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第42話  新たな心配事

誤字報告いつもありがとうございます。

「全くお前って奴は… いいか、良く聞け。俺は実際にお前が戦い、スキルを使っているところを見てるからはっきりと言えるんだが… 遠距離攻撃ができて近距離では破格の攻撃力、これを見て使えないなんていう奴はいないと思うぞ? しかも同じようにスキルを確認したギルド職員が王都に帰り報告してるんだ、すぐにでも結界師の取り合いが始まるかもしれん」

「そうは言いますが、多分これは俺のオリジナルだと思うからいきなり他の結界師が同じ事を出来るかというと…」

「そう思うだろう? しかし今、お前は結界師がダンジョンでも稼げるよう鍛えようとしているじゃないか。先駆者となるお前が設立した訓練場… 他の目から見たら金になると思わないか? お前のように破格の攻撃力を持つ結界師が量産できるんじゃないかって」

「はぁ…」


 そうかなぁ? ギルドマスターの考えすぎだと思うんだけど… でもまぁあり得ない事ではないのか。今の口ぶりから考えると… 俺が結界師専用の訓練場を作ったら、偉そうな商人とか小物貴族とかが乗っ取りに来るかもしれないって事だよな。

 もしそうだとするなら訓練の費用で稼ぐ? いやいや、金持ちな結界師が多いとは限らないよな。つまり育成後の結界師を商品にするって事か? それはちょっと許せないな…


「分かったか? つまりだ、お前が作ろうとしている訓練場をアホ共から守れるよう後ろ盾が必要になる訳だ。その後ろ盾… まぁ恐らく複数になるかと思うが、その一つとして冒険者ギルドも関わろうと思うんだ。それについてはどう思う?」

「えっと…」


 後ろ盾かぁ… でもそういったものを組織してしまうと、後ろ盾にも利益が無いといけないんじゃないかな。さすがに何の儲けも無いのに守ってくれるだけなんてないよな…


「その後ろ盾になった人達に、俺は何をすればいいんですか? タダで守ってやるだなんて言いませんよね?」

「その通りだな、確かにギルドとしてはそれでもいいんだが貴族家をつけるとなると、ある意味護衛料というものが発生する。それが何になるかは話し合いをしてからじゃないと分からないな」

「おうふ。でもそれじゃあ現状では何とも言えないですよね」

「まぁそうだな。今はただそんな事がある、そして先ほどのような貴族もいるという事を覚えておけばいい。多分オニキスの奴が色々と相談に乗ってくれると思うから、気になった事があったら聞いてみるが良い」

「分かりました」



 そんな事があり考える事が増えてしまった。

 ただ結界師にも活躍の場というか、結界師だというだけで差別されたりすることが無くなればいいなって思っていただけなんだけど、どうにも大事になってしまう雰囲気だな。


 まぁでもアレか、俺の次元断がそこまで言われるほどの威力だったっていう事は素直に嬉しいね。確かにウリボアだって一撃で両断しようとすれば、腰を据えて斬り込まないと斬れないだろうし、あの突進を正面から受けて立つなんてなかなかに恐ろしいもんな。


「よし! 自分を鍛えるのも大事だけど、そろそろ訓練場の運営についても考えていかなきゃいけないって事だよな。そうとなれば帰って考えをまとめてしまおうか」


 多分ギルドマスターは、やるなら徹底的にやれって事を言いたかったんだと思う。中途半端にやっているとすぐにでも乗っ取られたりするかもしれないと…

 徹底的にやるって事は利益にもつなげなければいけないから、間違いなく即戦力となるよう育成しないとダメだって事だ。目玉になるのは次元断による攻撃力だろうからね


 つまり、次元断や気円斬だけを教えるだけじゃ足りないって事だよな。火力として求められるようになるんだったら、それなりな深層に行けなければ意味が無い。つまり基礎体力とか基本的な立ち回りとかも指導に組み込まなければと… 無理じゃね? だって俺だよ? 確かに小さい頃に孤児院卒の兄ちゃん方に教えてもらったけどさ、それとこれとは違うんじゃないかな。



「そんな事? 多分そういった事はギルドがやるんだと思うわよ、ギルドが後ろにつくって事はそういった役割を担っても良いって想定しているだろうから。それにもしも誰もいないんだったら、女将になる予定の私がやればいいだけでしょう?」


 帰ってきたオニキスさんに聞いてみると、こうもあっさりと答えられてしまった。女将さんは決定なのか… せめて指導員とか師匠とかそんな感じじゃダメですか? そうですか。


「ギルドとしても決定力のある冒険者が増える事は歓迎する事だし、ダンジョン攻略に貢献してくれて深層の素材を持ち帰ってくれるだけで利益になるの。ショウ君の案に乗るには十分な理由があるのよ」

「そうなんですか。じゃあ仮に貴族とかがバックについたとしたら何を求められると思います?」

「そうね… まぁそれこそギルドと同じで深層の素材でも十分だと思うし、貴族家の戦力として結界師を集め、それらの育成を頼まれる可能性もあるわね。

 現状あの次元断はショウ君にしか使えないと思う技だから、スパイとかの警戒もした方が良くなるわね」

「うへぇ面倒臭いですね… でもそうか、とっかかりだけでも知る事が出来れば工夫も出来ますからね。つまり、人員の募集は適当ではダメだって事ですね」

「そうなるわね。まぁそこら辺はもう少し考えていても良いと思うわ、訓練場を開くための土地については実家を通してガーネット子爵に圧力?… いえ、お願いしているからそろそろ認可が出ると思うのよ。もう少し待っていてね」

「えっと… その、ほどほどでお願いします」


 今圧力をって言いかけたよね? でもそこを突っ込んではいけないって俺の本能が全力で叫んでいるのでスルーしてしまったが… うん、藪は突かない方が賢明だと思うよ。


 でもそうか、そろそろ認可がでるんだ… 俺の俺による結界師のための訓練場、なんか格好良い名前を考えなきゃいけないな! ネーミングセンスは全く無いけど少しでもまともな名前を考えよう!



 しかしアレだな… オニキスさんの話もそうだけど、ギルドは俺の考えた訓練場の事をどれだけ大きくするつもりなんだろう。貴族やら商人やら俺はとてもじゃないけど関わりたくないんだけどな… それにしても圧倒的な攻撃力か、考えてみたら他の職のスキルって満足に見た事無いんだよな… それこそ同世代のアイオ達のくらいしか…

 ちょっとそこら辺も詳しく知っておいた方が良いのかもしれないな。

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― 新着の感想 ―
主人公の前世って小中学生だったのかな?
[一言] (*ゝω・*)つ★★★★★
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