第22話 臨時パーティの約束!
誤字報告いつもありがとうございます。
「ショウ… だったな、お前はレベルいくつなんだ? 結界師でダンジョンに入っているだけでもあり得ないと思っていたのにゴブリンキングを倒したって? ソロでだろ?」
「レベルか? 俺は先週鑑定してもらった時はレベル9だったけど、初めてゴブリンキングを倒した時に体が軽くなったから上がったっぽいんだよね」
「レベル9? そんな… 俺達でさえ全員レベル4だっていうのに」
「まぁここだけの話だけど、先週初心者狩りに襲われてね… オニキスさんが助けてくれたんだけど、その時に俺の攻撃が1人に当たっちゃって、それで一気にレベルが上がったっぽいんだよな」
「ああ… 初心者狩りが捕まったというのは聞いたけど、アレはショウが絡んでいたのか」
「まぁ普通に考えれば、ソロでダンジョンに出入りしている結界師なんて狙い目みたいに見えたんだろうね。ギルド側もそれを察知していたらしくてオニキスさんをこっそり俺の護衛にあててくれてたんだよ」
「ははーん、つまり囮にされてたって事だな?」
「そうみたいだな、なかなか尻尾を掴ませない狡猾な連中だったみたいだから」
さすがにお酒は飲めない年齢だから飲まないけど、お肉だけでも結構盛り上がって話が進んで行く。うん、なんかこういうのって楽しいよな、俺もパーティ組みたいぜ…
「ショウ君、結界師でも戦えるって事は分かったけど実際どうやって攻撃しているの? まさか全部その槍で倒している訳じゃないんでしょう?」
「確かに結界は脆いからね… 正面から受けようとすればゴブリンにも壊される使えないものだけど、それでも使い方次第で結構いけるもんなんだよ」
「へぇ~そうなんだ、私も魔法を使うから結界師の使うスキルには興味あるんだよね。今度合同で狩りとかしない?」
「お、それは良いかもしれないな! 俺も結界師の戦い方には興味あるんだよ」
「マジか… まぁ別に構わないけど」
いやホント… マジか!
合同とはいえ俺にもとうとうパーティ戦闘の機会が!
「でもショウ君の戦い方を見るに… パーティでの集団戦はちょっと難しいかもしれないわね」
ちょっとオニキスさん? どうしてそこで水を差すの?
「だってショウ君の必殺技… 射程の都合で最前線に立たないといけないでしょう? それに万が一味方を巻き込んでしまったら…」
「あー、確かに。まぁでもどんな攻撃方法なのかを見てもらって、それから編成とかを考えれば良いんじゃないかと思うんですけど… というか、どうして俺の次元断の欠点を? 一度しか見せていませんよね?」
「それはアレよ、無事に狩れているかどうかを確かめるために隠密行動で見に行っていたのよ」
「ファッ!?」
見られてた? 一体いつの攻略を見られてたんだろう? いや、別に見られて恥ずかしい行動をしてた訳じゃないけど… してないよな?
まぁそんな訳で、臨時とはいえ一緒に狩りをする事になったのだ!
いやぁ今までソロだったから、妄想のついでにパーティ狩りの練習っぽい事もやったけどさ… 実際に組むとなると緊張するよね。
あの4人はちゃんと連携が取れてるだろうけど、突発で人が増えても良いんだろうかと心配なんだよな… まぁそれは後で考えればいいか、どうせ5階層でゴブリンを狩るんだろうし問題は無いだろう。
「そういえば、そっちはパーティ名なんてあるのか?」
「いや、俺達だって組んでそれほど経ってないからな… まぁそのうち決めようとは思っているけど」
「そうなのか… ドラゴンバスターとかドラゴンスピリットとか恥ずかしい名前になるのか?」
「恥ずかしいってなんだよ、それにやたらとドラゴン推してくるし… ちょっと良いかもしれないけど」
やはりパーティ名の定番ってドラゴン関係の恥ずかしい名前なんだね? まぁどれも前世の記憶にあるゲームのタイトルなんだけどね!
まぁそんな感じでお食事会が終了したんだが… いやぁなんか楽しかったな!
合同の狩りも2日後という事で話はまとまったし、まぁ明日は向こうがお休みだという事だから仕方がない、休日は大事だからな。それにお休みと言ってもまるまる寝ているわけじゃなくて、傷薬やなんかの補充もするとの事だ。
まぁ俺もリュックで荷物を持ち歩いているけど、せいぜいお昼用の食べ物だったり水袋だったりそんな物しか入れていない。でもそうか、ちょっとした傷でも血が止まらないなんて事もあり得るから軟膏みたいな薬はあった方が安心感が増すかもな。全然考えてなかったよ…
そして… 約束の日、待ち合わせとなっているダンジョンの入り口にやってきた。約束の時間である朝一の鐘… 大体午前6時くらいまでまだ少しあるから待ち時間で荷物の確認をしよう。
小腹が空いたとき用の干し肉とパン… OK。
大体1リットルほど入る水袋… 満タンOK。
話を聞いて昨日買っておいた傷薬… OK。
返り血を浴びてしまったとき用の手拭い… OK。
生活魔法で水は出せるんだけど、魔力を結界以外で使いたくないから水袋を使っているんだけど… やはりこれが面倒な荷物だったりするんだよな。水は生ものだから長時間放置していると変な臭いが出てくるし腹痛の原因にもなりえる、ダンジョン内で水が原因で腹痛なんてヤバいから魔法でどうにかできれば良いんだけどな… こればっかりはレベルが上がって魔力の保有量が増えるのを期待するしかない。
いざという時に魔力切れで次元断が使えなくなったら… そりゃ考えたくもない最悪の事態だからね。
「おう、早いな」
「おはようアイオ、それにみんなも」
「おはよー!」
ちょうど確認が終わった時に、アイオライトを先頭に4人が揃ってダンジョン前に現れた。
「それじゃあ今日は5階層での狩りだな、魔石は全部まとめてから5人で頭割り… それでいいな?」
「問題無いよ。まぁ俺が入ったから収入が減ったなんて言われたくないから、ちょっと張り切ってみるかね」
「おいおい、無茶して怪我なんてしたら馬鹿を見るんだぞ? ほどほどにな」
「それっ! 次元断!」
パキィィィン!
ゴブリンシャーマン2体、ゴブリンナイト3体のパーティはあっという間に魔石へと姿を変えた。
「ちょっとすごくない? 何あの次元断って技… 全部一撃で倒せるなんて攻撃力高すぎでしょう?」
「うん… ちょっと思ってた以上に凄かったわね。確かにこれなら1人でもゴブリンキングに勝ったって話も納得できるわ」
「うぐぐ… やるじゃないか」
「すげぇ」
寒くなってまいりました、油断せず温かい格好でお過ごしください。
作者の住む地域でもとうとう白銀の世界へと変貌してしまいました。気温も氷点下へとなってきています… 転ばないようにしないと\(^o^)/




