフリして不意打ちで次元断を使えばワンチャンあるかもだけど、次元断だと必ずどこか斬れてしまいそうだからな… 手加減が出来ないっていうのはそういう時には問題かもしれない。
フローライトさんがいなくなっても食事は進み、山盛りだった肉は綺麗さっぱりと食べきってしまっていた… どこにあれだけ入ったんだか。
「いやぁ食った食った、やっぱり腹が減ると力が出ないよな! 坊主も食い物だけは下手に切り詰めるなよ? 食べないと対処できたはずの事だって失敗する事もあるんだからな?」
「はいっ! 今日はご馳走様でした、こんなに腹一杯食べられたの… もしかしたら初めてかもしれません!」
「そうか、お前もこれからいっぱい稼げるようになって、新たに冒険者になる後輩共にいつかは奢ってやるんだぞ?」
「わかりました!」
フォーカラットのみんなと別れていつも野宿をしている場所に行く、いやぁホント、皆良い人なんだよな! 不遇職である結界師だっていうのに馬鹿にしてこないし、むしろ心配してくれている。
まぁ俺みたいな孤児院出身の子供がダンジョンで死んだとなれば、良い話じゃないのは確かだけど行動できる人っていうのはなかなかいないもんな。実際俺が結界師だという事でダンジョンに入り始めて3日経ったけど、声をかけてくる人ってアゲートさんしかいなかったもんな。
「よーし! 期待されてるわけじゃないんだろうけど、せめて死なないように… 毎日無事に帰ってくる事を優先的に頑張るぞ!」
大人では入って来れない狭い隙間に潜り込み、隠しておいたボロ布を体に巻いて寝転ぶ。
早く宿のベッドで寝たいな… 本当に秋までには何とかしないと凍死しそうだし、明日もゴブリンリーダーを相手に訓練して、4階層に行けるようにしなきゃ。
─冒険者ギルド内─
「……という話をフォーカラットの4人がしていましたので報告します」
「ふむ、もしかしたら逆にあいつらの尻尾を掴むいい機会かもしれんって事だな。その結界師の少年をさりげなくマークしていれば証拠を押さえられると…」
「ギルマス、それはショウ君を囮にするという事ですか? まだ12歳の子供を」
「囮にするといえば聞こえは悪いが、まぁ内容としてはそういう事になるな。だが少年に何かがあるといけないから見張り兼護衛をつけないとな… まぁすぐにでも手を打つさ、あの2人組はギルドにとっても災厄そのものだからな」
「災厄と言うにはセコい連中ですけどね」
「まぁそう言うな、そのセコい連中相手に踊らされているのはギルドの方だからな… だが、今回の事はいいきっかけになるかもしれないな。よし、護衛には俺の嫁の妹を差し向けるか」
「ええ? 奥さんの妹って… Aランク冒険者のですか?」
「ああ、アイツなら間違っても負ける事はないだろうし、それに2人組が動くのなら早い内だと思うしな。未来ある若者の護衛であり、その芽を摘もうとしている悪党が相手となればやる気を出してくれるさ。それこそ無償で働いてくれるって」
「身内の使い方…」
SIDE:オニキス
今日は急なことだけど仕事が入ってきた。正確には昨日の夜だけど… 姉さんの旦那であるギルドマスターから直々の依頼だった、それも個人的な。
なんでも悪い噂の絶えない悪党2人組… ヘソナイトとヘマタイトが最近ダンジョンに潜るようになった12歳の少年にその毒牙を向けようとしているとか。
なんてやつだ! 12歳の少年なんて大人と子供のちょうど境目くらい、愛でるにはまさに絶好のお年頃! 仕事とはいえ堂々とショタを愛でられる仕事が来るなんて何という…! いやいや、そうじゃないのよ。私の役目はそんな少年、ショウ君を影から護衛し、迫り来るであろう悪党を成敗する事!
そうすれば… ショウ君はきっと私に感謝をしてくれるはずだ! なんだったら私が今度面倒を見てもいいしね!
ま、そこは顔を見てからだけど。
夜が明け、ダンジョンの入り口にて私だと分からないように変装して待つ。なんというか、私はこれでもAランクの冒険者であり、授かった加護は『シノビ』であるから隠密行動はお手の物なのよね。
「さてさて、どの子がショウ君かしら。12歳の割には小柄であり、結界師であるからかパーティを組まないでソロ活動をしているからすぐに分かるという事だけど… あ、あの子! 確かに幼い感じがするわね、しかも1人のようだし…」
1人でダンジョン目がけて歩いてくる少年… 全然栄養が足りていなかったのか、10歳だと言われれば納得してしまいそうな程背も低い。しかも…!?
「かっ、可愛いじゃない! まさにあどけなさがこれほど残っているのに、これで12歳とはある意味詐欺! あっと涎が」
落ち着こうじゃないか、そう落ち着きなさいオニキスよ。
これは良いんじゃないかしら… 膝の上に座らせてたくさんご飯を食べさせる。いっぱい甘やかしてあげたくなるわ! あれだけ小柄だったらまだしばらく少年の姿のまま、仮に青年と言われるまで育ったとしてもあの顔つきであれば、童顔のまま成長してくれるかも? まさにショタコンである自分にとっては救いの神のような存在…
私ももう23歳、そろそろいい加減嫁に行くなり婿を取るなりしないといけない年頃。
しかし10歳も歳の差があるのか… これはセーフよね! これは義兄に感謝をしなくてはいけないわね、こんな良い仕事を回してくれるなんて。
これは期待に応えつつショタをゲットするしかないわね! さぁ! ショウ君の後を付いていくわよ!