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第21話  お食事会!

誤字報告いつもありがとうございます。

 あれから1週間が経った。

 フローライトさんに家の事を聞いてみたところ、なぜかオニキスさんに知られてしまい… この1週間は毎日オニキスさんの所に泊まっている。

 もうヤバイんだよ、あのベッドにお風呂が毎日使えるなんて… もう安宿になんて泊まれないじゃないか!


 まぁとりあえず宿泊状況はともかくとして、道具屋へと足を運んで魔石用の袋を新調し、それを背負えるようリュックのような肩紐に改造してもらったところ… 道具屋さんの店主にこのアイデアを使わせてほしいと頼まれたんだ。

 ふっふっふ… とうとう俺も知識チートってやつをやってやったぜ! というか、どうして誰もこの仕様に気づかなかったんだろうね。リュックのように背負ったら両手がフリーになって安全度だって増すし、動きに支障が出ないよう工夫する事だってできる。

 もちろん冒険者の中にはポーターの仕事をしている人だっている訳だしね、今までは小さなサンドバッグのような袋に荷物を入れて運んでいたという事だから、両手がフリーになれば歩きやすくもなるだろう。


 なので、もちろん俺はこの提案に了承した。

 流れで商業ギルドに連れて行かれて特許申請のような事をして、今後売り上げの5%が俺の収入として入ってくるという事だ。


「まぁ5%って聞けばね、リュックの単価もそれほど高くも無いし大儲けって事にはならないだろうけど… でも他の町にもリュックが広まり、数が売れるようになれば美味しいかもね」


 お金はいくらあっても困らない、なので小さな収入源でも確保できたのは良い事だと思っている。


 そして今日、夜になったら前にダンジョン内で出会った同期のパーティと飯を食う約束なのだ! もしかしたら孤児院以外で初めての友達が出来るかも!?

 先輩冒険者から声をかけてはもらえるんだけど、俺と似たような年齢層からはそういったことは無かったんだよね… 悲しい。


 そして用事を終えたので、待ち合わせ場所であるギルドの横にあるご飯と酒を提供してくれるお店、『金のゴーレム亭』に向かって歩いているんだが…


「ショウ君の同世代というのであれば、先輩である私が奢ってあげても問題は無いわね。若いんだからどんどん食べなきゃダメよ?」

「は、はぁ…」


 なぜか隣にはオニキスさんがいたりする。


 まぁ今日はね、そういった予定があったから夕食は外で食べてくると伝えたところ… 「そうなのね」と納得してくれていたと思ったんだけどなぁ、金のゴーレム亭に行くとまで伝えちゃったら待ち伏せされてたって訳さ。


 でもまぁ、なんとなくだけどオニキスさんは俺の保護者代わりを務めてくれているようだし、有難いと言えばかなり有難い。ましてAランク冒険者が傍にいると思えば、他所から流れてきた冒険者に対する牽制にもなるからね。

 正直この街にいる冒険者達には俺の事はかなり認識されていると思ってる、これはフォーカラットの皆のおかげでもあるしオニキスさんのおかげでもある。結界師なのに5階層でゴブリン狩りをしているだけでも驚かれていたからな…

 まぁしかし、他所から流れてきた冒険者にとっては結界師が5階層で狩っているなんて言われても信じられないだろうし、仮に狩っている事を理解されたとしても、その稼ぎを狙って… なんて事もあり得る。全くもって有難い事だ。


 今日は朝の内から席を予約していたので、これから混み合う時間だけど席の確保は問題ない。先に入って待つ事にするか。



「そういえばショウ君の同期って聞いて少しギルドで調べてみたんだけど、4人全員がそこそこな家庭で育った子のようね。新人なのにそこそこの装備をもって狩りをしているそうよ。中でもこの街の大工の家の息子… 次男だそうだけど、あの子はちょっとどころじゃないほど育ちすぎなのよね、全然12歳には見えないし身長も170センチはありそうだし、全然12歳には見えないわ」


 なぜ12歳のところを2回言ったんだろう? そこは重要なところなのか?


「他の3人もね、12歳にしては垢抜けてるというか… ちょっと素朴さが足りていないって感じかな。やっぱりショウ君が一番よね!」

「ソ、ソーデスカ…」


 そして待つ事数分、1週間前に出会った同世代パーティの4人が入ってきた。


「おっす、皆怪我とかしてないみたいだな」

「おう、お前こそな。というか… え? こ、この人は?」


 予約していた個室に入るなり、多少ぞんざいな挨拶の後オニキスさんを見て固まってしまう4人パーティ…


「あの! もしかしてAランク冒険者のオニキス様ですか? 私… ファンなんです!」

「そうなの? 確かに私がオニキスよ。ちょっとこっちにいらっしゃい?」


 ちょっと小柄な女の子… 弓を背負っているから弓師なんだろう、オニキスさんのファンだという事だが… まぁ確かに冒険者をやっているなら高ランクの冒険者、ましてやそれが女性冒険者となれば憧れる人も多いだろうね。


 そんな訳で、いよいよ夕食タイムとなったわけだ。俺が座り右隣にはオニキスさん、その隣に先ほど手招きされていた弓師の子。俺の左隣にリーダー格の奴がいて、その隣に大柄な奴が座る。ふむ、たしかにオニキスさんの言う通り同じ歳には見えないサイズのボディだな。恵まれた体躯をしよってからに…


「じゃあアレだ、名前も知らない事だし自己紹介をしておくか。俺はショウ、孤児院出身の結界師だ。今は5階層で狩りをしているけどそのうち6階層に行こうと思っている」

「おいおい、6階層に行くには5階層のゴブリンキングを倒さないと行けないだろ? 無理なんじゃないか?」

「いや、ゴブリンキングはもう倒している。ここ数日は魔石集めのルートに入っているよ」

「なんだと!? 俺達のパーティでもまだなのに!」

「ちょっとアイオライト、まずは自己紹介しろよ…」


 立ち上がりかけたアイオライト? を宥めて話を戻そうとする大柄の奴… 見た目よりも繊細な感じなのかね。


「俺はアイオライトだ、一応パーティリーダーをやっている剣士だ。まぁ実家は商売をやっているが俺の活動とは関係ないから言わなくてもいいな?」

「俺はカルサイト、重騎士だ。ゴブリンナイト程度には当たり負けをしないぞ」

「私はシエル、魔法使いだよ。とは言ってもまだ初級魔法しか使えないけどね」

「私はコーラル、弓師をやっているわ」

「最後は私ね、オニキスよ。斥候職だけど基本的には暗殺するタイプね、気配を消す事が得意よ」


 暗殺… 気配を消す… やっぱりAランクになれるほどの冒険者は怖い職業に就いているんだな。

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[一言] 衛兵さんこの人です!
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