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第30話  マッピング? 

誤字報告いつもありがとうございます。

「ぐぬぬぬぬ、ウリボアってレアモンスターなのか? 初めて会ったのはただの偶然だったって事かよ」


 思わず唸ってしまう… なんせ6階層をいくら歩いても遭遇するのはブラッドウルフのみ、まぁお肉が出たら拾うんだけどね。そのおかげか、ブラッドウルフが相手であれば随分と立ち回りは良くなったと思う。次元断の切れ味も最高だし、足を落として機動力を~なんて考えなくても大丈夫だしね。


 やっぱりアレだな、アイオライトのパーティが言ってた通り攻撃力があれば立ち回りは大きく変わる。これでコツコツと削って削ってようやく仕留められるなんて戦闘では、疲労とか色々不便があるはずだ。

 その点次元断は今のところは一撃必殺、これだけでも十分すぎる程のアドバンテージって事だよな。この強みを活かしていく行動パターンを作っておけば指導する時が来ても大丈夫だろう。


「よし、こうなりゃ7階層… 行ってみるか?」


 ダンジョンの性質上階層が深くなると出てくる魔物も強くなる。6階層ではブラッドウルフとウリボアしか見ていないが、ウリボアの遭遇率を考えるともっと下層に行けば出会いも増えるんじゃなかろうか。

 しかし、ギルド発行の冊子には5階層までのマップしか載っていないから、ここから先は自分でマッピングをしなければいけない。6階層以降のマップも確か売っていたはずだけど値段は確認していない… どうするか。


「とりあえず先に進むって前提で6階層のマッピングをやってみようかな、これも一つの経験だろうし覚えておいて損な事ではないだろう」


 マッピング… うん、ちょっと言ってみたかっただけなんよ! でも書く物も紙も無いのにどうやってマッピングしろと言うんだ! ふぅ、我ながらアホなことを言ってしまったもんだ… まぁ今日はブラッドウルフを狩りながらお肉集めで我慢するか。マッピングについては地上に戻ってから考えるって事で!



 そんなこんなですっかりお腹が空いたので、地上に戻る事にした。この空腹具合から察するに、そろそろ夕方だと思う。


 今日の戦果はブラッドウルフの魔石が27個で2160ギルと、お肉が5個で750ギル。合計2910ギルになる予定だな… うん、マジックバッグがあるからという事もあるけど6階層まで来る事が出来て、今日くらい稼げるんだとすると3人パーティでも食べていけるんじゃないかな。

 ええと、3人パーティだと想定して、2910ギルだと1人頭970ギルか… うん、良いんじゃないかな? まぁ装備代とかの貯蓄に関しては厳しいかもだけど、安宿に泊まって節約すれば防具はなんとか買えるようになるかな? まぁこれもまた安物になってしまうけど。


 オニキスさんが見つけてくるであろう物件の部屋数にもよるけど、安い宿泊費を頂いて泊まらせるっていう事も出来るかもしれない… まぁ今考えても捕らぬ狸の皮算用なんだけどね!

 とりあえず戻ってギルドに売ってこよう、さすがに2日連続でお肉の寄付は孤児院でも困るだろうから… 保存には塩をたくさん使うからね。



「おう、結界師の… ショウだったか、今日も生きて帰ってきたか! 偉いぞ!」

「は、はぁどうも」


 今日はいつもよりもギルドに着くのが遅かったようで、たくさんの冒険者で賑わっていた。当然受付カウンターも行列ができており、結構時間がかかりそうな程並んでいた。なので俺もと並んでいると、見かけたことはあったけど、話をするのは初めてだった冒険者に声をかけられていた…

 偉いぞと言われつつ、肩をバンバンと叩かれて正直痛いっす! でもまぁ笑顔で声をかけられているので、悪意は無いと信じたい、マジで痛いけど。


「ショウ君今日もお疲れ様、素材をここに置いてね」

「はい、今日はブラッドウルフしか会えなくてしょぼいんですけど…」

「いやいや、登録したてだと考えればすごい事よ? ソロなのに6階層で狩りができるなんて。でも無理はしないようにね! 今日は2910ギルね、確認してちょうだい」

「はい間違いなく… ありがとうございました。ちなみに6階層以降の地図って売ってるんですよね?」

「売っているわ、6階層以降はワンフロアごとに売られているから少し値が張るようになるけれど… 買うの?」

「おいくらですか?」

「6階層の地図が200ギルで7階層が300ギル… こんな感じで値段が上がっていくわね」

「そうですか、じゃあ6と7階層の地図を買います」

「はい、じゃあ500ギルね」


 ふぅ、マッピングをするという気持ちがどこへいってしまったのだろうか… 横着してしっかり購入してしまったよ。帰ってから地図を見て明日の行動を考えるとしますかね。

 オニキスさんの家に戻る前にアレだ、思いついた事をメモするための道具を買っていかないとな。チョークくらいの大きさもある炭で作られたペン? それに小さく切り分けられた木の板… まぁメモを取るってわりには大掛かりなものになってしまうが仕方がない、ここには紙もボールペンも無いんだから。でもマジックバッグを格安で売ってもらったおかげでしまう場所には困らないから安心だよね! 部屋を掃除しに来るメイドさんに見られなくて済むし!



 買い物を終えて戻ってみると、オニキスさんはまだ帰宅していなかった… 朝の物件を探しに行ったとのことだけど、どこまで行ったんだろ? あの人は妙なところですごいパワーを使う人だからなんとも言えないけどこの街の物件だったらこの街の商人に話して済むもんじゃないの? 俺にはさっぱり分からないので考えるのを止めとこうか。


 とりあえずせっかくメモの用意が出来たので、ご飯とお風呂が終わったら早速使ってみようかな。使い心地は悪そうだけど…



 翌朝に気づいたんだけど、オニキスさんは昨日帰ってこなかったみたいだ。なんか俺のせいで忙しく動いているのだからなんとも申し訳ない気持ちになって来る… まぁこう言ってしまったらなんだけど、お願いする前にオニキスさん自身が動いている事だから良いのかもしれないけど、でもそういった物件を探すというのなら俺も連れていって欲しかったな…


 とりあえず帰ってきてないからしょうがない、俺は俺のやる事をやろう。

 今日の目標は7階層に向かう階段を見つける事。地図があるから辿り着く事は簡単だけど、その道中に何があるかとかも知っておかないとね、地図も大雑把だから距離感もいまいちだし。後はそこまでにかかる時間も問題なんだよな… あまりに時間がかかるようなら7階層に滞在する時間にも直結するから、そうなると6階層にとどまった方が良いって結論もあり得る。


「まずは行ってみて… だね!」

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