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第5話  二度目の換金

誤字報告いつもありがとうございます。

「ふぃ~そろそろ良い時間かな、腹も減ったし町に帰るとするか」


 いやーしかし、今日は実りの多い日だったな。まさかゴブリン程度に破られる貧弱な結界にあんな使い方が出来たなんて。

 何回も試してみた結果、どうやら魔物の体内を通して出現した結界はそこにあった物を切断して出てくる事が分かった。もちろん被検体がゴブリンのみだから強度の方は良く分からんが、現状それが分かっただけで十分な情報だ。


 そして結界が張れる最長距離… まぁ射程と言ってもいいな。これは俺自身から大体1.5メートルほどしか無く、まぁ短いと言えば短いけれど切り札となるんだったらそれも十分だと思っている。

 そして同時に張れる結界が2枚という事で、自分の目の前に2枚目を張れば… ゴブリンからの返り血も防げるという事も分かった! 最初に気づけよ!

 結界を張る消費魔力が少ない事から、検証と称して結局40体ものゴブリンを狩ってしまった。とりあえず設定したノルマは余裕で達成だな。


「ふっふっふ、今日は串肉2本買っちゃおうかな~、そんな気分だぜ」


 そして今日戦いながら考えた。

 とどめを刺せる手札があるんだったら1階層じゃなくても良いんじゃないか? ってね。ああ、これは慢心じゃなく安全確保をしながらの限度が上がったんじゃないかって事ね。


 そんな訳で明日は2階層に行ってみようかと思っているのだ。

 2階層ではゴブリンの中でも中位に当たるゴブリンリーダーと、極稀にホブゴブリンが出ると言われている。もちろん1階層に出てくる雑魚ゴブリンとは強さが全然違うらしいが、単体でうろつくはぐれをメインにやっていけば何とかなるんじゃないかと… ちなみにゴブリンリーダーの魔石は30ギルで、ホブゴブリンは50ギル。それ以降の階層で出てくるゴブリンアーチャー、ナイト、シャーマンは80ギルで、ゴブリンの亜種と言われているレッドキャップはなんと100ギル! そしてゴブリンのボスであるゴブリンキングは200ギルだ。


 早く強くなりたいもんだ、そうすれば稼ぎも良くなって宿に泊まれるようになり冒険者登録も出来るようになる。

 それにちゃんと自分のレベルも知りたいしな、前にレベルを計ってもらったのは教会で施された簡易鑑定だったから正確じゃない可能性だってある。レベルは3のはずだけど、実はもう少し上がってたりしてな!



 色々と妄想しながら歩いていたらギルドに到着していた。

 しかし…


 いやぁやっぱり夕方はえらい混んでるなぁ、でも換金しないと晩飯が… まぁ貯蓄していた小遣いを使えばいいんだろうけど。


「おう坊主、今戻りか」

「ふぇ?」


 呼びかけられて振り向くと、筋肉ムキムキの20代半ばくらいの兄ちゃんがニコニコしながら後ろに立っていた。


「坊主、お前は結界師だったな… それでもここに並んでいるって事はダンジョンに入ったって事だよな? 大丈夫なのか?」

「あ、はい。ゴブリン程度ならなんとかなりますんで」

「そうか… まぁ金が無くては生きていけないが、死んでしまってはお終いだからな? 無理すんじゃねーぞ?」

「もちろんです!」


 おおお、ゴツイ兄ちゃんだけど実は良い人なのか? だが大丈夫だぜ! 俺だって死にたくないからね!


 このゴツイ兄ちゃんはアゲートさんといい、4人パーティでダンジョンアタックをしているんだそうだ。最高で20階層まで進んでいるんだって、でも20階層のボス… オークリーダーが倒せなくて攻めあぐねているそうだ。


「でもよ、15階層から20階層までの間はオークしか出ないからよ、ドロップが魔石だけじゃなくて肉もあるんだよ。自分で食っても良いし売ってもそこそこ稼げるんだ、だから今はそこで狩りをしつつ資金を貯めて、武器を新調してから再挑戦って感じだな」

「そうなんですか~、俺も明日からは2階層に行こうと思っていて、やっぱりもう少しリーチのある武器が欲しいですからね」

「リーチを求めるなら槍が一番だが、長くなるとそれなりに重くなってくる。お前の細腕じゃ厳しそうだよな」

「それもそうですよね… うーん難しい」

「まぁアレだ、雑魚狩りばかりでも腐らずに続けて行けばレベルも上がるだろうし、筋力がついてから考えればいいぜ」

「そうですね、ありがとうございます!」

「おう、いいってことよ」


 お喋りをしながらだったからか、長い行列だったけど自分の番が来たようだ。


「あら、確かショウ君だったわよね。怪我はしてない?」

「はい大丈夫です! 今日はこれをお願いします!」


 今日は昨日と違う受付さんだな… 昨日の人は隣の列だったか。

 昨日の人もそうだったけど、やっぱり受付嬢って顔で決めてるんかね? 綺麗な人なんだよなぁ。


「今日は結構討伐したのね、40個… 確かに受け取ったわ。じゃあ報酬の400ギルね」

「ありがとうございます!」


 ふぅ、やっぱり綺麗なお姉さんと喋るとテンション上がるな! 昨日の人と違って喋り方がフランクだし、ノリが良いって雰囲気が良い感じだね。気分が良いから予定通り串肉2本で晩餐だな!




 翌日、早朝から予定通り2階層へと向かって歩き出す。5階層までの地図はギルドで無料配布されているので順路はばっちりだが、縮尺が曖昧だしかなりいい加減な作りになっているので信用しすぎるのはダメなんだな。あくまでも参考程度にしておかないと。


「さぁさぁ! 今日も頑張って稼ぎましょうか! レベルも上がればラッキーだしな!」


 口に出して今日も自分を鼓舞してみるが、まぁゴブリン程度じゃ経験値も少ないからそうそうレベルなんて上がらないんだけどな…


 2階層に行くまでの順路には、俺と同様神託を受けたばかりのルーキーパーティが結構前を歩いている。なのでぶっちゃけかなり安全に移動で来ているんだよね、まぁ他の奴らは俺の事を知っているはずだから寄生とか思っているかもしれないけどね… そう、子供の純粋ってやつはいつだって残酷に出来ているからな。

 それが分かっているから少年少女のパーティには近づかないようにして階段を目指す。



「2階層到着! さて… 人気の無い脇道で仕事を始めますかね」

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