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第23話  今日の収穫は…?

誤字報告いつもありがとうございます。

 4人がそれぞれ感想を話しているが… やっぱりゴブリンとはいえアイオ達のパーティだと一撃確殺はできないらしい。

 接敵前に弓と魔法で動きを鈍らせ、カルサイトが大きな盾でヘイトを集めながら足止めしつつアイオライトがとどめを刺していく… そんなスタイルで戦っているとの事、確かにそれだと壁役になる重騎士カルサイトの負担は大きくなってしまうだろう。

 せめて弓と魔法、そして剣でそれぞれ一撃で倒せるようになったらゴブリンキングの部屋に入ろうと決めているんだそうだ。


 ふっふっふ… やはり俺の次元断、優秀だったか!


「でも結界を守りじゃなくて攻撃に使うなんてな… さすがに想像がつかなかったぞ。でもよく思いついたものだな」

「まぁ最初は偶然だったんだけどね。結界に頼らないで武器だけで狩っていたんだけど、不意打ちを食らって無意識に発動した結界がゴブリンの腕を斬り落としてね… それで使えないかと色々考えたんだよ」

「なるほどなぁ… 確かにこれならAランク冒険者のオニキスさんが目をかけるだけあるって分かるよ」

「まぁでも、今日は俺も楽をさせてもらうよ。普段は何もかも1人でやらないといけなかったけど、今日は人数いるからね」

「おう! ちょっと編成も色々と考えようぜ!」


 何度かゴブリンを相手に戦闘をこなし、そのたびに立ち位置なんかを変えたりしていたんだけど結局カルサイトが最前衛に立ち、俺とアイオが中衛でコーラルとシエルが後衛という事で落ち着いた。まぁ当然の結果ともいえるが…


「よしっ! ナイトは任せろ、ショウは奥にいるゴブリンアーチャーを!」

「分かった!」


 3体いたゴブリンナイトを重騎士であるカルサイトが受け持ち、攻撃を抑えている間にアイオライトが剣で突き刺している。後衛2人は奥にいる2体のゴブリンアーチャーをけん制しているため、ゴブリンアーチャーは弓を射る事が出来ないでいた。


 俺はその場を飛び出し、ゴブリンナイトの脇を駆け抜けゴブリンアーチャーに走り寄る。もちろん後衛2人の射線に入らないよう少し迂回しながらね、見えない所からの攻撃って怖いから…

 弓と魔法攻撃に晒されているゴブリンアーチャーは、俺の接近に気づいていながらも対処する事が出来ずに回避行動ばかり… もらったぜ!


「次元断!」


 パキィィィン!


 2発同時に放たれた次元断により、ゴブリンアーチャーは両断されて消えていった。

 よし終わったと思い後ろを振り返り、前衛2人の援護にと目を向けると…


「おりゃぁぁ!」

「グギャァァァ!」


 最後の1体が首筋を斬られ、倒れるところだった。


「よっしゃぁ! 完全勝利だぜ!」

「おう!」


 アイオライトとカルサイトがガッツポーズをしながら勝鬨を上げる、ゴブリン相手にそれは… と思わなくはないが、俺達は全員神託を受けたばかりの12歳… 勝利を喜ぶのは別におかしい事ではないよね。


「いやーショウ君が敵の後衛を処理してくれるから本当に安全に狩れるわね」

「うんうん! なんか半日で普段の一日分狩れてるもんね」


 後衛組はご満悦の様子、普段は多くても5階層のゴブリンパーティ3組とか4組… 大体15体から20体ほど狩ったら疲れ切って撤退していたとの事。

 しかし今日はお昼の時点で20体狩り終えている… ゴブリンナイト、アーチャー、シャーマンは一律1体80ギルだから現状で1600ギル、後は夕方までじっくり安全に動いても稼ぎは上々という事だ。


「しかし敵後衛を先に落とせると安心感が違うよな、普段もコーラルやシエルのおかげでなんとか黙らせているけど」

「そうだな。それでも隙をついて攻撃をしてくる時もあるから、盾役としては後衛からも目が離せなかったんだが… 今日は楽だった」


 そんな感想を言ってもらい、俺としても大変満足な仮パーティでの戦闘結果となった。

 ま、俺個人としては普段よりも稼げてないんだけど、そんな野暮な事を言ってしまうほど俺は空気の読めない子じゃないんだぜ!



 その後も体調の具合を確かめながら狩りを続け、最終的には35体分の魔石を手に入れダンジョンから撤収した。


「ゴブリンナイト、アーチャー、シャーマンの魔石が35個で2800ギルになるわね、確認してね」


 フローライトさんから受け取ったお金を持ち、ギルド内にあるテーブル席にて分配を始める。


「ええと、2800ギルを5人で分けるんだから… ええと」


 実家が商会だというアイオライトが計算を始めるが、なかなか答えが出てこないな… まぁいくら商会で育ったからといっても日本のような教育を受けた訳でもないんだろう、計算が多少遅くても間違わなければいいのだ。


「よしっ! 1人560ギルだな! 頭数は増えたけど、その分倒せた数も増えたから稼ぎとしては悪くはないな」

「まぁね、特に私達はこの町出身だから帰る家があるしね。宿暮らしならすぐに足りなくなるんだろうけど」

「それはしょうがない、このダンジョンで最弱のゴブリンしか狩れていないんだからな」


 どうやらこのまま反省会をするようだ。気のせいか周囲にいる他の冒険者の目がなんか優しい気がする… 新人世代を見守ってくれているのかね。


「よし、今日はショウのおかげで俺達パーティの欠点がしっかりと見えた気がする。やっぱり多少金がかかっても後衛の2人の装備は急いで強化する必要があるな」

「そうだな。俺の盾は元々頑丈な物だから後回しでもいいけど、敵後衛を早々に仕留められるんならそっちの方が効率はいいし、今後の稼ぎも良くなるだろう」

「よし、じゃあその方向で考えていくか」


 うーん、やっぱりこういう連帯感っていうのは良いもんだねぇ。俺も今日は楽しかったしな。


「ところでショウ、お前さえよければうちのパーティに入ってもいいんだぜ?」


 おおう、まさかの勧誘キタコレ! なんかすっげー嬉しいんですけど! でも…


「せっかくの誘いなんだけど、俺も今は結界の使い方について勉強中なんだ。ソロだからそれが出来るけど、パーティに入るとなると俺1人の我儘でメンバーに迷惑かける訳にはいかないからな。

 もうすこし俺自身が使い物になったと判断したら、俺の方から入れてくれって頼みに行くよ」

「そうか… それはちょっと残念だが、パーティにいるとそれなりに責任も増えるからな。でもお前の言いたい事は分かった、俺達もお前が入れてくれって言ってくるまでに強くなっておくぜ!」


 アイオライトとがっちりと握手を交わし、今日はお開きとなった。

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