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閑話その1

本編とはあまり関係はありません\(^o^)/

「ショウ君! 今日はクリスマスパーティをしようと思うんだけど… 当然君も来るよね?」

「ふぇ!?」


 ギルドに入ると即座に現れたフローライトさんにそう告げられる… いやでもクリスマスパーティ? そんな習慣がこの世界にあったっけ?


「細かい事は良いのよ! 要は年に1回だけのお楽しみって事で食事をしながら楽しみましょう?」

「そ、そうですか… まぁ美味しい物が食べられるなら参加したいと思います」

「よし! じゃあパーティは今夜ギルドの受付が終了してからだから、その前に一つお願いがあるんだけど聞いてくれる?」

「なんでしょう?」

「実はね、本当は私とショウ君の2人だけでやるつもりだったんだけどオニキスさんにバレちゃってね… 他にもギルマスとダイヤ… あ、ダイヤってこの娘ね。いつも私と並んで受付にいるから顔は知ってるでしょう?」

「ええまぁ、確かに名前は初めて聞きましたが」

「で、ギルマスとダイヤは連れ合いがいるから総勢7名になってしまったのよ。それで食材が少し足りなくなってしまって… それでね、今日昼くらいまでにブラッドウルフとウリボア、クレイジーチャボの食材を集めてもらいたいのよ」

「それは構いませんけどクレイジーチャボ?」

「あれ、知らない? 8階層から出てくる鳥系の魔物なんだけど、肉がとても美味しくて稀に卵もドロップするのよ。ただクレイジーチャボというのは非常に耐久力が高くて、味も価値も高いのに狩場としての人気度は低いのよね… でもショウ君のスキルならクレイジーチャボだって一撃でしょう? そこを見込んでお願いしたいのよね」

「そうですか… 美味しい食材といわれたら断ることはできませんね! 引き受けましょう!」

「さすがショウ君! 期待の新人結界師! 出来れば昼頃までには持ち込んでね、調理の都合があるから」

「分かりました!」


 なんとなんと! チャボがいるのかこのダンジョンには! しかも稀に卵がドロップだと? これは乱獲するしかないよね! しかし卵かぁ… 自然の物だと菌が怖いけどダンジョン産だとどうなるんだ? 生でもいけるのかな? いやぁ楽しみだね!


 よし、今日は早速8階層を目指していってみよう!





「行ったか…」

「行きましたね、それはもう嬉しそうに」

「まぁ孤児院出身だからな、美味しい食材と聞けば心も踊ってしまうのは仕方がない。じゃあ俺は準備の方に取り掛かるが… 本当にお前達だけでギルドを回せるのか?」

「ちょっとギルマス! 少しは私達を信用したって良いじゃないですか!」

「そうですよ、今日くらいは事件なんて起きませんって。それよりも準備の方をお願いしますね」

「ああ分かった、手抜きをするとオニキスの奴にどんな目に遭わされるか… それを考えたら真面目に取り組む以外の選択肢は無いよな」

「「そ、そうですね」」


 そんなやり取りがあったなんて、当然この時の俺には知る由も無かった…




「オラオラオラオラ! もっともっとぉ~!」


 狩りは順調だ、俺の次元断は防御力と耐久力に優れていると言われているクレイジーチャボが相手でも一撃で両断出来てしまうのだ! さすがは俺の切り札だぜ!


 しかしこの見た目… 赤い鶏冠とさかはともかく、全身の色合いが赤とか黄色とか青色とか信号機かよ! ってくらいクレイジーだったんだよね。名前からしてもっとこう、大暴れするタイプとかバーサーカータイプかと思うじゃない? まさか色合いが狂っているとは思わなかったよ。

 でも… クレイジーでも何でもいい、ドロップするお肉はまさに鶏肉! 鳥の形をしたままドロップするのだ! これがあれば確かにクリスマスの定番だった七面鳥の丸焼きみたいなものが作れるし、胸肉とモモ肉が自分で選べるから料理もしやすい事だろう。


「ぐふふ、これはから揚げ系チートも出番ですか? 作り方は知らないけど!」


 後はアレだ、孤児院にも寄付しないとな。あそこには多くの弟と妹たちがいて、お世話になった先生方がいる。せっかく美味しい食材があるんだからこんな時くらいは稼ぎは度外視で良いよね? 

 よし、じゃあ昼まで全開で狩り尽くそう!


 朝7時くらいからスタートして現在お昼ちょっと過ぎ… もう休みなく探しては狩り、探しては狩りを繰り返しておよそ5時間経ちました。ドロップ品は… お肉12個と卵2個! 魔石が15個という結果になった。お肉と卵は今日はご奉仕という事にして、魔石だけが今日の稼ぎとなるね。まぁ魔石の値段も知らないんだけど、ウリボアと同等かそれ以上だと思うから案外儲かるかもしれないね。


「よし、ギルドに行くとわちゃわちゃしそうだから先に孤児院に行って寄付だけしておこう。お肉は… うーん、5個くらいにしとこうかな? あまり多くても困るだろうしね、卵は2個しかないから1個だけ寄付っと」


 パパっと孤児院まで走っていき、こんなにいらないと断ってくる先生にそれぞれ押し付けてダッシュで帰還。次はギルドだね!



「お帰りなさいショウ君、首尾はどうだった?」

「えっとお肉が7個に卵が1個です、後は魔石が15個ですね」

「ふむ? 魔石が15個? それなのに肉は7個しかドロップしなかったの?」

「それはちょっと… 少しばかり孤児院に寄付してきました」

「そう、それはそれで全然構わないわ。じゃあ依頼したお肉と卵は色を付けて買い取らせてもらうわ、魔石は通常価格だけどね」

「え? 依頼だったんですか? 別にあげてもいいなっておもっていたんですけど」

「そんなことする訳無いじゃない! 新人君を足に使ってなんてギルド職員として恥ずべき行為よ!」

「は、はぁ」


 えらい剣幕で言い詰められ、なんだかなぁと思いながらもお金を受け取った。

 ちなみにお肉が1個500ギルで卵が1000ギル、魔石が180ギルでした。お肉は通常買い取りならば450ギルとの事… しかもクレイジーチャボは俺にとっては非常に相性が良かったため、ウリボアは卒業かもしれないね。





 そんなこんなで日が暮れて、フローライトさんの受付業務が終わる時間に合わせてギルドに向かう。ギルドでフローライトさんとダイヤさんと合流して、2人に連れられてどこかは知らないけどパーティ会場へと向かって行く。


 って! これ、向かう先はオニキスさんの家じゃない? 会場ってそこだったのかよ! ま、まぁでも確かにメイドさんもいるし、料理とかも問題無いんだろうけど… 


 でもクリスマスパーティか、前世の記憶でもそんな事をした記憶って思い出せないんだよね。まぁ思い出せないだけで全くやった事が無いって事は… ないよね?


 受付嬢2人に先導されてオニキスさんの家に入っていく。

 そういえば清楚系美人であるダイヤさん… 連れ合いがいるって言ってたっけ、旦那さんって事なんだよね? そう考えるとフローライトさんって独身なのかな? もう20歳は過ぎているだろうしこんな事をしてる場合じゃないのでは?


「ショウ君? 今何か変な事を考えなかった? そんな気がしたのよね…」

「い、いえ。ご飯が待ち遠しいなって考えてたんですよ!」

「本当かしら? まぁいいわ。じゃあショウ君、入ってちょうだい」

「は、はい」


 言われた通りにリビングに続く扉に手をかけ、中に入って…


「「「メリークリスマス!」」」

「うぉ!」


 そこには美しく着飾ったオニキスさんと、クリスマス仕様であろうメイドさん、ギルドマスターと見覚えのない男性と女性が待ち構えていた。


 そして違う部屋で着替えたのだろうフローライトさんとダイヤさんが揃い、パーティが始まった!



「ショウ君、このクリスマスパーティというのは貴族にある習慣だから知らなかったと思うけど、こうして家族や恋人が集まりパーティをするものなのよ」


 気がつくとオニキスさんが隣にいて、カップを手渡してくれる。


「さぁ今日は大いに食べて飲んで、楽しみましょう!」



 確かに料理は美味しかった、飲み物もとても美味しく… あれ? なんか急に眠くなってきたんだけど… まさかこの飲み物、お酒だったのか!?


 こうして初めてのクリスマスパーティにて、初めてのお酒を知ってしまった。そしてこれから後の記憶はなかったとさ。

誤字報告いつもありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 異世界なのにクリスマスはあるのですね。 宗教が一緒なのかな? まぁネタ話しと言う事で(^^)
[一言] (*ゝω・*)つ★★★★★
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