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第77話  ご対面!

誤字報告いつもありがとうございます。

 買い食いから宿に戻るとオニキスさんとメラナイトさんが困った顔をして話し込んでいた…


「ただ今戻りました… 何かありました?」

「ああショウ君、お帰りなさい。何やら面倒な事になってきているのよね…」

「ええ?」


 面倒って何だろうか…? オニキスさんの嫌そうな顔が全てを物語っているんだと思うけど、さすがに内容が分からないと判断はつかないんだけど。


「来ちゃったらしいのよ… 帝国皇帝が」

「ふぇ!?」

「しかもどういうわけかルビー殿下まで。明日の朝、ギルドで話がしたいと通達が来たのよね… もちろん断れないやつ」

「うへぇ、それはまた俺にはハードルが高すぎますね」

「ん? 今『俺』って言った?」

「あ、はい。『ぼく』ですね」

「そうそう。そういったわけで明日は朝一からダンジョンという予定は崩れたわね。朝から皇帝陛下にヒスイ皇女、アズライト王国からはルビー殿下にパイロープ子爵… ああパイロープ子爵というのは今回王都から遣わされた使者の役目を務めている者ね。この面々とご挨拶という事になるわ」

「帰って良いですか?」

「主役が帰ってどうするのよ?」


 なんてこったい! 使者が来たんならそこで話は終わったんじゃないの? そしてなんでルビー殿下まで来てるの?

 せっかく貴族絡みのアレコレを回避するためにダンジョンに直行してきたというのに、どうしてわざわざこっちに来るんだよ。本当に貴族というのは暇人なのだろうか… という疑惑は深まる一方だね。


「まぁ一応緊急事態の対応をしている訳だし、それほど長くはならないですよね? ダンジョンに行かなくちゃって言えばきっとすぐに開放してくれますよ」

「そうだと良いわねぇ…」

「そうでなきゃ困ります!」


 まったくもう! こっちは早々に片付けてジェードの街に帰りたいんだから、余計な手間は増やさないで欲しいよね!


 しかし昨日と今日で、ダンジョンに長期間潜るための準備は整え終わっている。俺… いや、ぼくだってダンジョン探索に備えて果物を使ったパイなんかを買い占めてきてるんだから、今更予定変更なんてできないよね。

 さすがに帝国側も、依頼をしたという立場上ダンジョンに入るという事を引き留めたりはしないと思うが、貴族の… というか皇族の人にとってそれがどこまで重要かってところか。まぁスタンピードが起こるかもという状況でそれはないか。


「とりあえず私達は予定通りに動きましょう。今日は早めに寝て、明日からのダンジョンアタックに備えて気力と体力の充実をする事。皇帝陛下との話し合いでどちらも急速に消耗すると思われるから、特に備えておかないとダメね」

「そうですね… 嫌ですけど。すごい嫌ですけど」

「まぁ気持ちは分かるわ、私もフォローするから気合を入れて乗り切りましょう! さすがに皇帝陛下ともなれば、何日も城を空けられるほど暇ではないはずよ。挨拶だというのであればすぐに終わるわ… 多分」

「はぁ…」


 買い食い行く前は物凄くテンションが上がったんだけど、それらを振り切ってマイナスまで下がったこのテンション… どうしてくれようか。まぁ仕方がない、一生懸命急いでますアピールをして、魔物の間引きでスタンピード阻止のために頑張ってますと言うしかないね。


 オニキスさんの言う通り、明日は朝から気力も体力も削げ落とされると思うから今日は早いけどもう寝てしまおう。明日は明日の風が吹くさ!



 そして迎えた翌日、昨日早寝したせいか夜明け前に目が覚めてしまったんだけど… なんと! オニキスさんとメラナイトさんが両サイドに寝てるではないですか! これはおかしい… 確か寝た時は1人用のベッドに入ったはずだ、しかし今はどう見てもダブルベッドで… というか寝る時にいた部屋じゃない!? 一体いつの間に部屋から連れ出されたんだろうか不思議だ。これはアレか? オニキスさんの『シノビ』スキルで何かされた?


 まぁ今更どうこう言っても仕方がないか、とりあえず温かくて柔らかいとだけ言っておこう。


 2人を起こさないよう気をつけながら脱走を試みたが、あえなくオニキスさんに見つかってしまい抱きかかえられて頭をしこたま撫でられた。メラナイトさんもどうやら目が覚めたようで、ひたすら撫でられている俺を見ながらニコニコしつつ、朝食の準備があるとベッドから出ていった。


 うん、なんか朝から大変だったね。


 そして朝食を済ませ、嫌々ながらに支度を整えギルドに向けて宿を出た。ああ例の坊ちゃん服は着てないよ! なんといってもご挨拶とやらが終わったらダンジョンに入るからね!


 宿から歩いて数分、ギルドへと到着。しかしこんな朝早くに皇族が来るんだろうか? 朝はのんびりと寝てるんじゃないのか? もういっその事来なければいいのになんて思っていましたが…


「お、来たな。応接室にて陛下がお待ちだ、ついてきてくれ」


 ギルド職員… というか、多分この人ギルドマスターなんじゃないかな。まぁこちらも紹介されていないからスルーで良いと思うけど、くっ! もう来てるのか!

 案内されて辿り着いた部屋… 男性職員なのかギルドマスターなのかは不明だけど、その人が扉をノックして到着の旨を伝えている。中から扉が開けられ、応接室に入っていくと…


「あ、久しぶりだねショウ。ここに座ってちょうだい」


 ヒスイ皇女殿下がいた。


 そして部屋の中を見渡すと、3~40代だと思われるイケメンおじさんと護衛らしき騎士が2名、そしてルビー王女殿下に見覚えのある護衛と侍女。そして全く見覚えのない中年男性がルビー殿下の後ろにいるな。

 ……ん? ルビー殿下も護衛の人も俺の顔を見て固まっているぞ? なんだよ失礼だな! って、良く見たらオニキスさんとメラナイトさんはイケおじの顔を見て固まっている? どうなってんだ?


「いやぁ初めて見た時から思っていたけど、こうして見比べてみると一目瞭然だね。うん、父上とそっくりだよ」

「ふぇ? 誰と誰ですか?」

「ショウと父上… エメラルド帝国の皇帝陛下とだよ」


 はぁ? 何を言っているんだ? 俺とこのイケおじが似てるって? とてもそうは思えないけどなぁ… まぁ俺自身自分の顔ってあまり良く見た事無いからアレだけど。


 そして言われた通りに対面の座席に座る。なぜかオニキスさんとメラナイトさんは俺の後ろに立ち、座ろうとはしていない… 解せぬ。


「ふむ、そちが噂の結界師、ショウか」

「あ、はい」

明日も投稿します┏oペコッ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 ヒスイ王女など帝国側は多少なりとも身内贔屓的なフィルターはゼロではないとして、ルビー王女やオニキスさん達が陛下とショウを見比べて固まる=ホントに似ているってことなんで…
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