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第69話  ゲッキョウダンジョンに突撃だ!

誤字報告いつもありがとうございます。

 朝だー!

 昨日は早寝したから目覚めはばっちりだ、これなら朝からダンジョン探索… いや間引きだっけ、結構頑張れるんじゃないかと思うよ!


 次元断を撃つための消費魔力は大したことは無いからいいとして、大漁に狩る事がメインとなると間合いを図るために動き回らないといけないからねぇ… なんなら2枚張りで両方とも次元断しちゃうよ?

 やっぱりオニキスさんが一緒に戦ってくれるというのが心強い、俺1人だと魔物の勢いに飲まれてしまいそうだけど、オニキスさんが魔物の気を引いてくれるだけで安全度は爆上がりだ。まぁ間違ってオニキスさんに次元断を当ててしまわないよう気をつけないとね。


「用意は良いかしら? 良ければ早速ダンジョンに行くわよ。少量の群れならショウ君が直接討伐し、手が余るようになってくれば私がヘイトを取るわ。メイトは討伐数の記録と魔石の確保をお願いね」


 うん、メイトさん… メラナイトさんもダンジョン内に同行する事になってるんだけど、オニキスさんが普通に当てにしているところを見ると結構強い人なのかな? 確かに身のこなしはただ者じゃないとは思っていたけれど… 主に掃除の時とかね。


 まぁアレだ、貴族とかに挨拶する暇があるんなら少しでも多く狩れよって話だね。俺もその意見には賛成だし、貴族の相手とかぶっちゃけ嫌だから。どうせ平民だの孤児だの結界師だの言ってくるんだろ? ふざけんなっての!

 そんな訳でオニキスさんと打ち合わせした結果、さっさとダンジョンに行って狩りまくろうという事になったんだ。昨日の内に5~6日分の食料は確保したとの事で、それくらいは潜っても良いんじゃないかと… まぁ長期に渡って太陽を拝めないのはアレだけど、貴族の顔を見るよりは遥かにマシだね!


「よし、じゃあ行きましょう!」

「私も精一杯サポートするから頑張るのよ、残念ながら攻撃力って言われると私もそれほどではないからショウ君頼りになってしまうわ」

「メラナイトさんは大丈夫なんですか? 今更ですけど」

「彼女なら大丈夫よ、俊敏な動きは得意中の得意だし、何よりも逃げ足に関しては私でも追いつかない程よ」

「そ、そうなんですか… 大丈夫ならいいんです」


 振り返ってみるとメラナイトさんはニッコリと微笑んでいる… うん、きっと大丈夫なんだろう。まぁメラナイトさんがいるだけで野営食が美味しくなるから俺としても大歓迎だしね! そんな訳で宿屋を出てダンジョンに出発だ!



 オニキスさんが先頭に立ち、そのまま町を出てダンジョンへと向かう。ダンジョンでは一般冒険者の出入りは規制されているらしく、いかにも軍人という者が出入り口を塞いでいた。


「緊急事態につきダンジョンへの出入りが制限されている、指示書が無い者は入れる事は出来ない」

「これがエメラルド帝国皇帝からの依頼状よ、確認してちょうだい」

「皇帝陛下からの依頼状? という事はアズライト王国の冒険者か?」

「そうよ。昨日到着して休養し、今日から魔物の間引きを始めるわ」

「うむ、確認した。入るのは3名で間違いないか? 代表者の名をこちらに記してもらいたい」


 なぜかリーダーは俺という事になっているので、代表者として出入り名簿らしき物に名を記す… ショウ、他2名と。

 なんだか出入りの業者みたいな記帳だな、でもこれだけ管理しなきゃいけないほどダンジョンに入っても戻ってこないやつが多いんだろう。


「ショウ、お前が… いや、君が隣国で噂になっている結界師なのだな? それにしてもよく似ておられる…」

「?」


 なんだか急に言葉遣いが変わった気がするし、敵意のかけらもないような顔で見られているんだが… どういうこった?


「じゃあ行くわよ、まずは連携を確認しながら低階層を進み、少しづつ降りていく感じになるわ。ショウ君は攻撃する時だけ声を上げてちょうだい」

「分かりました、一応かなりの精度で狙えるから同士討ちは無いと思いますが、意思疎通は大事ですもんね」

「そうよ、分かってるじゃない」


 なぜか頭を撫でられながらダンジョンへと入っていくのだった。






 SIDE:アズライト王国、使者


「ふむ、さすがは帝国と言ったところか… 貴賓室の調度品も趣が深いというべきか、華美になり過ぎない感じが好ましいな」

「そうですね、昨夜の食事も上質な物でしたし、満足のいくものだったと言わざるを得ませんね」

「うむ。ダンジョンに向かう前の休養であったが、これならもう数泊しても良いんじゃないか?」

「それは賛成… と、言いたいところですがパイロープ子爵、まずは王命を先に済ませる方が良いかと存じます」

「むぅ… 王命とはいえ来るのは結界師なのだろう? しかも平民ときた。そんな者に子爵である私が合わせる事もあるまい、多少の戦闘は出来るようだが所詮無能な結界師… ただの不遇者ではないか」

「しかしパイロープ子爵、私は記録官として子爵の行動も正確に報告しなければいけませんが?」

「ふんっ、お前の言いたい事は分かっておるぞ。仕方のない奴だ… 今は出先故大して持ち合わせは少ないが、戻った時にもう少し色を付けてやろう」


 ま、金貨だってそこそこ持っては来ているのだがな、これから滞在中に使う事を考えればあまり多くを握らせてやるのももったいない… まぁ金貨10枚くらいで良いだろう。


「おやおやこれは… なんだか催促したみたいで申し訳ありませんね」

「何を言うか、催促しておるだろうに。まぁどの道我らは結界師の小僧が馬車馬のように働く様子を見るだけだ、多少ゆっくりしたところで害などあるまい」

「ええ、その通りでございます」


 金貨10枚を握らせると記録官は下がっていった。そして改めて帝国皇城の造りを眺める…


「ふむ、築城の技術はこちらの方が上か? 出来れば色々と見て回り、我が領の城にも活かしたいものだな」


 貴賓室をくまなく見て回っていたが、やはり小さな部屋ではすぐに見終わってしまう。連泊すると決めたのだから時間は十分、そろそろ護衛を連れて城下町でも見に行ってやろうか。もちろん色街の視察も重要な問題だから外すわけにはいかん、特に重点的に調べないとな!


 こうしてすでに日は高く昇っているが朝食を頂き、街へと繰り出すのだった。

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